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リアクション
天井に充満したガスの爆発によって、完全に崩れ落ちた長の邸。
邸に入ったメンバーはどうやら脱出できたようだが、崩落した天井の下敷きになったと思われる『別府』は見つからない。
イレイザーの雄叫びが聞こえてくるあたり、『別府』の絶命を予測するしかなかった。
ダイソウは軍服の埃を払いながら、
「しかし、『別府』戦のダメージは大きいな……」
邸が崩壊して、期待していたニルヴァーナの情報は失うわ、モモをはじめ服を失った女子もちらほら。
「みんな……あとは頼んだよ……」
「いや、死んでないだろ……」
ノーンが拾ってきたぼろ布をかぶせてもらった向日葵が、チーム・サンフラワーに最後の戦闘を託すのを、涼介が立たせる。
同じく布を被ったレキは、
「襲われちゃったからつい戦ったけど……イレイザー以外は倒す必要あったのかなぁ……」
「ふむ……他にもモンスターとは共存を模索した者もおったしのう。フレイムたんも『おもちゃ』と表現しておったし、テリトリーの線引きを行えば、よもや……」
と、レキのその考えには同調するミア。
レキの布の中に潜り込んでいたフレイムたんが顔を出し、
(おもちゃはみーんな壊しちゃわないとおさんぽ行けないよー。それに邪魔ものをやっつけないで一緒に仲良くしようなんて……わけがわからないよ)
「!?」
フレイムたんの言葉に一瞬ゾッとするレキとミア。
フレイムたんはぴょんとレキの胸の中から飛び出し、
(おじちゃん、おねーちゃん。もうすぐイレイザーが動き出すよ。『別府』たちで押さえこんでた結界が解けたからね。あんまりゆっくりしてたら、ここまで襲ってくるかもしれないよう)
「結界? フレイムたんよ。それは初耳だが」
(イレイザーと3体のモンスターが1万年も共存していたネットワークみたいなものだよ。ここのイレイザーには縄張りの概念がないからね。一番奥に抑え込む代わりに、イレイザーには誰も傷をつけられない。そういう不思議な結界を張ってたみたい)
「え? じゃあ3体をやっつけなかったら、イレイザーも奥に封じ込めておけたってこと?」
(でもそれじゃあ、奥におさんぽいけないものー)
「イレイザーの向こうには、一体何が……?」
最深部にこだわるフレイムたんを、ダイソウと向日葵はいぶかしむ。
(早く早くー。イレイザーをやっつけて、おさんぽにいこうよー)
今までどちらかというと、聞かれたことにだけ答え、求められたら案内をする程度だったフレイムたん。
残すはイレイザーとなって、皆を急かすように先頭に立って、とことこ奥へ歩いてゆく。
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