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水着デートは刺激的?

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 午前中。
 波のプールの近くでは、海産物を焼いて売っている屋台が出ていた。
「いらっしゃいませ〜!」
 菜の花色のひまわり柄ミニ丈浴衣を着て、声を張り上げているのは小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)だ。浴衣の中はミニスカート風のパレオが付いたビキニを着ているが浴衣で見える事はない。
 その明るい笑顔にお客さんが引き寄せられている。
「あ、はい。ご注文ですね」
 美羽の横では桃色の同じ柄の浴衣を着ているホイップ・ノーン(ほいっぷ・のーん)が注文を取っていた。
 そして屋台の中では白藍色のひまわり柄の浴衣を着たベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)がタコ焼き、焼きイカ、焼きホタテ、マグロのステーキなどの調理をすべて1人でこなしている。
 さすがに炎天下の中これだけの調理をこなしているので体中から汗が噴き出ている。
「美羽さん、たこ焼きできました」
「はーい! たこ焼きお待たせしましたー!」
 ベアトリーチェからたこ焼きを受け取り、美羽は待っていたお客さんへと手渡す。
 手渡して、お代を受け取り、後ろを向いたその瞬間、波のプールから白く長いものが伸びてきた。
 それに気が付いたホイップが慌てて声を掛ける。
「美羽さん! 危ない!」
 声を掛けられた美羽は大剣型光条兵器(刃渡り2メートル)を取り出し、振り向きながら、その触手を切る。
 触手は切られた部分を残し、プールの中へと戻っていった。美羽は切られた触手を拾い上げ、ベアトリーチェに差し出した。
「これもよろしくね!」
「ええっ!? これも食材なんですか!?」
 ベアトリーチェは驚きながらも触手を受け取り、調理に取り掛かるのだった。
「ホイムゥさっきはありがとね! さ、まだまだ頑張ろう!」
「うん!」
 美羽とホイップはお客さんをさばきに戻った。


「イカ焼きできましたけど……やっぱり味見してもらった方が良いですよね」
 ベアトリーチェはキョロキョロと辺りを見回す。するとちょうど歩いていた百日紅 火焔(さるすべり・かえん)陽炎 橙歌(かげろう・とうか)に視線が止まった。
「火焔さん、橙歌さんちょっとお願いできますか?」
 2人はベアトリーチェの呼びかけに応え、屋台へとやってきた。
「これなんですけど、味見お願いできますか?」
「良いですよ」
「別に構わない……ですの」
 2人はタレのかかったイカ焼きを受け取り、口へと運んだ。しかし、そこで2人は固まってしまった。
 心配になったベアトリーチェは声をかける。
「どうかしました……?」
「その……アンモニア臭が……口の中に入れた瞬間、いっぱいに広がって……得も言われぬ味わいに……」
「…………」
 火焔はなんとか感想を言えたが、橙歌はそのまましばらく固まり続けた。
「す、すみません! 普通のイカと同じに処理したんですけど……」
 ベアトリーチェはお詫びにマグロのステーキを渡したのだった。


 そして、その様子見ていたコハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)は何かを考え込み、しばらくすると口を開いた。
「ちょっと行ってくる」
「なるべく早く帰ってきてくださいね」
 そんなコハクをベアトリーチェは笑顔で見送った。たぶん、トイレか何かと勘違いしているんだろう。
 コハクはなぜか流れるプールへと向かって走って行ったのだった。
 ややあって、戻ってきたコハクの手にはバケツが握られていた。そのバケツの中にはびりびりうなぎが2匹。コハクはバケツをベアトリーチェへと渡す。
「これもお願い出来る?」
「おいしそうなウナギですね。かば焼きですか? 白焼きですか?」
「んー……両方で」
 ベアトリーチェは頷くとすぐにさばき始めた。少しするとタレの焦げるおいしそうな香りが辺りに漂ってきた。
「できましたよ」
「ありがとう」
 コハクはおいしそうなかば焼きを受け取ると、それを持って近くでホイップの事を眺めているエルの元へと駆けて行った。
「あの、エルさん……一緒にかば焼き、食べますか?」
「ありがとう!」
 エルは微笑んでかば焼きを受け取り、近くのイスに腰掛けた。コハクもその横に座り、白焼きを食べながら、ホイップが黎のところにバイトに行くまで眺めていたのだった。


ホイップのここの屋台でのバイト金額
500G