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リアクション
大人のバレンタイン
「どうぞ。お二人に似合うのを選んできたつもりですわよ」
神倶鎚 エレン(かぐづち・えれん)がプレゼントしたのはドレスだった。
宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)には赤のセクシーな感じのイブニングドレスを。
カリン・シェフィールド(かりん・しぇふぃーるど)には可愛い感じのピンクのドレスを。
それぞれにプレゼントし、エレン自身も黒のドレスを購入していた。
「素敵じゃない。せっかくのディナーですから、これを着て行きましょう」
祥子がそう提案し、3人はエレンの用意したドレスを着て、ディナーを楽しんだ。
カリンだけはこういった衣装が着慣れないらしく、ちょっと落ち着かない様子だった。
「なんだよ、孫にも衣装っていいたんだろ……笑えばいいよ」
自分を見つめる2人に、カリンはちょっと拗ね気味に言う。
だが、祥子もエレンもそんなカリンに優しい笑みを向けた。
「そんなことはないわ。とても可愛いわよ、カリン」
「ええ。今夜がとっても楽しみですわ」
3人でお泊りの今夜に思いを馳せ、2人は楽しそうに微笑むのだった。
その後、3人はスィートルームに行き、チョコ交換を行った。
カリンは初めて作ったチョコを、祥子とエレンに渡した。
「台所なんて立つの久しぶりだからな、出来は保障しないよ。別に無理して食べなくてもいいからな」
恥ずかしさを隠すように、ぶっきらぼうに言うカリンを、祥子もエレンも愛しそうに見つめ、喜んでチョコを受け取った。
そして、カリンの絆創膏だらけの手に優しくキスをした。
「ありがとう、カリン」
「うれしいわ」
右の手を祥子に、左の手をエレンにキスされ、カリンは照れながら「う、うん、見栄えは悪くても、味は普通だと思うから……」と頷いた。
祥子からのプレゼントは手作りのほんの少しほろ苦いビターチョコと銀製のチェーンネックレスだった。
ネックレスをカリンにかけてあげながら、祥子は問いかけた。
「カリンは無理してない? 学校の関係であまり会えないけど、元気そうで良かった」
そして、エレンにも同じようにネックレスをかけて、感謝の言葉を伝えた。
「エレンにはほんと感謝してるわ。紅葉狩りのあとから大分支えられたわね」
そして、二人の手を取り、祥子は想いを伝えた。
「私は二人のこと、本当に好きよ。大切な人で可愛い妹で、私にはもったいないくらい。私なんかで良かったら、これからもずっと一緒にいさせてくれるとうれしいわ」
祥子の言葉にエレンは2人にチョコを渡しながら、微笑んで答えた。
「ねぇ、祥子さん、カリンさん。私はお二人のことが好きですわ。友人としてではなく、愛おしい人として」
「私にとっても2人さんは姉のような存在であり、大切な人だよ」
カリンの言葉に、エレンは喜ぶ。
「ありがとう。私は少し変わった恋愛観をしてますの。だから同時に複数の方を愛しますし、愛している方同士にも愛し合ってほしいのですわ。こんな私と本気でお付き合いしていただけませんかしら……」
少し不安そうなエレンを祥子は優しく撫でた。
「何を言ってるの。愛しい姉妹の間にそんな遠慮はいらないわ。カリンのこともエレンのことも本当に大好きよ。だから、泣かないで」
「……ありがとうございますわ。いえ、泣いてなんかいませんわよ。ただちょっとほっとして……振られたらどうしようって……」
「大丈夫、だよ」
カリンがぎゅっとエレンを抱きしめ、その2人を祥子が抱きしめ、3人は愛を誓い合うのだった。
夜がやってきた。
これからが本番だ。
大人の時間が始まるのだ。
エレンはバスルームにチョコレートソースを用意し、祥子はそこへカリンを誘った。
「カリンには少しオトナになって欲しいから、エレンと一緒に夜のお勉強と楽しみをたっぷり教えてあげるわ」
バスルームに入ると、エレンの手に絡まったソースを祥子が舐めた。
「二人ともスプーン使いなよ」
カリンが言うと、エレンがくすりと笑った。
「道具を使うよりも肌の方が温かくて良いものですわよ?」
エレンがカリンの腕についたチョコをペロッと舐める。
「あら、カリンさんたら、とっても甘いですわ〜。祥子さんも一緒に味わいましょ」
「ふふふ。日頃のお礼も兼ねて〜。今夜はたっぷり楽しませてあげるわね♪」
S顔の祥子がうれしそうに手にたっぷりのチョコをつける。
そして、そのまま、カリンの乳房にチョコを塗りたくった。
「ちょっ、やめ、ひぃぃ、降参降参〜〜」
念入りに乳房に塗りたくられ、カリンが悲鳴を上げる。
「カリンはもう我慢できないのかしら。それじゃ、いただきます♪」
祥子がカリンのチョコだらけの乳房をパクッとする。
「ひゃっ!」
「あらあら、カリンさんまだまだこれからですわよ?」
ペロペロと乳房を舐められて、顔を真っ赤にするカレンの顔を捕られ、エレンがカリンにチョコを口移しする。
「はい、祥子さんも」
カリンの乳房から唇を離した祥子にも、エレンがチョコを口移しにする。
祥子はエレンの舌についたチョコまで味わった後、エレンの胸にもチョコを塗ったくて味わった。
「わ、わあ……」
ドキドキしながら自分たちの様子を見つめるカリンに気づき、祥子はカリンの方を見た。
「カリンだって女の子だから、チョコ食べたいわよね。はい、それじゃ……」
祥子はバスタブの端に座り、限りなく付け根に近い太ももの部分にチョコを垂らして、カリンを招きよせた。
「さ、めしあがれ♪」
その後、3人はベッドに移り、甘い一夜が朝まで続いた。
慣れないカリンが疲れかけても、SPリチャージとSPタブレットを使って、目覚めさせてあげて、濃厚な一晩の幕を下ろさせようとはしなかった。
「フフフ、祥子さん、一番年上ですのに可愛らしいこと……カリンさん、一緒に祥子さんをかわいがりましょ」
エレンが囁くと、カリンは照れながらも祥子に口付け、オトナになっていくカリンを祥子は優しく見つめた。
「そうよ、上手だわ、カリン。怖がらなくても大丈夫よ。大切な友人と可愛い妹のスルことを私が抗うわけないじゃない」
何をしてもいいのよ、と言う祥子の心の広い言葉を受け、日が昇るまで3人は互いの愛を確かめ合ったのだった。