空京

校長室

終焉の絆 第二回

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終焉の絆 第二回
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【1】エルキナ 4

 ズドンッ!!

 業魔とエルキナが急降下し、地面へ衝突。
 土ぼこりが巻き上がり、しばらく二人の姿が見えなくなる。
「おらおらおらぁ!! どうしたんだよさっきまでの威勢はよぉ!」
『っ面倒な奴……!』
 土ぼこりから業魔とエルキナが姿を現す。
 暴力を振るう業魔に、全てを防御回避するエルキナ。
「好機っ」
 業魔が押している今、エルキナの背後に隙を見出したスウェル。
 地面へと着地して、そのままエルキナの背中を狙う。
 業魔とスウェルに挟まれたエルキナ。
『……うざったいわね!』
 初めて声を荒げたエルキナ。
 すると今まで纏っていただけの光が、明らかに光度を増して辺りを照らす。
 咄嗟に目を瞑った業魔とスウェルだがあまりの眩しさに、
 目を瞑っているにも関わらず網膜に異常をきたした。
『これで二人、殺れるわね』
「いいや、一人だけだぜ!」
 竜造がこともあろうに、飛空艇をそのままエルキナへぶっ放した。
 これにはさすがのエルキナも避けるのを余儀なくされる。
 飛空艇が派手に爆散する。
「避けてんじゃねぇよ! エルキナぁ!!」
 己が潜在能力の開放にどす黒い闘気を纏わせて、
 人ならざる速度でエルキナに肉薄する。
『どうしてこう、戦闘狂とは煩わしいのかしらっ……!』
「俺からすりゃてめぇの方がよっぽどうぜぇ!」
 我道を往く竜造が神葬・バルバトスを構えてヴァンダリズムを発動した。
 破壊の限りを尽くす竜造に、さすがのエルキナも防戦一方。
 が、とんでもないことにそこへ業魔が割り込んでくる。
「疼く、疼くぜぇ……そんなの魅せられちまったらよぉ!」
 最早阿呆である。
 竜造、エルキナ、業魔の三つ巴が開始される。
 だがそう長くは持たなかった。
 さすがの竜造もこの二人相手に押し切ることはできない。
「てめぇ業魔、すっこんでろ!」
「仲間外れはよくねぇぜ? 同じ戦闘狂い同士仲良くしようぜ!!」
『……そろそろ離れてくれるかしらっ!』
 エルキナも疲弊している。だが殺意は健在、動きに鈍りもない。
 光を帯びた剣が業魔の右胸を深々と穿った。
「ぐぅ……! まぁ、これで捕まえたぜ!」
「うん」
「そのようだ」
 鏨とスウェルがエルキナの体をがっしりと掴む。
「おめぇもやりな!」
「あぁん? 死んでもしらねぇぞ!」

 ズブリッ

「ハ、ハッハッ。いいねぇやられるも華だ、なあエルキナ?」
『が、はっ。自分の体ごと、く、しざしに……!?』
 エルキナにバルバトスが刺さる。光に照らされた血は、流れ出るマグマにも見えた。
「そんじゃ、一緒にいくかぁ!」
「テメェの指図は受けねぇが、乗ってやら!!」
 乱世が業魔の後方から跳躍してエルキナの前へ。
 同時に業魔が己が力を全て込めた右拳をエルキナの下腹部に。
「やられた分は全部っ」
「痛み諸々のしつけて」

「「倍返しだっ!!」」

 乱世の拳はエルキナの顔の真正面を。
 業魔の拳はエルキナの下腹部を深く、どこまでも深く打ち付けた。
『ぁ、ぁあっ……』
 呻き声を上げたエルキナは、程なくして倒れた。
 エルキナの姿が光の屑になって消え、そして、それに合わせて女騎士達は全員、光となって霧散して消滅した。
 これでエルキナとアルティメットクイーンが合流することは完全に阻止されたのだった。