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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

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【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】
【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】 【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】

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 第1章 「ツァンダの地祇が『ヘタレな悪徳高利貸し』っていうことじゃ、黙っていられないわ!」

■□■1■□■「【蒼フロ倫】の規制が行われたような気がするが、気のせいか」

 「つぁんだ、オレにいい考えがある!」
 カルナス・レインフォード(かるなす・れいんふぉーど)が、つぁんだに笑顔で言う。
 「どうしたんだよ、前回はつい乗せられて『白のスクール水着』なんてゆーものを着てしまったけど、
  僕はもうだまされないぞ!」
 「どれだけ新属性っ子が現れようともオレはつぁんだ一筋だぜ!
  ということで、イメチェンだ!」
 「おい、聞けよ」
 「激しい下々の戦いに巻き込まれる可能性もあるので、
  動きやすく且つ汚れても大丈夫なこの服装を!」
 カルナスが掲げて見せたのは、ひらがなで「つぁんだ」と書かれた体操服と、紺色のブルマであった。
 「なっ!?
  またそんなエッチくさい格好をさせるつもりか!?」
 「またまたあ。こういうのも嫌いじゃないんだろ?
  それにつぁんだは外見年齢12歳なんだから、体操服着てても全然おかしくないぜ!
  つぁんだはオレの見立てだとM属性っぽいし、
  『嫌よ嫌よも好きのうち』って言うしな」
 「ちょ、何、倫理的に問題ありそうなこと言ってるんだよ!
  誰がM属性だ!
  ぎゃああああああああ!?」
 カルナスにより、つぁんだは無理やり体操服に着替えさせられた。
 「ううう……」
 「おお、涙目で体操服の裾を引っ張っている仕草がかわいいぜ!」
 カルナスはつぁんだを激写する。
 「うるさいっ!
  僕が本気出したら君なんか一撃なんだけど、手加減してやっているんだ!」
 「みつけたわよ、つぁんだ!」
 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、
 イルミンスール魔法学校の熱血男子生徒、ジャック・サンマーを伴って、つぁんだに宣言する。
 「な、なんだ君達は!?」
 「ツァンダといえば蒼空学園の地元。
  そんなツァンダの地祇が『ヘタレな悪徳高利貸し』っていうことじゃ、
  私、【蒼空学園のアイドル】小鳥遊 美羽様が黙っていられないわ!」
 「僕はヘタレじゃない!
  前も言ったけど、トサンで複利返済とかごく普通なんだから、
  高利貸しなんて言われたくないよ!」
 「言い訳なんか聞かないわよ!
  ということで、これから、つぁんだは、
  私の熱血指導で心身ともに鍛え上げ、
  立派な地祇になってもらうんだから!」
 美羽は、ロープのついたタイヤを指し示した。
 「これから、タイヤ引きをしながらシャンバラ大荒野でゴミ拾いをしてもらうわ!
  ちょうど体操服になってるみたいだし、ちょうどよかったわね!」
 「1人でやらせるのはかわいそうだからな。
  俺も一緒にやるぜ!
  これで、しゃんばらだいこうやも機嫌を直してくれるかもしれないぜ!
  ファイヤー!!」
 「ゴミ拾いだって!?
  こんな広い場所掃除できるわけないだろ……がふううううううううううううううう!?」
 「ごはあああああああああああ!?」
 つぁんだは、ジャックごと美羽のレッグラリアットでぶっ飛ばされた。
 「ぐずぐず言わないの!
  ゴミはひとつ残らず拾うぜ、ファイヤー!!
  さんはい!!」
 「ゴミはひとつ残らず拾うぜ、ファイヤー!!
  ……でもなんで俺までぶっ飛ばされたんだ?」
 「何で僕がそんなこと……ぐはあああああああああああああああ?」
 「ぎゃあああああああ!?」
 ふたたび、つぁんだは、ジャックごと美羽のレッグラリアットでぶっ飛ばされた。
 「いいからさっさとやるの!
  返事は!?」
 「ファイヤー!!」
 「うう、わ、わかったよ……」
 かくして、体操服姿のつぁんだは、タイヤ引きをしながら、
 美羽の指導の下、ジャックと一緒にゴミ拾いを開始した。
 「あー、もー、絶対終わらないよ……」
 「そこっ、真面目にやる!」
 「え、やめっ、ぎゃあああああああ!?」
 「ぐはあああああああ!?」
 またしても、つぁんだは、ジャックごと美羽のレッグラリアットでぶっ飛ばされた。
 美羽が怖いので、立ち上がってゴミ拾いを再開するつぁんだであったが、
 カルナスの用意したブルマのサイズが小さかったので、動いているうちに身体に食い込んでくる。
 「うわ、パンツみえちゃうじゃないか」
  ブルマの食い込みを直すつぁんだを撮影しつつ、カルナスは鼻血と吐血を盛大に噴き出す。
 「いい!
  予想以上だぜ、つぁんだ……!!」
 
 そんな中、緑色の髪のヒゲオヤジと、巨大な本から手足が生えたような人物が現れた。
 地祇のイルミンスール森の精 いるみん(いるみんすーるもりのせい・いるみん)と、
 魔道書のソロモン著 『レメゲトン』(そろもんちょ・れめげとん)であった。
 「我ら、『はぐれパートナーコンビ』、つぁんだに制裁を加える!」
 腕を組んで仁王立ちしたいるみんが宣言する。
 「な、なんなんだ、君達は!?」
 「私の敬愛する、マスター・ざんすかの美しき肉体を失わせ、
  更にはまたもやひらにぃときまくを巻き込んだ上、
  しゃんばらだいこうやにまで迷惑をかける。
  この全ての責はつぁんだ、貴様にある!」
 「えー、グォッフォッフォッフォッフォ……。
  貴様には恨みなぞは特にないが、とにかく死ねぇー!」
 いるみんがつぁんだを断罪し、『レメゲトン』が、悪役っぽく言う。
 「え、君、ざんすかとか敬愛してんの?」
 「貴様ー!
  なんだその馬鹿にした態度は!
  私はかつてはマスター・ざんすかに憧れる少年地祇だった!
  しかし、マスター・ざんすかの仇をとるための修行中に命を落とし、
  今の姿になったのだ!
  許さんぞ!
  食らえ! イルミンスールボンバー!」
 「ぐはっ!?」
 いるみんの、ざんすかのラリアットを見よう見まねでアレンジした必殺技が、つぁんだに炸裂する。
 いるみんと『レメゲトン』のパートナーのアルツール・ライヘンベルガー(あるつーる・らいへんべるがー)が言う。
 「さきほど、以前、
  俺の発言に対して行われたのと同じ【蒼フロ倫】の規制が行われたような気がするが、気のせいか。
  まさか、本編開始前にそんなことをする者はいまい」
 アルツールは、『レメゲトン』がいるみんにスカウトされたので、技の解説役としてやってきたのだった。
 「一応、貴重な本だから困るので一緒には来たが……。
  地祇の戦いなんぞに係りあいになるより、
  ミーミルや帰ってきたヴィオラとネラの相手をしたいものだ。
  早く帰りたい。
  いるみんさんが勝って、
  つぁんだに騒動の責任取らせて謝らせれば、ある程度はこの事態が改善できるかもしれん」

 「さあ皆様、今回も【ざんすか内乱】のお時間となりました!
  本日も実況は私、【燃える実況】ミヒャエル・ゲルデラー博士(みひゃえる・げるでらー)
  解説は【ツンデレ聖者】聖ワレンティヌスさんと、
  【背徳教皇】ロドリーゴ・ボルジア(ろどりーご・ぼるじあ)さん、
  【娘の笑顔を求めてさすらう】アルツール・ライヘンベルガーさんのお三人でお送りします!」
  やる気のないアルツールに対し、ミヒャエル・ゲルデラー博士(みひゃえる・げるでらー)はノリノリで実況する。
 「俺はツンデレじゃねえ!」
 「おお、あれは伝説のモンク『スタソ・帆船』も愛用していたという
  『スーパーざんすかラリアット』であろうが、まさかこんなところにルーツがあったとは」
 外見15歳少女の英霊、聖ワレンティヌスが怒り、
 ゲルデラー博士のパートナーの英霊ロドリーゴ・ボルジア(ろどりーご・ぼるじあ)が適当な解説をする。
 「グフォッフォッフォッフォッフォッフォー!
  地獄の本のカドー!」
 「ごはっ!?」
 「むっ、『レメゲトン』のあの技は、ジャンプした後、手足を引っ込めてカドをぶつけるというものだ。
  あれは痛い……双方が」
 「暗器攻撃であるなぁ。いやぁ、これは痛そうであることよ」
 「あいつ、魔道書だし自分の身体じゃねーのか? じゃあ反則じゃねーだろ。
  つーかあれ、自爆技じゃねーのか……」
 アルツールの解説に、ロドリーゴとワレンティヌスが適当なコメントをする。
 「イルミンスペシャル!」
 「ぎゃあああああああ」
 「おお、いるみんさんのコブラツイストのアレンジの関節技だな。男臭い技だ」
 「しかし、おっさんが少女をいたぶっているように見えるが、
  つぁんだもツァンダの町と同じ年齢なわけであるからなあ。
  いやー、地祇界とは本当に奥が深いことであるなぁ」
 「ロドリーゴ、その発言は間接的に俺にケンカ売ってんのか」
 「いえ、滅相もございません、聖ワレンティヌス様。いくら関節技でも」
 「とどめだー! ナラカコンビネーション!」
 いるみんが「イルミンスールボンバー」ことラリアットでぶっ飛ばしたつぁんだを、
 『レメゲトン』がページの間に挟みこむ。
 「グフォッフォッフォッフォッフォッフォー!
  『呪いのサンドイッチ』で逃れられまいー!」
 「うわああああやめろおおおお」
 「マスター・ざんすかの痛み、その身で味わうがよい!」
 いるみんが『レメゲトン』の背表紙をジャンプキックして、
 つぁんだは『レメゲトン』の身体に押しつぶされる。
 「グフォフォフォフォぎゅううううう」
 「が、がはっ……」
 「おお、すごい戦いでブルマも食い込みまくりだぜ!」
 カルナスは鼻血と吐血しつつ激写する。
 「なかなかやるわね。
  でも、私より目立つなんて許さないんだからね!
 ジャック、私のレッグラリアットを受けてみなさい!」
 「え、なんで、ぐはあああ!?」
 その場の状況に対抗した美羽のレッグラリアットで、ジャックはぶっ飛ばされた。
 「おおっと、ジャック・サンマーさんがついでにぶっ飛ばされている中、
  いるみん選手と『レメゲトン』選手の必殺技が決まったあ!
  さすがは【ナラカから舞い戻りし復讐者】、【ざんすかの肉体を継ぐ者】いるみんと、
  【地獄の本人間】『レメゲトン』だあっ!」
 「『レメゲトン』に読めない部分ができたりすると後で俺が困るのだが……」
 「なるほど、あの技でつぁんだをナラカ送りにして、
  今度はじいさんの姿にすることで、復讐を果たすということであろうなあ」
 「ナラカコンビネーションってそーゆー技なのかよ。
  恐ろしいな」
 ゲルデラー博士がノリノリで実況し、アルツールが脱力系の解説をして、
 ロドリーゴとワレンティヌスが適当なことを言う。
 「貴様ら、さっきから私達の神聖な戦いになんだその解説はー!」
 「グ、グフォフォフォフォ……。何かわからんが解説席に乱入した方が
  悪役レスラーっぽいのだ」
 いるみんと『レメゲトン』が、解説席に乱入する。
 「おーっと、解説が続けられなくなってしまいました!
  上空からの戦況はどうなっていますか、上空のイル・プリンチペ(いる・ぷりんちぺ)さんー!」
 ゲルデラー博士が、空飛ぶ箒で飛んでいた魔道書のイル・プリンチペ(いる・ぷりんちぺ)に呼びかける。
 「はーい、上空のイル・プリンチペよー!
  いま、戦場の上空にいるわよ!
  いろいろ飛んできてホントに大変なんだから。
  さっきも3人と1匹まとめて星になったし。
  え? 戦況? はいはい。
  ん? なんだか、バイクに乗ったモヒカンの人が、
  すごい勢いで解説席に接近してきてるわよ!」
 「ヒャッハァ〜! 地祇どもを見ていて閃いたぜ驚愕の事実に気付いたぜ!
  つまりこのホワイトチョコはワレンティヌスの地祇だったんだな」
 南 鮪(みなみ・まぐろ)はバレンタインデーに奪った「ホワイトチョコ」こと、
 「ワレンティヌスのパンティー」に頬ずりしていた。
 「てめーっ、今日こそ俺のパンツ返しやがれ!」
 「おおお! 聖ワレンティヌス様の聖遺物が!」
 ワレンティヌスがブチ切れて、ロドリーゴがいるみんと『レメゲトン』に殴られつつも目を見張る。
 「ヒャッハァ〜エリザベートのホワイトチョコも
  エリザベート丸ごと回収したかったのだが、ざんすかが退場させやがったのが許しがたいぜェ!
  こうなったら、
  このホワイトチョコを返して欲しくば
  ワレンティヌス本体と交換だァ〜!
  チョコレートの化身はさぞかし美味ぇんだろうなァ〜〜じゅるりっ」
 鮪がよだれをたらしながら、ワレンティヌスに迫る。
 鮪のパートナーの地祇種モミの塔の精 たねもみじいさん(たねもみのとうのせい・たねもみじいさん)は、
 しゃんばらだいこうやときまくとひらにぃの横で種モミ袋を振り回す。
 「おお〜い種モミじゃ〜種モミじゃ〜」
 立地条件的にもその辺の連中と一緒になって何か振り回さないといけない気がしての行動であった。
 「ひらにぃ、わしの種モミ袋をわけてやろう」
 なぜか自分が地祇のリーダー気分のたねもみじいさんは、
 お年玉を孫にあげるおじいちゃんのように、ひらにぃに種モミ袋を渡す。
 「オマエ、スキ」
 相手の好意に弱いひらにぃはあっさり陥落する。
 「なんだとぉ!? 種モミじゃねーかっ!」
 物欲しげな表情をしているきまくにも、たねもみじいさんは倍の種モミ袋を渡す。
 「きまくにも、種モミ袋をわけてやろう」
 「ギャハハハハ! 当然だ!」
 「む、きまくは農民娘だからか種モミ袋に喜んでいるのである!」
 しゃんばらだいこうやは言う。
 「ぐはっ!?」
 そうこうするうちに、たねもみじいさんはいきなり矢で撃たれて倒れた。
 「なっ、これでは我らが危害を加えて種モミ奪ったみたいに見えるのである!」
 しゃんばらだいこうやが困っていると、鮪がボウガンを手に言う。
 「ヒャッハー、じいさんをかまってる間に
  俺はワレンティヌスのホワイトチョコゲットだぜェー」
 「き、鬼畜なのである!」
 しゃんばらだいこうやは鮪を非難するが、鮪はまったく聞いていない。
 「うっへっへっへっへ、今晩はたっぷりと可愛がってやるぜ、
  牡丹の花がぼたんと落ちるまで堪能してやるぜ」
 ものすごくいやらしい手つきで鮪がワレンティヌスの胸に手を伸ばす。
 「ふざけんな、ぶっ殺すぞ!」
 「新しいホワイトチョコを頂こうかァ〜! ヒャァァァッハァァァァ〜〜〜!!!」
 ブラジャーを抜き取ろうとした鮪だったが、違和感に気づく。
 「ん? 何もつけてねーのか?」
 「はい、こちら現場のアマーリエです。
  ワレンティヌスさん、どうしてブラジャーをつけていらっしゃらないのですか。
  どうですか、戦況はこちらに不利なようですが。
  まさか、こうなることを見越して、今回、ノーブラで望まれたのでしょうか」
 ゲルデラー博士のパートナーの吸血鬼アマーリエ・ホーエンハイム(あまーりえ・ほーえんはいむ)は、
 ハンディカメラを手に、ワレンティヌスにインタビューする。
 「うるせー、俺の生きてた時代にはそんなもんなかったんだよ!」
 「はい、そうしますと、パンティーもなかったのではと推測されますが、いかがでしょうか」
 「こまけーこと気にしてんじゃねえよっ!」
 「いや、それはどうでしょう。
  このままでは、この状況を抜け出すのも難しいかと思われますが」
 アマーリエは、傷口に塩をすり込むような冷ややかなインタヴューを行うのであった。
 「うるせーうるせー!」
 「以上、現場からアマーリエ・ホーエンハイムがお伝え……あっ!
 アマーリエのマイクを鮪が奪う。
 「ヒャッハー、じゃあ、あらたな地祇もゲットだぜェー、おお、今回は縞柄だぜェー」
 鮪は、ワレンティヌスのパンツを素早く奪う。
 「ぐばあっ!?」
 ロドリーゴは鼻血を噴いて倒れる。
 「て、てめーら!」
 ワレンティヌスは赤面して服の裾を押さえる。
 鮪は、ワレンティヌスを小脇に抱えて、スパイクバイクで逃走する。
 「ぎゃあああああああああああ」
 「ヒャッハァ〜暴れると履いてないから丸見えになっちまうぜ!
  ワレンティヌスを返して欲しくばエリザベートを差し出すんだなァ〜!」
 こうして、鮪は地平線の向こうに戦利品を手に消えていくかと思われたのだが。
 「ふっっっっっざけんなああああああああああああああああああ!!」
 「ヒャッハアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
 「って、こっちに飛んでくるぅ!」
 ワレンティヌスに鮪はぶっ飛ばされ、上空のイル・プリンチペを巻き込んで、一緒にお星様になった。
 死屍累々の現場から、ハンディカメラで自分撮りしながら、アマーリエは強制終了する。
 「以上、現場からアマーリエ・ホーエンハイムがお伝えしました」