葦原明倫館

リアクション

　第５章　最後の決着

それから、２週間が過ぎた。

ローザマリア・クライツァール（ろーざまりあ・くらいつぁーる）は、
針葉樹林でパートナー達とともにゲリラ戦術を展開していた。
グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー（ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー）は、
トラッパーで、落とし穴の他に、
足元のワイヤーを引っ掛けると、
フィーグムンド・フォルネウス（ふぃーぐむんど・ふぉるねうす）の棍棒が射出されて、
敵を打つという仕掛けを作っていた。
エシク・ジョーザ・ボルチェ（えしくじょーざ・ぼるちぇ）は、
全身を隈なく覆う真紅のボディスーツと銀色の仮面の下は
アルディミアク・ミトゥナ（あるでぃみあく・みとぅな）に似ているという外見を利用して、
パッフェル以外の十二星華を驚かせてその隙に攻撃しようと考えていたが、
十二星華に出会う機会はなかったのだった。

★☆★

一方、舎弟のヤンキーを２人連れた
駿河　北斗（するが・ほくと）と、
ベルフェンティータ・フォン・ミストリカ（べるふぇんてぃーた・ふぉんみすとりか）、
クリムリッテ・フォン・ミストリカ（くりむりって・ふぉんみすとりか）は。
２週間の間、敵に遭遇しないように、
全力で注意を払い、テントで雪原を転々としていたのだった。
食料は、クリムリッテのギャザリングへクスで解決している。
見た目は悪いが、食べられないわけではない。

ローザマリア達は、食料のつきた状態で過ごしており、
疲弊していた。
一方、北斗達は、体力を温存させている。

「あれは？」
北斗は、針葉樹林の中に、
さるぐつわをかまされ、雪に埋められて気絶しているつぁんだを発見した。
グロリアーナの罠にかかって埋められたのであった。
そこに、ローザマリアが躍り掛かる。
「これで終わりにさせてもらうわ！」
「こっちの台詞なのよ。
凍えて……死になさい」
ベルフェンティータが、ストレスでひきつった笑みを浮かべて氷術を放つ。
「まだだ！」
ローザマリアが退いた瞬間、グロリアーナが飛び出す。
そっくりな外見を生かして、ローザマリアとグロリアーナの２人で１人に見せかける作戦だが、
体力を温存させていた北斗達の氷術で体温を奪われ、体が動かなくなる。
「フィー……！」
ローザマリアに召喚されたフィーグムンドが、サンダーブラストやヒールで援護しようとするが、
まにあわない。
「俺はこの戦い命賭けで勝つ！
勝って、ドージェに一歩でも二歩でも近付いてみせる！！」
こうして、北斗達にローザマリア達は敗れたのだった。

★☆★

こうして、駿河　北斗（するが・ほくと）は優勝し、
ポータラカ人から【希望する強化光条兵器：両手剣型】……「リヒトツヴァイハンダー」を渡された。

最強の剣の花嫁は、
ベルフェンティータ・フォン・ミストリカ（べるふぇんてぃーた・ふぉんみすとりか）に決定した。

「やった！
だが、俺はこれからさらに上を目指してやるぜ！」
「これだけやったんだから当然よね」
「おめでとう。あとで山ほど美味しいもの食べさせてもらうわよ」
作戦の助言をしたクリムリッテが、二人に言い、
「あんた達に負けたんだったら悔いはないわ」
ローザマリアも、北斗達を称える。

（ティセラと花音の対決は引き分けだ。
読心術を使用した結果、如月　正悟（きさらぎ・しょうご）が
「剣のお局様」と言っていたので、それを採用する）
「ひでえ……」
ポータラカ人の宣言に北斗は言う。
かくして、ティセラ、パッフェル、セイニィ、花音、エメネア、リフルは、
「剣のお局様」の称号が与えられてしまった。

こうして、決着がついたために、一行はシャンバラに帰還することになるのだが。

「あいつら、崖の下に落ちて２週間になるんだが……」
北斗達は勝負のためにしかたなく、崖に落ちた全員を放置していたのだった。
（まあ、大丈夫だろう）
「大丈夫なのか！？」
「深く考えないことにしましょう」
ポータラカ人に北斗はツッコミを入れ、ローザマリアは言う。