校長室
【蒼フロ2周年記念】ちっぱい教の野望
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「豊和、今のオーロラビジョン見たか?」 「ええ。ちっぱい教なる集団がきょぬーの女性を襲っているのですよね」 「そして私達の目の前には、“カラミティサンダース”と評判の雅羅様の後姿……偶然見かけたのだが、なんだ。これは間違いなく巻き込まれる……」 「!? あなた達がさっきオーロラビジョンをジャックしていたちっぱい教の同志達ね!?」 「と言いますか、案の定囲まれていますね」 「ああ、見るからにヲタクのステレオタイプの不健康そうな男が数名……」 「これは助けてあげた方がいい状況……ですよね」 南部 豊和(なんぶ・とよかず)とレミリア・スウェッソン(れみりあ・すうぇっそん)は、空京へ出掛けていたところ、牙竜の演説をオーロラビジョンで見ていた。 その矢先に雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)を見つけたところ、予想通りというべきか、災難オーラ全開な雅羅は2人の目の前でちっぱい教の同志達に囲まれていた。 レミリアが駆け付けるより早く、雅羅はスカートに差していたバントラインスペシャルを抜くと、ガンスリンガーよろしく同志達の手に持っていた武器や薬瓶を瞬く間に片っ端から弾いていった。 だが、リボルバーの欠点は装弾数が6発しかない事だ。まだ同志を残しつつもバントラインスペシャルの弾は切れてしまった。 「『小さい事はいい事だ』とで言いたげだな、『短小』。何度でも言うぞ、『短小』。女は大にも小にも需要はあるが、短小の男に存在価値など無い! 貴様らがきょぬーを狩るなら、我らは貴様らのその粗末な種を狩る! 封 印 解 凍 ! クエストディスクが焼き付くまで相手をしてやる!」 「あああ……男性の中には凄く気にしている人もいて、その事を異性に言われるとかなり傷つくんですよ……ちっぱい教の同志達もそのようですね……レミリアさんは人の心配する前に、自分の心配した方がいいと思いますよ」 大見得を切ってブロードソードを片手に、ちっぱい教の同志達へ躍り掛かるレミリア。 彼女の大見得にショックを受けたちっぱい教の同志達も少なからずおり、目が本気になっていた。 自分から注意が逸れた隙に雅羅はシリンダーに弾丸を込めてゆく。 豊和はそんな彼女の手を引いて、同志達の包囲網から救い出した。 「助かったわ。でも、レミリアも助けないと!」 「レミリアさんなら大丈夫です。それより今は安全な場所まで避難しましょう。丁度向こうミス・スウェンソンのドーナツ屋がありますから」 「そうじゃないの! わたしに関わるとその人にも災厄が降りかかるのよ!」 「レミリアさんならちっぱい教の同志達に後れを取ることはありません……でもまさか!?」 雅羅の言葉と、背後から聞こえるちっぱい教の同志達の勝ち鬨の声に嫌な予感が拭えない豊和は後ろを振り返る。 そこには身悶えた姿で石化され、きょぬー狩りの戦利品として小型飛空艇に積み込まれようとしているレミリアの姿があった。 実力では勝っていても、意外と迂闊な質と雅羅の疫病神の影響を受けた結果、同志達の波状攻撃をを捌ききれず、たった1瓶の石化薬を浴びてしまったのだ。 「仕方ありません。レミリアさんを取り返して、そのままミス・スウェンソンのドーナツ屋まで行きます。契約者の方もよく立ち寄るみたいですし、助けてくれる方が沢山居るかもしれませんしね」 「分かったわ。サポートするわ」 豊和と雅羅は空飛ぶ箒に跨ると、同志達の間に割って入り、雅羅がレミリアの石像を強奪した。 そのまま小型飛空艇にマグナム弾を撃ち込んで破壊すると、その隙にミス・スウェンソンのドーナツ屋へと急行していった。