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【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望

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【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望
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リアクション


●恐るべし秘密兵器! 『うさぎのあな』のバニースーツ


「フリューネさん、普段は露出の多い空賊ルックだけど、こういうもワンピースも似合うと思うな」
「ありがとう。昔……といっても空賊になる前だけど、パパがそういう服好きだった事もあって、よく着ていたわ」
「空賊になる前のフリューネ、か……フリューネにもそう言う時があったのよね」
「ちっちゃい頃の話よ。その時もよくお婆様にせがんで、ユーフォリア様のお話を聞かせてもらっていたわ」
「その頃からお転婆だったんでしょ?」
「当たり! ユーフォリア様のお話しを聞くたびにお助けしたい気持ちは強くなって、ワンピースを泥だらけにして木の棒を振っていたものよ」
「その頃から空賊になる片鱗を見せていたんだな」

 朝野 未沙(あさの・みさ)リネン・エルフト(りねん・えるふと)フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)を誘って、夏物の衣類を見に来ていた。
 未沙が見立てたワンピースが切っ掛けになり、ヘイリー・ウェイク(へいりー・うぇいく)フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)も交えて、フリューネの子供の頃の話に花が咲いた。
 ロスヴァイセ家は没落したものの、元は貴族だ。幼少の頃のフリューネはさぞ愛らしかったに違いない。

「(フリューネさんのバストってサイズいくつなんだろう?)」

 リネンと別の服も見ているフリューネの胸元に、未沙の視線がつい向いてしまう。

「(空賊ルックは露出が多いけど、胸当てを着けているから目視では正確なサイズは分からないのよね。86? 92? 実測してみたいな……でも指折られるのはヤダナー……それに嫌われたくないし)」
「未沙? 未沙!? どうしたの?」
「え!? フリューネさんのお洋服を繕ったりするのに胸に限らず、身体のサイズは把握しておきたいから、この際採寸させてもらっちゃおうかなー……なんて」
「いいわよ。未沙のデザインする服、好きだもの。私も1着作って欲しいと思っていたのよ」
「いいなぁ。オレもフリューネの胸とか尻とかマッサージしたいぜ。さぞ揉み心地が……」
「はいはい、エロ鴉はあたし達と下着でも見に行きましょうね」

 案ずるより産むが易。未沙がフリューネを上目遣いに見ながらさり気なく聞くと、あっさりOKが出た。
 羨ましがるフェイミィをヘイリーが下着コーナーへと連れて行き、未沙とフリューネはフィッティングルームへと入っていった。

 なお、未沙が実測したところ、フリューネのスリーサイズはB88F−W63−H90だった。

「(これでフリューネさんにあたしの着てるのと同じデザインのメイド服、作ってプレゼントできるわ)」
「ん? 何やら外が騒がしいわね……フェイミィ!?」

 実測が終わり、未沙が見立てたワンピースを試着すると、外が騒がしいことに気付いた。
 フィッティングルームのカーテンを少し開けて外を見ると、四つん這いになって石化し、エレクトリック・オーヴァーナイト(えれくとりっく・おーばーないと)が優雅に腰掛けるイスに変えられたフェイミィの姿があった。

「今後私に胸の話を振った奴は、この娘のように無条件で椅子にするわ」

 エレクトリックは嫣然とした笑みを浮かべると、冷たいフェイミィの頬を愉しそうに撫でた。
 ヴァルキリーの黒い翼が皮肉にも手摺りの役割を果たしており、優雅に彼女に腰掛けるエレクトリックは女王様然としていた。

「胸に悩む皆は心配しなくてもエインがマッサージして大きくしてあげるよ〜!」
「やめなさい! さわんなっ! 誰がっ、二度とあんな屈辱ーッ!」

 別名象牙の書 エイボンの書(べつめいぞうげのしょ・えいぼんのしょ)は、久世 沙幸(くぜ・さゆき)によって羽交い締めにされているヘイリーの胸当てを取ると、その旨をマッサージしていた。

「や、止めて……私はどうなってもいいから、フェイミィとヘイリーを解放して……」
「良い心掛けだね。リネンちゃんの胸、爆乳だから、このバニースーツがとても似合うと思うよ」
「わ、分かったわ……そのバニースーツを着ればいいのね」
「んん! んはぁ! あくぅ……ごめん、リネン……あたしが一瞬で目躊躇ったばかりに……」

 エイボンの書が差し出したのは、青いエナメルのバニースーツだった。
 パートナーを人質に取られており、その後ろにはフリューネと未沙が入っているフィッティングルームがある以上、リネンは抵抗することは出来なかった。
 胸をマッサージされ続け、熱い吐息を吐くヘイリーの言葉に、彼女は首を振ってフィッティングルームへと入っていった。

「(またエインが妙なものを見つけてきたと思ったら……妙にも程があるわ。しかもエインのはちゃめちゃな作戦は沙幸のお陰で成功してしまうし……こんなので成功したら貴方の煩悩には勝てないと認めざるを得なくなるじゃない)」

『……ば、バニーガール? よくわからないけど……何かこの人たち…ヤバい! に、逃げましょ!』
『うさぎのあなだぁ〜!? ふざけんな、誰がそんな……ねぇ……あたし、そっちについてもいい?』
『フィッティングルームにはフリューネと未沙が居るんだぜ。ちっぱいだが、バニーだかしらねぇが! オレの答えはひとつだ! 野 郎 は 死 ね !』


 フリューネと未沙がフィッティングルームに入って間もなく、リネン達はちっぱい教の同志達のきょぬー狩りに遭っていた。
 しかもそこにはバニーガール姿の沙幸もおり、リネンの制止も聞かずに突撃してきたフェイミィをあっさり倒し、エレクトリック用に石化して椅子に変えてしまっていた。
 しかも、リネンの爆乳とフェイミィの巨乳を見て、微妙な心境になったヘイリーはエイボンの書に捕まっていた。

「い、一生懸命、せ、接客、します」
「うう最高っ! うさぎのあなって、なんて素敵な団体なの、エイン感激!」

 リネンが着せられたバニースーツは『うさぎのあな』が造った「着た者の身も心もバニーガールに変えてしまうバニースーツ」だった。
 エイボンの書に、もじもじと頬を赤らめながら寄り添うリネン。彼女はバスト100の、歩くたびに揺れる、揺れまくるリネンの爆乳もマッサージを始めた。両手に花とはまさにこのことだろう。

「くっ、私の大切な人達を見殺しになんて出来ない!」
「その通りだ! フリューネ・ロスヴァイセは俺が! 俺達が守る!」

 エイボンの書にその豊満な躯を蹂躙され、弄ばれるリネン。
 羞恥か快楽かは分からないが、頬を赤く染めて躯を艶めかしく捩り、太ももをこすり合わせている姿を見るのに耐えきれなくなったフリューネは、徒手空拳でフィッティングルームから飛び出した。
 そんな彼女へ騎兵隊が、レン・オズワルド(れん・おずわるど)が駆け付けると、フリューネに向かって受付で預けていた愛用のハルバードを放った。

「昔ある男が言っていた。胸の大きさはHPに比例すると……ちっぱい教の同志達はちっぱいである以上、そのHPは低い!」

 レンが言うように、フリューネがハルバードを一閃させると同志達はあっさり倒された。
 残るはエイボンの書だけだった。

「かつてモンテベルデ横浜に集いし救世主達……マリア・カワギシとカオル・イノウエを【救世主召喚】で特殊召喚!!
 この2人は同志Sと10年以上前からの付き合いがある為、彼の恥ずかしい過去を赤裸々に語る恐れがある!
 さぁ、この2人を前にした時、お前ならどうする!?」

「形勢逆転、ですわね。でも、バニーの沙幸さんともっとキャッキャウフフしたいですから、ここで捕まるわけには参りませんの」
「エインもこれで少しはセクハラが堪能できたでしょ。この娘の座り心地も悪くなかったけど、引き際が肝心だもの」

 別のフィッティングルームに身を隠していた藍玉 美海(あいだま・みうみ)がブリザードを唱え、レン達の視界を遮った。
 彼女はその隙に沙幸を、エレクトリックはエイボンの書を連れて離脱していった。
 2人の救世主を前にすれば無理もない。

「この救世主を前にすれば、俺なら謝るぜ」
「レン、助かったわ、ありがとう。リネン、もう大丈夫よ、落ち着いて」
「エロ鴉は当分椅子にしておいた方が世の中の女の子のためだと思うんだけどね」
「まぁまぁ、そう言わずに」

 ヘイリーをなだめるのは、レティ・インジェクターを乙女乗りで駆け付けたミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)だった。
 彼女はC−Dayの情報をいち早く察知しており、レティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)と共に見回りをしていたのだ。
 フェイミィはミスティの【石を肉に】によって、椅子から解放されたのだった。