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第3章 食べなきゃ損!豪華な料理を食いまくれ

-PM21:00-

「美味しい料理あるわよー、誰か食べたい人いるー?」
 獣耳と尻尾をつけて七瀬 瑠菜(ななせ・るな)は狼少女メイドの仮装をし、一口サイズのカボチャのプリンを配っていた。
「こっちには果実酒もありますよー!」
 頭にウサ耳をつけて黒ベストと白シャツに黒ネクタイで、リチェル・フィアレット(りちぇる・ふぃあれっと)は白兎バーテンダー風の仮装をしている。
「美味しそうだな1つもらおうか」
 猫耳と尻尾をつけて両手には獣手袋をはめ、アクセサリーとして鈴をつけたヤジロ アイリ(やじろ・あいり)が、銀のトレイからプリンを手に取る。
「そっちのイヌさんはお酒どうですか?」
「酔うとキス魔になるので遠慮します」
 冗談半分に言い、犬耳と尻尾をつけたセス・テヴァン(せす・てう゛ぁん)は爽やかな笑顔で断る。
 アイリと同じくアクセサリーとして、ベルト系を身に着けていた。
「ところでアイリ」
「ん・・・なんだ?」
「語尾をニャにしてみませんか?」
「―・・・!?」
 突然とんでもないことを言い出すセスに、アイリはプリンを口から出しそうになってしまう。
「と・・・突然なにを言い出すんだ。さすがにそれは恥ずかしいぞ・・・」
「私もワンにしますから、駄目ですか?」
「―・・・無茶を言うな・・・」
「かわいいのに残念ですねぇ・・・フフフ」
「(そういえば犬や猫って結構噛んでくるよな・・・俺が・・・がぶりだにゃー、なんて・・・俺がニャとかやっぱないわ)」
 アイリは呆れ顔をし、ため息をつく。



「向こうにあるのは酒か・・・未成年だから飲めないな」
 陰陽師の仮装をした高月 芳樹(たかつき・よしき)は、飲み物を探し歩いていた。
「お酒だけじゃなくてプリンもありますよ」
 リチェルが芳樹たちに声をかけてきた。
「プリン?美味しそうね、私食べたい♪」
「いくつ食べる?」
「3つくらいほしいわね」
 芳樹が仮装している雰囲気に合わせて平安時代の姫の衣装を身に纏い、アメリア・ストークス(あめりあ・すとーくす)が瑠菜からプリンを受け取る。
「そんなのがあるの!?」
 甘い香に誘われて波音とアンナが近寄ってきた。
「10コ頂戴♪」
「そんなに食べられる?」
「むっ、ちゃんと食べられるよ」
 残すんじゃないかと思い、とめようとするアンナに対して波音は膨れ面をする。
「服にこぼさないように気をつけないとな・・・」
「大丈夫よ、小さな子供じゃないんだから」
 スプーンですくいとり、ストークスは美味しそうに食べる。
「んーっ、冷たくて美味しい」
「僕も何か食べるか・・・」
 ジーナが作ったミートパイを1つ手に取り食べた。
「味にあまり自信がないんですけど・・・」
「ちょっと香ばしいけどうまいぜ」
「そうですか、よかった」
 ほっと安心したように、ジーナはニコッと笑う。
「もうすぐなくなりそうだったみたいだな」
「えぇ、意外と早くなくなりそうです」
「ちょうど腹へってたし、ここに来てラッキーだったな」
「私も食べていい?」
「どうぞ」
 取り皿にとって、ストークスに渡してやった。
「ラスト1コもらい♪はむっ・・・美味しいわね」
「向こうにも沢山あるな、行ってみようぜ」
 芳樹たちは別のテーブルへ移動していった。
「あれだけあったのになくなりそうね」
「人数が人数ですからね」
 食べられていく料理の傍で、アメリアとユニは雑談をしていた。
 一方、クルードの方は壁に寄りかかり、ぐったりと疲れきっている。
「元気ありませんね、どうしたんですか?」
「―・・・・・・そんなことはない・・・」
 表情に表さず口ではそう言いながらも、心中ではかなり疲れていた。



「皆の仮装、個性的で面白いね」
 頭に長い黒髪のかつらと、とんがり帽子を被って黒いローブを纏い魔女の仮装をした清泉 北都(いずみ・ほくと)は、楽しそうに他の生徒たちの仮装を眺める。
「料理も沢山あるな」
 獣耳と尻尾をつけ両手に肉球グローブをはめて狼男風に仮装したソーマ・アルジェント(そーま・あるじぇんと)は、テーブルの上に並んでいる料理をどれにしようか選んでいた。
「スパゲッティーがあるよ」
「シチューもあるぞ」
「どれも美味しそうだよね・・・スープスパとカルボナーラ・・・どっちにしよう」
「こっちの皿に盛るから半分ずつ食べるか?」
「うん、そうしようか。後は飲み物と・・・あっ、デザートも欲しいよね」
「フルーツカクテルがあったな」
「何それ、いいな。僕も飲める?」
「ノンアルコールだから大丈夫だな。それじゃあ2人分グラスに入れるか」
 クレアが作ったフルーツカクテルを、ソーマは2人分トレイの上に乗せる。
「これくらいにしておこう」
「また後で取りにこようか。向こうのテーブルが空いているよ」
「この辺に置くか」
「それじゃあいただきますー。・・・うん、どれも美味しいね」
「こういうバイキング形式も悪くないな」
「ソーダとフルーツってよく合うんだね。食べ終わったらおかわりいってこようかな」
 北都は黙々と食べすすめた。



「オメガ様の為にデザートをお持ちいたしました、どうぞお食べくださいませ」
 秋葉 つかさ(あきば・つかさ)は自分の等身大型のケーキを、会場内に運び込みオメガのテーブルの近くへ置いた。
「私が食べさせてあげます」
 取り皿にケーキを置き、ホークで食べさせてあげようとする。
「わたくし自分で食べられますわ」
「食べさせてあげたいんです!」
「―・・・そうなんですの?」
「美味しいですか・・・・・・?」
「えぇ、お菓子作りお上手なんですわね」
「褒めてもらえて嬉しいです♪」
 赤色の瞳を輝かせ、つかさは嬉しそうな顔をする。
「あっ・・・ほっぺたについちゃいましたね、私がとってあげます」
 指先でちょんと頬についたスポンジケーキに触れ、とってあげるとそれをぱくっと食べた。
「なかなか上出来だったようですね。(フフッどさくさに紛れての行動です♪)」
 つかさは心の中で呟いた。