First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last
リアクション
「屋台も人も多いですね。中にはバカ騒ぎしたり恋人とゆっくり過ごしたり短冊に密かな願いを込めたりはたまた迷惑をかけたいだけの愉快犯もいたりするかもしれませんね」
エクレイル・アージスト(えくれいる・あーじすと)は賑わっている光景に目を向けた。
「本日は七夕だ。陽気に羽目を外す輩はいるだろう」
エクレイルに頼まれ同行中のカルス・エルミット(かるす・えるみっと)も同じくうなずいた。
「様々な人達が集まり、騒がしいとも賑やかとも取れるイベントですからね」
エクレイルはなおも祭りの光景を目で楽しんでいた。
「……それでどうするんだ。祭りを楽しむのか?」
カルスが冷静な口調でこれからの予定を訊ねると
「いえ、自分達が楽しむのではなく皆が楽しく過ごしやすい祭りにしたいので自治活動を行おうと思います」
エクレイルは口元に軽く笑みを浮かべつつ答えた。
「そうか。では協力しよう」
カルスは参加者としてではない事に何も文句は言わず、ただ賛成の意を示した。
「早速、見回りを始めましょう。ただし、騒ぎに遭遇してもまずは話し合いで」
エクレイルは護身用に木刀とブロードソードを携える。武器はあれど最初に試みるのは平和的な解決方法だ。
「あぁ、祭りの最中に参加者にいらぬ迷惑を掛ける訳にはいかぬからな。私は空から見ていよう」
カルスはヴァルキリーの翼を使い、空へ。
「分かりました」
エクレイルは地上での自治活動を担当する事に。
この後、二人は木から下りられなくなって難儀している者に遭遇して手助けしたり悪戯を起こす双子に遭遇したりした。
夜明け。
「……色々と騒ぎは起きたが、無事に終わってよかったですね」
「そうだな」
エクレイルとカルスは笹が流され、次々と光の粒子となり空へ還る様を眺めながら心地良い疲れに充足感に包まれていた。
First Previous |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
Next Last