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最終章 受賞式


 空は宵闇。
 強い光を放つ照明が表彰台を照らし出していた。
「おめでとう」
 労いの言葉と同時にジャンボ石山が優勝者、神崎荒神に賞状とトロフィーを渡す。
「ありがとうございます。ところで、その顔は?」
「ん? ああ、ちょっとね」
 石山の顔は引っ掻き傷ができていた。
 後ろでは卜部泪が「当然です」という顔をしている。
 続いてホールインワン賞。
「おめでとう」
「ありがと」
「セレアナ、早く」
「待ちなさいセレン」
 受け取るや否や、早く体が洗いたいセレンフィリティは帰宅を促す。セレアナはいつものよう、嘆息しながら後を追う。
「後一人は……」
「ワタシももらっていいんですか?」
 コルセアは呆気にとられたように自分を指さした。
「棄権はホールインワンが確定した後だからね」
「それじゃ……ありがとうございます」
 こうして拍手の中、パラミタオープンは終わりを告げた。


 しかし、静かになる会場とは裏腹に喧騒が途切れない場所がある。
 救護室だ。
「こっちは擦り傷だけみたいですね。九条さん、そちらはどうですか?」
「軽い打ち身です」
 負傷者に【ヒール】を掛け続けるベアトリーチェと九条。
「ベアトリーチェさんごめんなさい。手伝って貰って……」
「いえ、全然。そういう泪さんも実況でお疲れなのに大丈夫ですか?」
「私よりも、選手の方が心配ですから」
「泪さん……」
 泪の台詞に感動するベアトリーチェ。
「よし、これで大丈夫」九条は包帯を巻き終わり、「でも、問題は……」
 一番の大物、ベッドに寝かされている吹雪だ。
 手当は最優先でしてあり、命に別状はない。
 ただ、ここももうすぐ閉鎖される。このままにしておくわけにもいかない。
「どうしましょう?」
 顔を見合わせる三人。そこへコルセアが顔を出した。
「ああ、気にしないで。ワタシが持って帰るわ」
 寝ていた【ピヨぐるみ】を肩に担ぐと、丸っこい体が土嚢に見えてしまう。
「まだ安静にしていた方が……」
「大丈夫、もっと酷くても生きてる人だから」
 泪の心配も他所にあっけらかんと言い放ち、サッと去っていく。
「あ、泪さん、ここに居たんだ」
 それと入れ替わりに来たのは、
「ジャンボさん?」
「今日は盛況だったね。実は次の大会の話が――」
「いい加減にしてください!」
「ご(る)ふっ!?」
 泪のパンチが炸裂。
 新たな怪我人が一人増えた。


 次回は開かれるのか!?


担当マスターより

▼担当マスター

Airy

▼マスターコメント

 初めまして。
 ゲームマスターのAiryです。
 この度はシナリオ『パラミタオープン開催!』にご参加、又はお読みになっていいただきありがとうございます。
 このシナリオは、ゴルフ大会を舞台とした青春スポーツ根性シナリオです。
 いかがだったでしょうか?
 はい、カット。

 はじめましての方、お久しぶりの方、GMのAiryです。
 この無理無茶無謀の三拍子揃ったようなシナリオにご参加いただき、本当にありがとうございました。
 また、最後まで読んでいただいた方も本当にありがとうございます。
 このシナリオは完全にコメディです。
 はい、誰が何と言おうとコメディです。
 ネタと言葉遊びのコメディです。
 スポコンでは決してない……と思います。多分。
 なので、大いに笑ってください。
 声を出して笑ってください。
 ……いえ、ハードルを上げ過ぎました。
 失笑程度で構いません、笑ってください。お願いします。
 そして、叶う事なら楽しんでください。
 少しでも楽しんでいただくことができたのなら幸いです。

 それでは皆様、また次回にお付き合いできることを願って。