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忘新年会ライフ

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忘新年会ライフ

リアクション

「く……、まさか。また人形に乗る事になろうとはな!」
美羽の隣に腰掛けたセルシウスが操縦桿を握る。
「基本は私が指示するから、その通りにやれば大丈夫よ! このままじゃ、翔くんがやられちゃうもの」
「ぬぅ……」
「……吐かないでね? お願いだから」
「大丈夫だ。もう胃の中には何も無い」
ベアトリーチェが二人のやり取りを見ながら、機体を再浮上させようとする。
「隙を作り出せたら……【ダメージ上昇】を使って、グラディウスの攻撃を強化した一撃さえ叩き込めたら、勝機はあると思うんですけど……」
「待て、そこの金色のイコンよ!」
美羽が見ると、フラフラと空を凄まじい枕がやって来る。
「アキュートさんとウーマさん?」
「「俺(それがし)を使え!!」」
決意に満ちた二人の声がハモる。

「機動力20%低下!! 翔! 機体のダメージが大きすぎる!!」
アリサが叫ぶ。
「今、何羽墜とした!?」
「美羽が2羽、理知が1羽墜としたからな……今5羽! 残り3羽だ」
「それと上にもう1羽だな……」
美羽のグラディウスが一旦離脱した後、集中砲火を浴びていた翔とアリサのジェファルコンは既に限界間近のダメージを蓄積してしまっていた。
「翔くん! お待たせ!!」
突然、通信に美羽の元気な声が響く。
「美羽!?」
音速のスピードで急上昇してくる美羽のグラディウスが多連装ミサイルポッドを発射する。
イーグル達がこれを難なく避ける間に、グラディウスがブースターを全開にして飛び去る。その手には凄まじい枕が持たれている。
「どうする気だ!?」
「決まっている!! 最大巨獣を堕とすのだ!!」
「その声はウーマ? そのイコンじゃ無茶だぜ!?」
「やってみんとわからぬ……それが、『勝負』なのだ!!」
セルシウスが操縦桿を握って叫ぶ。
「では、行くぞ!! 覚悟はいいな!!」
「やってくれ!」
上空を飛ぶ最大巨獣のイーグルが迫ってくるイコンを見つけ、向きを変える。
大きく振りかぶったグラディウスが、凄まじい枕を投げつける。
「「うおおおおぉぉっおーーーッ!!!」」
強烈なGがアキュートとウーマに襲いかかる。
バスンッ!
気合いとは裏腹の間抜けな音と共にぶつかる凄まじい枕。
「クゥエエエェェーッ!!」
やはりダメージは無いらしく、足で蹴られる枕。その隙にグラディウスが接近する。
「いい? セルシウスさん! チャンスは一度キリだよ?」
セルシウスに叫ぶ美羽。
「うむ、最大巨獣を倒す方法は、頭を狙った攻撃だな?」
グラディウスが、ミサイルポッドとバズーカをイーグルの頭部に向けて全弾発射する。美羽ならば【絶対命中】を使って全弾ヒットさせるのだが、セルシウスなので、ヒットは4割程度といったところか。
ダメージ上昇を使い、攻撃力を特化させたグラディウスが二刀流にしたビームサーベルを振り上げる。
「今よッ!!」
「ぬぅ!」
振り下ろされるダブルビームサーベルがイーグルの頭部を捉える。
空に激しい閃光がほとばしる。
「駄目です! 頭部を切断するには出力が足りません!」
ベアトリーチェが叫ぶ。
「……暴れ過ぎたかな……?」
 美羽がイーグルの反撃を覚悟した時、イーグルが後方へ引っ張られる。
「待たせたな! 美羽!!」
「絶影!? どうして!?」
「たああぁぁぁぁーーーッ!」
イーグルを掴んだ絶影が補陀落山おろしでイーグルを上空へ投げ飛ばす!
当然、絶影は慣性の法則でそのまま落下していくかと思ったが、
「美羽! 後は俺達に任せろ!!」
 翔のジェファルコンが絶影の後方から抱えるように現れ、二体のイコンが凄まじい速さで更に上空へ飛び上がっていく。
「唯斗? ちょ……何処まで行くつもり!?」