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リアクション
「カップル向けのイベントは結構多い中、七夕はちょっと違う気もしなくもないと思いましたが、やっぱりカップルが多いですね。どっちを見ても……」
鬼龍 貴仁(きりゅう・たかひと)はあちこちに目を向けるが、どこ見てもカップルが多い。もちろん家族連れや友人連れもいるが。
「……折角参加したのですから七夕定番のあれでもやりますか」
貴仁の視線はカップルから浜辺のあちこちに設置された笹に向けられた。七夕定番と言えば、短冊に願い事である。
早速、貴仁は短冊を手に
「さてと、どんなお願い事にしましょうか……しかし、こういう独り者からのお願いって微妙に扱いに困りそうですが……まぁ、ともかく」
しばし考えた末に
「…………(心からこういうイベント楽しみたいので俺にも恋人ができますように……それか、世の中のカップルが全て爆発しますように)」
短冊に細かい字でびっしりと書き込んだ。
「出来ました。さて、飾りますか……」
書き上げた短冊を飾ろうとした瞬間、
「!」
貴仁は同じく飾り付けをする者の短冊を見てぎょっとし
「…………リア充爆発ですか(俺と似た願い事ですね)」
おどろおどろしい赤文字で書かれた願い事を読んだ。
そして
「……世の中のカップルが全て爆発しますように、でありますか(自分と似た願い事でありますね)」
ぎょっとさせた者、吹雪もまた貴仁の短冊をさぁと目で読み、一文自分と似た願い事を書かれている事に気付いた。
「……」
互いに無言。
そして
「では自分は行くであります」
「よい七夕を……とはいえ独り身にはあれですが」
吹雪と貴仁は最後に少し言葉を交わしてからそれぞれ行動した。
吹雪は仕置き人から預かり者を受け取りに行き、貴仁は祭りの醍醐味である屋台巡りを楽しむために。
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