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酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

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酔いどれバトル IN イルミンスール大浴場!

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第8章 役目

「えっと……エースさんリタイアっと……」
 このゲームにはたくさんの裏方が存在していた。
 ワインをお風呂に運ぶ人、作る人。
 そしてゲームを審判してる学生もいた。
 そのうちの一人がザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)だった。
 ザカコは一人一人、倒れている人たちをナーシングで酔いを軽減させては、記録をつけていった。
「そういえば、このグラビティコントロールどうすれば収まるんでしょうね」
 ザカコは人が浮かぶ空を見上げた。
 そこにはまさに死屍累々とばかりに、酔いつぶれた人が浮かんでいた。

「あ〜、はいはい、吐きそうならこれに吐いて」
 シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)は介抱に右往左往されていた。
 倒れている生徒を介抱するなかで、ビニール袋を生徒に渡したりしていく。
「シリウス、こちらに顔色の悪い生徒さんが……いますわ……」
 眠そうに目をこすりながら、リーブラ・オルタナティヴ(りーぶら・おるたなてぃぶ)が声を上げる。
 別に彼女はかなりお酒を飲んでいたわけでもなく。単にシリウスと介抱してまわっているだけのはずだった。
「おう、すぐいくぜ!」
 シリウスは今度は、チェイサーと呼ばれる強いお酒を和らげるために飲ませる水を持ってくる。
 これらはすべてあらかじめ準備しており、すべて医療介護バッグに詰め込んできていた。
 そのバッグからは数本強いウイスキーのボトルが入っている。
 ちなみにシリウスはリーブラとは違い、お酒を逐一飲んでいた。
 それでもまったく酔わないのは、地球で毎日のように隠れてお酒に飲みあけくれて居たからであろう。

「はわあうううっ……いけない、眠いですわ……」
「おお、まあ。生徒はこれで全部みたいだしそろそろ寝ても良いぜ。おつかれさん」
「はい……後のことはシリウス……おえんがいします……ね」
 そのままリーブラは目をつむり寝息を立てながら宙に浮いた。

「はい、おつかれさまです」
「ん? なんだあ?」
「あ、自分は、今日審判係をしてる人です」
 突然近づいたザカコは不審そうにみるシリウスに、あっさりと説mねいした。
「いえ、シリウスさんのおかげで大分たすかりました。もしも何かあれば水風呂に全員を放り込もうとか考えたんですが」
「おいおい」
 笑いながら言うザカコをシリウスはジト目で見た。
「まあ、それは置いておいてですね。どうやら皆さんお酒で酔いによってお休みのようなんです」
「ん〜、そうだな。どうだ、私たちだけでも飲むか?」
「そうですね、ではいっぱいだけ」
 そういうと、ザカコとシリウスはワイングラスを手に取り、1杯飲んだ。
「さて……私の判定が正しければ。今回の優勝はあなたです。シリウスさん」
「ぶーっ!?」
 シリウスは目を見開いて、のみかけのワインを吹き出した。
「なっ、なんだとっ!?」
「おめでとうございます、おそらく後でイルミンスール秋の実り高級食材セットが、渡されますよ」
 ザカコは笑顔で言いながら、お酒を飲み干した。
「オレは単に、お酒を楽しんだだけだったんだがな……まあ、もらえる物はもらっとくか」

「ええ……しかし、イルミン生が通称できなければグリモール書き取りと言ってましたねえ」
 すこし落胆したようにザカコはつぶやいた。
「校長が酔って破茶目茶してたときの録画映像をタネに何とかしますか」
「鬼だな」
 シリウスはますます呆れ顔でザカコを見た。

「で、この宙に浮いた生徒さん達どうしましょうか」
「……たぶん、フランチェスカが起きれば収まるだろ」
「でもそれ、収まった瞬間みんな頭打ちますよね」
「……」
 二人はしばし無言のまま空を見上げた。
 酔いつぶれ寝ている物、くるくると回りながら泳いでる物。
 様々居た。おそらくこのなかで正気のまま地面に着地できるのはほぼ居ないだろう。

「……床にマットでも敷いておくか」
「そうですね……」
 二人はその後のことも思い、大きくため息をついた。

担当マスターより

▼担当マスター

朱坂理樹

▼マスターコメント

 おつかれさまでした!! そして無事酔いに酔ったお祭りは終わりました。
 まだ、飲み足りない方はどうぞご自由に二次会などに行かれてください。
 
 熱燗がとても五臓六腑染み渡る時期ですね。
 と思い、お酒を飲みながらリアクションを何度か執筆させていただいたのですが。
 マスター自身が酔いつぶれてしまったりなど……。
 お酒は飲み過ぎず適度に飲みましょう。未成年は飲んだらめっです。
 
 それでは皆様、このたびはご参加いただきありがとうございました! 
 また、いつの日か皆様にお会いできればと思います。