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リアクション
【二つ名】
台の上にのせられた魔法石は、機晶の力を受けて不思議な輝きを帯びている。
アッシュは杖を掌に喚び出すと、静かに瞳を閉じひと呼吸し、石の一つを手に取る。そして平太を振り返り、目礼を交わした。
フィッツ・ビンゲンがアッシュに言う。
「【魔力の吹子(ふいご)】――指定した相手の炎系魔術の発動を加速する効果で考えてみたんだ」
彼の考えにアッシュはハッとして、それから微笑んだ。
「【魔力】の……は難しいと思うけどその効果自体は付ける事は出来るよ。例えば――」
【★炎を送る者】 フィッツ・ビンゲン
・武器から魔法力を放射し、相手の炎系魔術の発動を加速する。
次は小鳥遊美羽とコハク・ソーロッドの夫妻だ。
「【神速】って名前で、脚力強化シューズをパワーアップさせたいな♪」
美羽に続いてコハクが提案する。
「【貫く者】、得意な槍を強化したいんだ」
「うん、ぴったりな二つ名だね。それから美羽の方だけど…………神速かぁ……。
カッコいいけど【神】という単語だと絶大な魔力がなければ無理なんだ。僕もそんな人物は今迄に見た事はないよ。だから効果の方を考えて……」
アッシュは暫く考え込み、答えを出す。
そして武器が完成すると、平太がコハクに言った。
「氷柱みたいに綺麗な武器になりました! これで、何でも来い! ですよ!」
【★翔ける者】小鳥遊 美羽
・武器を装備していると、魔力が足に流れ、脚力を強化する。
【★貫く者】コハク・ソーロッド
・武器に魔力が流れ込み、突きの力を強化する。
遠野歌菜は月崎羽純と並んでくると「お願いします」、と頭を下げた。
「【歌は無慈悲な戦場の女王】、攻撃を受けた相手の武器を破壊の旋律が包み、攻撃力を下げる、というイメージです。
それから羽純くんは【月は無慈悲な戦場の王】攻撃を受けた敵を光の輪が包み、僅かな時間動きを奪う効果、でお願いしたいんです」
「二人とも四つの単語の組み合わせ……しかも一つひとつでかなりレアなものだからそのままは難しいかな。うーん…………効果だけなら【旋律】とかは出来るかな?
それから羽純の方は、一定時間動きを奪うだけなら、君になら出来ると思うんだ」
アッシュの提案を受けて、平太は二人の武器を作り出した。まずは歌菜の武器だ。
「【旋律】という力を付与した魔法石をつけられるようにしました。これで“攻撃力を下げる”効果が出ます」
【★旋律の抱擁】遠野 歌菜
・武器を振ると旋律が零れ、対象を包み攻撃力を下がる。
【★瞬刻(しゅんこく)の輪】月崎 羽純
・武器から放射された魔法の輪が敵を捕らえると、僅かな時間対象の行動を不能にする。
次はルカルカ・ルーとダリル・ガイザックだ。
「私が希望する二つ名は【森羅斬象】よ。元々の5倍の攻撃力になり、あらゆる事象を断ち斬る切断力を持つの」
彼女の提案に、アッシュは口を開いたまま暫く固まっていた。
「……中々個性的だけど、単語としては難しいし、効果だけで考えても強すぎるような…………。ええっと…………」
思い浮かばない様子のアッシュに、平太が助け舟を出す。
「ルカルカさんが壊れちゃいます? もう少し、効果を落としたらどうです?」
「一定時間を倍にするくらいなら出来そうかな……」
「【百禍繚乱】動作に付随し、意志力でも操作出来る鞭が無数に出現する」
「効果だけで言うと、ワールドメーカーの人がよくするみたいな事だよね……?」
アッシュはまたも迷路に入ってしまった。
【★二重(ふたえ)の力】ルカルカ・ルー
・一定時間装備した武器の攻撃力が二倍になる。
【★重複の衝撃】ダリル・ガイザック
・一定確立で装備した鞭の先が無数に分裂し、対象を攻撃する。
「宜しくね」リカイン・フェルマータは改めて挨拶して、考えを二人に言った。
「【あまねく護る意思】いわゆるシールドビットよ。
盾が自分の手から離れて、皆を自動防御をしてくれる。欲をいえば複数に分裂して多数の攻撃にも対応できるようにしたいところなんだけど、どうかな。
やっぱり力が強過ぎて、どっちかしか無理かしら?」
「そうだなぁ……片方にするとして、どっちにしたほうがいいのかな……」
「やっぱり自動防御にするか、多数相手にするか、どちらかしか出来ませんか?」
平太の質問に、アッシュは頷いた。
「盾、というからには必ず対象を護る、とした方がいいと思うからね。
あと、流石に盾の耐久を超えたら壊れちゃうかな。それまではしっかり護ってくれる盾、の意味を込めたい」
【★あまねく護る盾】リカイン・フェルマータ
・盾が横一列に分裂し防御を行う。最大五人まで防御が可能。
椎名真は後ろ頭をかりかり掻く癖を無意識にしながら
「【トゥルーオブザーバー】武器で相手に触れると、相手の思考が分かる……とか…………」と、少し気恥ずかしそうに言った。
彼の提案に顔を見合わせるアッシュと平太。そこで黙っていたアレクが口を開いた。
「observer.この場合観察者の方の意味だろ?
だから……“Observer of truth.”の、方がいいか……」
ふんふんと頷いて、アッシュは二つの単語を思いつく。
「そっか、【真実】を【見抜く】……で組み合わせればいいんだね!」
【★オブザーバー・オブ・トゥルース】椎名 真
・武器で触れると、対象の思考を読み取る事が出来る。
御神楽舞花、エリシア・ボック、ノーン・クリスタリアの三人が現れる。舞花は丁寧に頭を下げて
「おまかせ出来ますでしょうか」と言う。
アッシュと平太が彼女達に出した応えは――
【★思念を読むもの】御神楽 舞花
・単語一つでは効果を発揮出来ない特殊な二つ名。
銃弾を撃ち込んだ相手の、次の行動を読み取る事が出来る。
【★斬り裂く盾】エリシア・ボック
・攻撃の際、魔法力が壁となり、同時に防御も可能する。
【★青の降雹】ノーン・クリスタリア
・装備した翼で円を描くように飛び続けると、指定範囲の敵に攻撃力を持った青い雹が降り注ぐ。
綾原さゆみとアデリーヌ・シャントルイユの二人は、「名前は思い浮かんでないんだけど……」と前置きして、効果のみを伝えた。
「敵へ向けて氷の刃を上空から無数に降り注がせるの」
「こう、上から下へ、氷の刃が……。そうだなぁ、【氷刃の雨】なんてどう?」
アデリーヌは? と、問われて、彼女は
「強烈な光の本流を敵にぶつけて敵を行動不能にするという効果は出来ますの」と問い返した。
【★氷刃の雨】綾原 さゆみ
・武器での攻撃時に対象へ向かって氷の刃が無数に降り注ぐ。
【★流光(るこう)】アデリーヌ・シャントルイユ
・武器での攻撃時に対象を光りの激流が襲う。
紫月唯斗は、胸を張ってこういった。
「二つ名とは名乗るのでは無い! 誰かに呼ばれるモノ!!
アッシュ、平太、任せるぜ!」
アッシュは吹き出してしまいつつも、彼に満面の笑みで応える。
「確かにそうだね! じゃあこんなのはどうかな……?」
【★影縫い】紫月 唯斗
・対象に攻撃を連続で当てる事で、一定時間行動を不能にする。
次にきたのはセレンフィリティ・シャーレットとセレアナ・ミアキスだ。
まずはセレアナが
「射撃精度の著しい向上をお願いするわ」と言うと、それに次いでセレンフィリティが
「通常の4倍の速度で斬撃を浴びせる。
名前は任せるわ、中二病もおおいに歓迎よ!」
と、豪快に笑った。しかし今迄の流れを考えると、それが難しいのだろうと、平太にも分かって来た。
「やっぱり四倍まで行くと……」
「うん、一瞬の効果か、一回使ったらおしまいっていうくらいの大技の……」
アッシュは暫く考え込んでいた。
【★瞬きの豪力】セレンフィリティ・シャーレット
・攻撃の際に、一度だけ爆発的な衝撃付加する事ができる。
【★眇(びょう)を撃つもの】セレアナ・ミアキス
・非常に小さなものでも狙って撃てるようになる。
高柳陣がアレクと話し込んでいる間、ティエン・シアとユピリア・クォーレがやってきた。
「【癒しの木漏れ日】、お祈りを捧げると天から柔らかい光が降り注いで、皆を癒してくれるって二つ名は出来るかな……?」
と、ティエンが言う。
「うん、【光り】と【癒し】の組み合わせだね。
大丈夫だよ」
アッシュが魔法石を手に取ると、ユピリアが妙に悦に入った顔で口を開いた。
「【純愛可憐な閃光乙女】、大幅に素早さが上がると同時に身軽さが増すのよ!」
「純情可憐な…………」
「…………乙女」
胸焼けしそうな名前に、アッシュと平太はユピリアの考えを繰り返し、口を閉じたまま何も言う事が出来ない。
長い沈黙の後、アッシュが「そういえば陣は」と無理矢理話題を逸らした。陣はまだアレクと話に花を咲かせているようで、此方で話が始まっているのに気がつかないらしい。
「仕方ないわねぇ……」とユピリアは首を横に振った。
「私が代わりに考えてあげるわ。
攻撃対象の二つ名を見抜くと同時に、その二つ名に突っ込みを入れる事によって、相手の魔法の効果を3秒間無効にする。――ただし対象1人に対し1回しか使えない。
名付けて【突っ込みの極み】よ!!」
「難しそうだけどやってみるよ!」
アッシュが快諾した瞬間
「俺がよそ見した間に、変な二つ名をリクエストしてんじゃねぇぇぇ!!!」
陣が猛然と走ってくる。彼こそこの何相応しいと、ティエンと平太は頷いた。
【★ツッコミの極み】高柳 陣
・攻撃時に対象の二つ名を見抜く事が出来る。また二つ名に突っ込みを入れる事によって、相手の二つ名の魔法を三秒間無効に出来る。
(なお、【極み】の単語は、陣自身の能力をアッシュが心を込めて表現したものであり、魔法的効果は特に無い模様)
【★可憐な閃光乙女】ユピリア・クォーレ
・身軽になり、素早さが増す。
(なお【可憐】の単語は、アッシュが己の気持ちに懸命に抗いつつも必死に名付けたものである。効果は特に無いがこの部分を大切にしてあげると、彼も浮かばれるだろう)
【★癒しの木漏れ日】ティエン・シア
・彼女の祈りによって木漏れ日のように差し込んだ光りが、仲間を癒す。HP、SPの全体回復効果。ただし発動時は集中力を要するため、無防備になる。
富永佐那とソフィア・ヴァトゥーツィナが提案したのは、彼女たちらしい二つ名だった。
「【風渡り】風の力を付与し爆発的な加速力を得る。特に戦闘の際の機動に大きく威力を発揮する……というものです」
「風の力でこう、ふわっ、と身体が軽くなって移動しやすくなる感じかな」
アッシュの質問に佐那が答えると、次にソフィアが口を開いた。
「【運命の輪】――投擲したドラゴンアヴァターラ・ループがどこまでも目標を追い掛けて行くだけでなく自らの意思で回避行動もして撃ち落とされないようになるのです」
彼女の考えは悪くないが、意思を魔法はとても高度なものだ。その部分を省き、如何に彼女の望むところまで寄る事が出来るか、アッシュは考える。
【★風を渡る者】富永 佐那
・武器に風の力が宿り、爆発的な加速力を得る。
【★躍動する輪】ソフィア・ヴァトゥーツィナ
・武器を投擲すると、自動的に攻撃対象へ向かう。一定確立で(対象からの)攻撃を避ける事も可能。
結和・ラックスタインは、効果のみを考えてきたようだった。
「性能の強化、状態異常等治せる範囲の拡大などは出来ますでしょうか」
アッシュは暫く考え、こんな二つ名を思いついた。
【★癒しの和】結和・ラックスタイン
・装備で癒しの力を使用した時、一定確立で全体への効果になる。
ニケ・ファインタックの考えた二つ名は【縒りそうもの】というものだった。ホーミング・間合いの拡大・拘束力上昇・スキル封じなどの効果が欲しいという彼女に、平太はアッシュがその中から選んだ単語を付与し魔法石をはめ込む武器を作り、彼女に渡す。
「大事にします、よ、」
――こんな縒れた私、だけれど。
と、ニケはそれをきゅっと握りしめた。
【★縒(よ)りそう者】ニケ・ファインタック
・装備品で敵を拘束した時、拘束力が上昇する。(対象の逃走が難しくなる。)
次は十文字 宵一の番だった。
山登りの間、彼は(無事に神狩りの剣を強化できた場合には、どんな効果を付けてもらおうか……)と考えて居た。その結果を、アッシュに伝える。
「【九つの絶望、唯一つの勝利】。
体力が残り少ない場合のみ、神狩りの剣の効果で敵のスキルを封じやすくなる」
アッシュはこくりと頷いた。
「二つ名を希望通りにする事は出来ないけど、効果はつけられるよ。ただ魔法世界の者はスキルを持たないから、魔法を一時的に封じるという効果になるよ」
【★窮地の反撃】十文字 宵一
・単語一つでは効果を発揮出来ない特殊な二つ名。
武器使用者の体力が少なくなったとき、攻撃対象の魔法を封じる事が出来る。ただしその効果は一時的かつ瞬間的なものであり、また必ずしも成功するとは限らない。
グラキエス・エンドロアの希望した二つ名は【螺旋】というものであった。
「攻撃の貫通力と速度を強化したい。
確率であらゆる防御を貫く貫通属性が付けられればいいんだが……」
(貫通……なのに、何で螺旋なのかな)
首を傾げるアッシュの後ろで、アレクが拳を握りしめ突然声を上げた。
「ドリルか!!!」
その後アレクが暫く続けた男の浪漫的な話は、グラキエスの二つ名には関係無いのでカットさせて頂こう。
【★螺旋の力】グラキエス・エンドロア
・攻撃時に回転の力が加わり、貫通力と速度が強化される。
アッシュと平太の作業を興味深げに遠目から見ていたコア・ハーティオンは、自分の順番が回って来た事にいそいそと此方へやって来た。
「私が考えたのは【勇者心話(ゆうしゃしんわ)】という二つ名だ。
――この戦い、私一人の力では、何の効力も発揮する事は無いだろう。
だから皆の勇気ある心……『勇者の心』を束ねたいのだ……!」
「勇気ある心を束ねて一つの大きな力とする……」
アッシュは俯いて逡巡し、顔をあげてハーティオンへ微笑んだ。
「僕の付与できる範囲だとパッとしないものになりそうだし、君が希望している二つ名は何故か君にピッタリのような気がするんだ。
だから効果はハッキリしないけど、君の希望通りにするのが一番だと思う」
【★勇者心話】コア・ハーティオン
・武器を掲げると、皆の勇気のある心『勇者の心』が束ねられ、刀身に集まる。
「【プリンセッセスター】!」
そんな二つ名はどうだろうと次百 姫星(つぐもも・きらら)は言う。
「想いを力に変え、星のようにキラキラ輝くすんごいオーラとパワーを身体や武器に宿すんです!」
言葉自体は単語として付与するのは難しい。しかし彼女のパワーにつられるように、アッシュも楽しそうに提案した。
「キラキラ輝く……じゃあ、【煌めく】かな。
あとはプリンセスの部分とスター……いっそ君の名前と同じ【姫星】にしようか。これも君にピッタリのような気がしたからね」
【★煌めく姫星】次百 姫星
・彼女の思いに応えた武器が煌めくと、それが攻撃力となって宿る。
「フハハハ!」
笑い声が響いたので、相手が名乗らずとも誰がきたのかをアッシュと平太は理解したのだが、ドクター・ハデスは律儀にその後何時もの自己紹介をした。
彼の希望は【悪の秘密結社の大幹部】というもので、どこからともなく現れた大勢の戦闘員を指揮できる効果を望んでいた。
(多分その戦闘員って、激弱なんだろうなぁ……)
と、アッシュは密かに思いながら、ハデスの武器たる眼鏡に魔法石が装備出来るか平太に確認する。
ハデスはそれから、ペルセポネ・エレウシスへパワーアップの為の二つ名を望んだ。
(すぐに壊れる予感しかしないけど……)
と、アッシュはまた密かに思う。
そして入れ替わりでやってきた彼の妹、高天原咲耶は身を乗り出して
「兄さんに関する事のみ、通常以上の力が出せるでしょうか!?」
勢いにのまれ暫し沈黙して、平太は
「………………これ武器?」と困惑した。
生真面目なところがあるアッシュは
「【兄】と【愛】を組み合わせればいいのかな…………」と呟いた。
【★魔法眼鏡】ドクター・ハデス
・単語一つでは効果を発揮出来ない特殊な二つ名。
魔力が籠められた眼鏡がきらりと光ると、魔法の塊が十体の魔法戦闘員となって現れる。
魔法戦闘員は対象に一度自動攻撃すると消滅する。
【★ブラザー・コンプレックス】高天原 咲耶
・彼女が兄を思う時、武器は通常以上のパワーを発揮する。ただしその効果は兄に関する事のみである。
【★絶壁の鉄壁】ペルセポネ・エレウシス
・魔法石の魔力により装備したパワードスーツの防御力が超強化される。
ただし三分経つと効果が切れ、魔法石は装備ごと砕け散ってしまう。
フレンディス・ティラがパートナー達とやってくる。
「【紅の桜吹雪】――私は刀を使います故、振った際に何か効果があればいいのですが……」
彼女の提案に、アッシュが二つ名を考え始めると、アレクがアッシュの肩をトントンと叩いた。
「ベルクの二つ名を考えたんだが」
「うん、どんな?」
「【胃痛の衝撃】」
「いらねえよ!!」
ベルクの突っ込みを無視して、アレクは頭の上のポチを見あげた。
「【日本の犬可愛い】!」
「ただのお前の感想だろそれ」
そしてアレクはゆっくりと、ジブリールの手をとり優しく握ると、真剣な瞳でジブリールを見つめる。
「【俺の妹になってくれ】」
「この変態シスコンがァッ!!」
【★紅の吹雪】フレンディス・ティラ
・刀を振るうと攻撃力のある桜吹雪が、軌道を舞う。
「――ミリアの二つ名は、俺が考えておいた」
翠とサリアを両腕に抱いたアレクの真顔に、スノゥは
「ふぇ〜……嫌な予感がしますねぇ〜…………」と素直に漏らす。
ミリアも丁重にお断りしようかと考えて居た。しかし、彼の提案を聞いた途端、ミリアは諸手を上げて頷いたという。
【★もふもふ】ミリア・アンドレッティ
・単語【もふ】と【もふ】を組み合わせた二つ名。
この武器が他(敵)の武器と搗ち合うと、一定確立で対象の武器が『もふもふ』になる。
麻篭由紀也の希望した効果は、1発だけ攻撃力が3倍の弾丸を撃てるというものだった。
シンプルな希望にアッシュが魔法石へ名を与えると、「できました!」と完成した武器を抱えてきた平太が、怖ず怖ずと言った。
「名前は……名前は……怒らないでくださいね?」
【★無慈悲の一撃】
・単語一つでは効果を発揮出来ない特殊な二つ名。
一度だけ攻撃力が三倍に増した弾丸を発射される。
「最後は君たちだね」
千返かつみとエドゥアルト・ヒルデブラント、千返ナオの三人を、アッシュと平太が歓迎する。
かつみは、風の属性で周囲の敵も吹き飛ばす効果を望んだ。
エドゥアルトはスキル『凍てつく氷』をイメージしていたらしい。
ナオは『覚醒型念動銃』を魔法石で強化したいようだ。
それぞれの希望に、アッシュと平太は力を尽くす。
【★風の爆衝】千返 かつみ
・武器に風の魔法が与えられ、振るうと周囲の的を吹き飛ばす
【★氷炎交差】エドゥアルト・ヒルデブラント
・杖から放射された炎と氷が、左右から対象に同時に襲いかかる。
【★貫く念衝】千返 ナオ
・武器から発射される念動力の威力が、一度だけ爆発的に上昇する。
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