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リアクション
■■■ On the Edge
20ターン目。
「私のターン! ドロー! 特殊効果によりライフ回復!」
ラドゥの手札は5枚、ライフは6300。
ラドゥがカードをドローした瞬間、真奈美の背筋に冷たい汗が流れた。
(なんだ、いまのは……!?
まさか今のが姫神の言っていた『闇のカード』なのか!?)
「どうした、何を怯えている?
フフ、この私の3枚の切り札が揃ったことに勘づいたか?
クリーチャー召喚!
相馬 小次郎(そうま・こじろう)!
菅原 道真(すがわらの・みちざね)!
そして崇徳院 顕仁(すとくいん・あきひと)!」
場内の一部がざわめいた。
「やっと三人が登場したのね。せいぜい見物させてもらうわ」
今まで退屈そうにしていた茅野 菫(ちの・すみれ)が、3人の登場に気づいて少しばかり身を乗り出した
相馬小次郎、菅原道真、崇徳院顕仁。
この3人の英霊は俗に『日本三大怨霊』として畏れられ、神として祀られている。
こともあろうに、ラドゥはこの三人を召喚したのだ!
「うぐ、そこにいるのは平将門公なのか!」
「その名で呼ぶでないっ!」
「その隣は清涼殿に雷を落とした天神様!」
「なんでも人のせいにして……」
「そして京を祟ったという崇徳天皇!」
「ボクが祟ったりするわけないだろう。失礼だな、キミ」
「マナちゃん失礼だよ! 崇徳天皇は香川の守護神なんだよ!」
応援席から高木陽子(たかぎ・ようこ)(香川出身)が声を出した。
「フハハハハ、我が無敵の布陣を突破できるものか。
ターンエンドだ!」
21ターン、真奈美のドロー。手札は6枚。
「揃った! 姫神からあずかった、闇のカードに対抗できる3枚のカードが!
クリーチャー召喚!
グレッグ・マーセラス(ぐれっぐ・まーせらす)!
ヒューバート・マーセラス(ひゅーばーと・まーせらす)!
そしてアーヴィン・マーセラス(あーう゛ぃん・まーせらす)!」
守護天使マーセラス3兄弟降臨!
長子アーヴィン、仲子ヒューバート、末子グレッグの三人である。
「マーセラスの天使、略してセラ……うわ、グレッグ何をする(むがむが)」
「姫神さん黙っててください」
三兄弟はレベルこそ違うが、共通して『禁猟区』と『マーセラスの守護天使』という特殊能力を持っていた。
『禁猟区』
効果:この守護天使が召還された場合、あなたに『禁猟区』が付与される。
『禁猟区』は魔法結界として扱われ、あなたに与えられる魔法ダメージを1回のみ無効化する。
この効果はこの守護天使が場にあるあいだ持続する。
『マーセラスの守護天使』
効果:【守護天使グレッグ】【守護天使ヒューバート】【守護天使アーヴィン】の3枚は同時に場に存在する場合、最後に召還された【守護天使〜】があなたに付与する『禁猟区』が強化され1回のみ、あなたに与えられる魔法、物理ダメージを、対戦相手に反射する。
非常に強力な防御効果を持つカードだ。
さてここで問題になったのは相馬小次郎、菅原道真、崇徳院顕仁の3人が共通して持つ能力『怨霊』の処理である。
特殊能力『怨霊』
場にこのカードがある場合、血闘の終了後すべてのプレイヤーはささやかな不幸に遭う。
真奈美「この効果はプレイヤーに対するダメージだろう、『禁猟区』で無効化できるはず」
ラドゥ「発生するタイミングは血闘終了後だ。
そのときには守護天使三兄弟も場に残されていないから『禁猟区』を使用できんぞ」
菅原道真「何でも人のせいにして… 本当に祟るわよ?」
グレッグ「うーん、困りましたね……」
真奈美「待てよ、試合が完全に終了してたら『怨霊』も場に残らないぜ。
試合が終了する直前のタイミングでこの効果は発生するんじゃないのか」
ラドゥ「『血闘の終了後』という文言に反するが、まあそれは後にしよう。
そうだとしても『怨霊』の効果は魔法ないし物理ダメージに該当するとは限らん」
崇徳院「だから祟ったりせんと言うのに」
ヒューバート「まだ時間がかかりそうだな。お嬢さん、ちょっとお茶でもどうです?」
真奈美「魔法でもなければ物理でもないダメージってなんだよ!」
ラドゥ「正気度が低下するのかもしれんぞ」
アーヴィン「……私は暇ではないんだ。これ以上時間がかかるようなら審判を呼んでくれないか」
「いよいよ出番ですか! 審判はここにいますよ!」
何者かの声が響く……いや、ちょっと死にそうな声で、響くとは言いがたい……
果たして審判とは何者か!?
次ページに続く。
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