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空賊よ、風と踊れ-ヨサークサイド-(第3回/全3回)

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空賊よ、風と踊れ-ヨサークサイド-(第3回/全3回)
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chapter.6 中央の谷ルート2・とんでいく 


 派手に戦闘を行っていたカレンたちとは打って変わって、ガヤを倒した玲奈たちは次の標的を残った反抗期とピンク歌手、ビバリーヒルズに定めていた。
「そろそろそこをどいてもらいましょうか」
 ジャックの後ろに乗っていたレーヴェが、魔力を高め巨大な氷の塊を作り出す。それに合わせるように玲奈も氷術で氷を生成し、小粒のまま相手へと飛ばす。そうして反抗期たちが怯んだところで、レーヴェの巨大氷が反抗期たちを襲った。カレンとジュレが雷に特化した攻撃を行っている一方で、玲奈たちは氷による攻撃を重点的に行っていたのだ。
「こっ……これは一旦引くしかないみたいね」
 ピンク歌手の言葉を合図に、大小様々な氷に襲われた反抗期とビバリーヒルズも後退を余儀なくされた。入れ替わるように前へと進み出てきたのは、4機の飛空艇、それと箒に乗ったひとりの生徒だった。飛空艇にはもちろんそれぞれ生徒が乗っていたが、そのうち1機の乗り手は何やらぴょんぴょん跳ねていた。そしてあっという間に自然の摂理で強風に飛ばされ、瞬く間に夜の星となった。それと同時に飛空艇も飛ばされ、実質玲奈たちの前にいる生徒は全部で4名だった。
「……え、何? 今飛んでった子」
 玲奈は一瞬戸惑ったが、深くは考えないことにした。それよりも今はやらなければならないことがある。それは言うまでもなく、目の前の敵を掃討することだった。玲奈は再びその手に氷を生み出す。
「次から次へともーっ、みんな落ちちゃえ!」
「そうはさせないよ! ボクだって、氷の魔法は得意なんだからねーっ!」
 その氷術を防いだのは、いかにも教育番組に出てきそうなあどけない女の子だった。彼女もまた、氷術の使い手だったのだ。ほぼ互角の力で氷をぶつけ合う玲奈と教育だったが、地形が玲奈を有利にした。つまり、風向きである。風下の教育は、風圧により勢いを増した氷に押し出されるようにしてその身を空へと預けた。これで玲奈たちと対峙している敵は、残り3人となった。
 それを見て決意を固めたように玲奈たちの前に躍り出たのは、飛空艇に乗った童顔の少年だった。女の子かと思うようなベイビーフェイスである。ベイビーが玲奈たちの前に出てきたのは、ただの勢いではなかった。ベイビーには、勝機が見えていた。それは、彼女たちの背後に向かって飛んできている大岩である。しかしもちろんこのままでは、葵が後ろに注意を注いでいるので直撃はない。案の定、葵とジャックはそれぞれ見事な動きで背後から迫る大岩を難なくかわす。しかし、ベイビーが狙っていたのはそれだった。
「……そうすると思ったよ。これでようやく隙が生まれたね」
 岩を避けたことで正面への注意が一瞬薄れた隙を突き、ベイビーはジャックに斬りかかる。
「ぐっ……!?」
 ジャックは苦悶の表情を浮かべ、肩を押さえた。その手からは、血がこぼれ落ちている。そのままジャックはバランスを失い、後ろに乗せたレーヴェ共々突風に飛ばされてしまった。が、ジャックはこれで終わるような人……いや、狼ではなかった。ジャックは風に飛ばされながらも、その手に持ったトミーガンでベイビーの飛空艇に風穴を開けていたのだ。
「へっへへ……ただじゃくたばらねぇぜ! ガキ、てめーも道連れだ!」
 ジャックとレーヴェが彼方に消えたのと同時に、ベイビーの飛空艇が音を立てて砕けた。
 パートナーがリタイアした玲奈は、葵の服をぎゅっと掴んで前を見た。まだ敵は、ふたり残っている。

「残るはおまえ達だけだ。正面衝突なら、普段の修練のみがものを言う。決めさせてもらう……!」
 箒に乗った眼鏡の青年が、玲奈を見据えて口にする。どことなく、フリューネサイドと深い関わりのあるぞうさん……いや、梅村象山に似ている気がしないでもない。そして象山はハルバードを構えると、そのまま玲奈と葵の飛空艇へと突撃した。玲奈が何度目かの氷術を仕掛けるが、それはもう見飽きたとばかりに身を屈め、アイスプロテクトで防ぐ象山。そのまま彼は一気に加速し、接近戦へと持ち込む。玲奈も必死で吹雪を起こすが、象山にそれは効かなかった。
「この距離まで着たら、何をしても無駄だ……!」
「ちょ、ちょっと近付かないで!」
 ハルバードを振り回す象山を、運転手の葵は飛空艇を後退させることで回避した。そこに、狙い済ましたかのように風に運ばれて小石の群れが飛んでくる。象山の狙っていたのは、この状況だった。象山は突如狼の耳を生やすと、玲奈の背後から飛んできた小石たちをハルバードで打ち返し、後ろへ下がった飛空艇に次々と打ち込んだ。小石が当たる度、ビシ、ビシと飛空艇が揺れる。
「おっ、落ちちゃうよ!」
 止めと言わんばかりに、象山の背後から猫耳の女が飛び出して象山と一緒になって小石を飛空艇に打ち込む。猫耳なのに胸が小さい、けしからん女である。いや、もっともけしからんのは、そんな女をパートナーにしている象山である。象山この野郎!
「玲奈……このままじゃ……」
 運転している葵が玲奈に現状の危うさを伝える。玲奈はすっかり混乱して、分けの分からないことを言い出した。
「もしここでマスター・ハギが飛んできたら……彼が飛んできたらこのピンチだってどうにか凌げるのに!」
 マスター・ハギという人物にどれほどの力があるかは不明だが、彼女は彼を信頼しているようだった。その時だった。玲奈の目に、風上から飛んでくる人影が見えた。もしや、と玲奈は期待に胸を膨らませる。
「マスター・ハギだ! マスター・ハギが飛んでくる!」
 が、近付いてきた人影を見て玲奈の表情が落胆へと変わる。飛んできた人影の正体は、マスター・ハギという人物ではなくヒヴィ・ア・ラッタという誰だか分からない人物だったのだ。なぜかパンツ一丁で猿ぐつわをされ、目隠し状態で四肢を縄で縛られているヒヴィの体をよく見ると、一枚の紙が貼られていた。玲奈はそれを風の中頑張って読み上げる。そこにはこう書いてあった。
『〆切前で忙しい時に呼び出そうとしないでくれ。代わりに暇そうだったこいつを飛ばしておいた』
「マスターーーーーッ!!」
 玲奈は悲しみのあまり叫んだ。しかしもっと悲しいのは、ほぼ全裸で突風に乗せられたヒヴィである。さらにヒヴィは象山と貧乳猫耳の小石ノックを全身に浴び、アザと血だらけになって雲海へ落ちていった。
 象山は一瞬動揺したがすぐに体勢を立て直し、そのハルバードを玲奈たちに向けた。見事飛空艇に突き刺さったそれは、やがて黒い煙を生み玲奈と葵を空へと放り出した。このまま雲海へとダイブするかと思われたふたりだったが、葵がその窮地を一転して好機へと変えた。
「捕まって、玲奈!」
 彼女は玲奈をその体で受け止め、同時に光条兵器を発動させた。
「ウロボロス!」
 葵が叫んだその名は、蛇腹の形をした自身の光条兵器だ。葵はその形状を変え鞭のようにしならせると、それを貧乳猫耳の飛空艇へと絡ませた。そのまま葵は彼女の飛空艇に飛び移り、貧乳猫耳を叩き落とした。
「そう簡単にはやられないよ! じゃあねっ!」
 葵に助けられた玲奈は、元気を取り戻すと象山を置き去りにしてフリューネ部隊の奥へと突っ込む。象山は箒を転回させ、慌ててそれを追いかけるのだった。



 玲奈たちが獅子奮迅の活躍を見せている頃、サレン・シルフィーユ(されん・しるふぃーゆ)はパートナーのヨーフィア・イーリッシュ(よーふぃあ・いーりっし)と共に飛空艇の上でなぜか踊っていた。それも、ふたりともかなり露出度の高い衣装で。サレンに至っては、ビキニ着用という鳥肌ものの服装だ。
「ヨーさん、ちょっと様子がおかしいッスよ!」
 踊りながらサレンが、ヨーフィアに言う。
「確かに……いつもとは違うみたいね」
 ヨーフィアは今自分たちを取り巻く状況を不審に思った。露出度の高い女性がこれだけ体を揺らしているというのに、敵が誰も寄って来ない。それどころか、見向きもしない。止むを得ず、ヨーフィアは先ほど風上から飛んできたハサミを取り出すと、サレンの水着の紐をぷつんと切った。
「わっ、また切れたッスよ!」
 ヨーフィアはにっこりと笑うが、その微笑みは驚きへと変わった。サレンはなんと、こんなこともあろうかと胸の見えちゃいけない部分に絆創膏を貼っていたのだ!
「なんちゃって、今回は切れても大丈夫なように、ちゃんと対策してきたんスよ!」
「……つまんないわね」
「ん? 何か言ったッスか? ヨーさん」
 サレンの言葉にヨーフィアは首を軽く横に振り、「ううん」とだけ答えた。ヨーフィアはサレンが学習していたことがお気に召さなかったのか、ちょっと物足りなさそうに踊りを続ける。
 あそこの見えないサッちゃんなんて、サッちゃんじゃないのに。
 そんなことを思いながら。そうしてふたりはほぼ全裸に近い格好で再び汗を流しながら踊るのだった。が、やはり誰も見向きもしない。
「……明らかにこれは不審な事態ね」
 ヨーフィアは原因も分からぬまま、腰を振り続ける。ちなみに一般人から見たら、ほぼ全裸で踊り狂う彼女たちの方がよほど不審者である。そんな彼女たちの近くを何者かが走り抜けていったが、当然サレンとヨーフィアに絡むことはなかった。

 ふたりの近くを駆け抜けた飛空艇は、3機。それに乗っていたのは先ほどカレンとジュレールを倒した、無口とメカ耳、そしてガラ悪だった。ヨサーク側部隊を突破しようと試みた彼らの前に、五月葉 終夏(さつきば・おりが)が単身立ちはだかった。
「やー、なんか色々飛んでて楽しいね」
 どこかとぼけたような声で終夏が無口たちに話しかける。無口は違和感を覚えた。どうやら3対1で向かい合っているのに、余裕のある様子を見せていることが気にかかるらしい。先手必勝と言わんばかりに、そばにいたメカ耳がお得意のミサイルポッドをスタンバイさせる。それを見て、終夏はゆっくりと両手を動かした。しかし終夏が何か仕掛けるよりも早く、メカ耳はミサイルを放った。先手必勝が定石なら、ここで軍配はメカ耳に上がっていたはずだった。が、思考や想像も先手に入れるのであれば、その軍配は終夏に上がることとなる。終夏はたくさんの飛来物を見ながら、あることを思った。
 もしかして、鳥の羽が大量に飛んでこいとか思ったら、飛んでくるんじゃないかなー。
 そして彼女の思いを、風が叶えた。辺りを埋め尽くすかのような羽が、終夏の背後から風に乗って飛んできたのだ。
「やっぱり。なんかこういうのが飛んできそうな気がしてたんだよね」
 終夏はそれを予期していたかのように、動かした両手から炎を生んだ。そして、自分を追い越していった羽に向かい、その炎を点火させる。するとたちまち炎は追い風を受けて燃え広がり、次々と羽から羽へと引火した。やがてそれは炎の波となり、ミサイルをあっという間に飲み込むと無口たちの近くで爆発を起こした。
「悪いけど、ここは抑えさせてもらうよー! 思ってたより熱そうだけど、ごめんね!」
 謝りながらものん気に笑う終夏とは対照的に、無口たちは必死の形相で爆発から逃げようとする。
「まずい……、おまえら、下がれっ!」
 ガラ悪のそんな言葉が聞こえたか聞こえないかのうちに、辺りが爆ぜた。もうもうと上がる煙が晴れた時、そこにガラ悪の姿はなかった。きっと彼は残りのふたりをかばって太平洋へと落ちたのだろう。
 爆発の余韻に浸って空を見ていた終夏は、自身の飛空艇が突然揺れたのを感じた。
「……え?」
 そういえば、と。数秒前に、ばす、と何かを撃ち抜く音が聞こえたような、聞こえなかったような。
 終夏はゆっくりと下を見た。飛空艇の動力部、そこに、綺麗に穴が開いていた。
 あーそうか、撃たれたのか。うーん、残念。種芋も飛んできてほしかったな。あ、あと、ヨサークさんに「見直したよ」って言いたかったかも。
 様々なことが一瞬のうちに頭を巡り、そして終夏は飛空艇ごと雲海へと落ちた。

 終夏を撃退した無口とメカ耳は、そのまま北へと進路を取ろうとして、上空を飛ぶ存在に気付いた。それは、先ほどベイビーや教育、貧乳猫耳らを雲海へ落とした玲奈だった。その後ろをやや離れて、象山が追っている。
「追撃戦のようだな……ここは一旦退いて、仲間の援護に向かうべきか……?」
 無口が機首を上げようとしたその時だった。風に流されてきた巨木が不意に彼を襲い、直撃を食らった無口は肩を抑えその場にうずくまった。墜落は免れたようだが、かなりの重傷らしい。そして、彼が見上げた上空では。
「しつこーいっ、もう追ってこないでってば!」
 貧乳猫耳から飛空艇を奪った玲奈と葵が、象山に追いかけられ上空へと逃げていた。そんな彼女に止めを刺すべく、閃崎 静麻(せんざき・しずま)が援護射撃のような形でフォローする。その銃弾の何発かが飛空艇に当たり、玲奈と葵は再度危機に見舞われる。
「わっ、わわ、また落ちちゃう!」
 そんな玲奈の悲鳴を聞き、どうにか舵を取り直そうとする葵だったが、もはや限界はすぐそこまで来ていた。そんな彼女らの頭上に、静麻のパートナーと思われる女性が現れた。
「そろそろ年貢の納め時です」
 金髪を三つ編みにしているその女は火術で玲奈たちを怯ませると、炎の奥からライトブレードで斬りかかった。その太刀筋は飛空艇の動力部を見事破壊し、飛空艇がたちまち煙を吐く。
「ま、まだまだ……!」
 葵はもう一度光条兵器を発動させると、落下しながらも光る鞭を静麻の飛空艇に絡ませようとする。が、それは静麻の近くにいたごつい機晶姫の盾で弾かれた。横取り、そして道連れに失敗した玲奈と葵はついに雲底へとその姿を消した。



 陽太、カレンら、終夏、玲奈らがやられ、もはやこのルートにいるヨサークの部隊は狂ったように踊り続けているサレンとヨーフィアだけかと思われた……が、実は、まだひとり、光学迷彩で姿を隠し生存している者がいた。それこそが、先ほど無口を襲った巨木に剣を突き立て空を飛んでいる、レイディス・アルフェイン(れいでぃす・あるふぇいん)だった。彼は戦闘中に飛んでいた巨木を見つけるや否や、名案を思いついていた。
「アレに剣を突き刺して飛んでけば、素早くあっち側に乗り込めるんじゃないか?」
 そう呟いた彼は、早速光学迷彩を発動させ、あたかも巨木だけが飛んでいるように見せかけた。しかしその実体は、巨木に乗った侵入者、レイディスである。が、惜しむらくは、彼の作戦が殺気看破により見破られてしまったことだった。レイディスを見破ったのは、教導団の服を着た、小動物ばりにびくついている女だった。チワワとでも呼んでおこう。
 チワワは殺気看破で巨木の上にいるレイディスを発見すると、すかさずボーラと呼ばれる武器をレイディスに向けた。これは、ヒモの先に重しをつけた投擲武器である。
「この先はフリューネさんのいる本陣、誰も通すわけにはいきません!」
 防がなければやられる。レイディスは飛んでくるそれらに危機感を覚え、とっさに剣で弾き返す。バレてるなら仕方ない。レイディスは迷彩を解き、その姿をチワワの前に晒した。
「……そんなもんで俺を止められると思ったら大間違いだぜ」
「止めてみせます! なんとしても!」
 チワワは小心者とは思えぬ動きでレイディスが乗っていた巨木に飛び乗ると、少し距離を置いて向かい合った。強風の中での戦いなので、互いにバランスを崩さぬよう慎重に距離を詰める。そして、チワワの持っていた長槍の間合いに、レイディスは入ってしまった。先手を打とうとするチワワだったが、レイディスはそれよりも早く一気に距離を縮めて長槍をなぎ払う。そのまま流れるように体をくるっと回すと、チワワの脇腹に剣を当てた。あくまでも切りつけるのではなく、峰打ちで仕留めるつもりである。レイディスの打撃を受けたチワワは、膝をつきうずくまった。
「もう充分だ。そこをどいてくれ、俺は先へ進まなくっちゃならないんだ」
「い……嫌です。私は決めたんです、フリューネさんのために戦うって……!」
 レイディスが小さく息を吐く。彼が一歩踏み出した時、チワワの体を光が包む。レイディスは驚き、自分の反対側を見る。チワワの対角線上に、いつの間にかもうひとり女が立っていた。純白のドレスを着こなしているが、実年齢は40くらいいってそうなので四十路と呼ぶ。四十路はチワワにヒールをかけていた。痛みがとれたチワワは、もう一度立ち上がり、レイディスと対峙する。
「お、おい、まだ向かってくるのかよ……?」
 慌ててレイディスも剣を構える。しかしその様子は戸惑いを隠せないようだった。が、それでもレイディスは立派な剣士。深く傷つけ過ぎないよう、それでも確実に、チワワの体勢を崩していく。そして、再び止めを刺そうとレイディスが剣を振り上げた時、彼の剣に一発の弾丸が命中した。レイディスは驚き、後ろの四十路を見る。が、その手に銃器の類はない。
「一体、どこから……!?」
 それは、戦闘中にしてはいけない余計な思考だった。
 その隙を逃さず、チワワはレイディスの胸に突きを入れた。バランスを崩したレイディスは、風に吸い込まれるように巨木から落ちていった。その刹那、レイディスはスキンヘッドの黒人と長い銀髪の女の姿を一瞬だけ確認した。
 ――そうか、あの時の弾は、あいつらか。
 少し悔しそうな表情を浮かべて、レイディスは雲海へと落下した。
 この瞬間、中央の谷ルートで戦闘可能なヨサーク側の部隊は実質0人となった。

 ヨサーク側生存者2人、フリューネ側生存者13人(ほぼ戦闘不能1人を含む)。フリューネ側、中央の谷ルートを制圧。