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【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回)

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【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回)
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 そこに霧雨 泰宏(きりさめ・やすひろ)と、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)も駆けつける。その間に、緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が泰宏と透乃が戦いやすいよう、一般生徒を避難させていた。

「ネラが現れたみたいだわ」
 祥子の言葉に無反応な真珠。
(…なんだか、知らない子みたいだわ…)
「真珠、大丈夫?」
 祥子の言葉にはっと我に返ったのか、真珠に精気が戻る。
「暗殺者が現れたのですか?」
「ええ、そうよ」
(これで、真珠が『アッサシーナ・ネラ』ではないことが証明できるわ…)
 祥子はネラの出現に構えながらも、そのことにほっとしていた。

 泰宏はミルザムを守る反面、怒りのようなものをミルザムに覚えていた。
「私はクィーン・ヴァンガードなので、当然、ミルザム、あなたを守る。しかし、皆を祝おうという心意気は良いが、自分以外の者を危険にさらす覚悟でここに来たのか?」
「…」
 さすがに言葉に窮するミルザム。
 前回の屈辱をはらすため、透乃はネラに接近戦を挑む。
「ネラちゃん! 特別会館ではやられっぱなしだったからね! 今度こそネラちゃんを倒したい!」
 透乃は爆発に巻き込まれないようにすることに気を配りながら、ネラに突進していくと、怪力の籠手をつけた左手でネラの顔面を狙おうとするが、それをネラはさっとよけてしまう。
 そこにショウがバーストダッシュで接近し、ソニックブレードでネラに攻撃をしかけた。
 ネラの太刀はスウェーでかわし、爆弾よけのために紋章の盾を構える。爆破物を次々、投げつけてくるネラにショウは
「おいおい、自信がないのかよ? ん? それになんのためにミルザムを狙うんだ」
 上手く気をそらしながら、ネラの正体を暴こうとするショウだったが、何をきいても、「ミルザムに天誅を」「ミルザム、お前には死んで貰う」しか機械的にしかいわないネラだった。


 接近戦で戦い続ける透乃だったが、爆発物とネラの剣撃で追い詰められかける。
 危なくなった透乃をかばうため、泰宏は透乃を抱えて戦線を離脱した。
「やっちゃん…!!」
「女王候補より、透乃ちゃんのほうが私には大事だ!」
「おいおいマジかよ」
 ショウはつぶやくが、そのまま、ネラと対峙していたところ、葛葉 翔(くずのは・しょう)九条 風天(くじょう・ふうてん)が駆けつけてきた。
「お前がアッサシーナ・ネラか!」
 翔が叫んで、ミルザムとネラの間に割って入る。
「ミルザム様には指一本触れさせないぜ」
(赫夜にも勝てない俺がアッサシーナ・ネラと一対一で勝てるとは思えないが、俺はミルザム様を守ってみせる!)
 翔は庇護者を使い、防御力をあげると、ミルザムに攻撃が行かないよう、白兵武器のグレートソードでネラと受身の戦闘を行った。
 続いて、風天も『花散里』『高周波ブレード』を使い、白兵武器を『二刀の構え』で使いながら翔の助太刀をする。
「ミルザム様、お早くお逃げ下さい!」
「そんな、あなたたちを置いてはいけない…!」
 明子や静佳、ショウたちがそんなミルザムを抱えながら逃げ出す。
 すると、そこに赫夜や美羽、コハク、邦彦にネルが現れた。


第4章 裏切りの真実


「お前は『ネラ』をどう思ってるんだ、赫夜」
 邦彦はネラへの防御の姿勢をしたまま、赫夜を守るつもりでいた。
「…すべては私がカタをつけねばならない。…影から守ってくれて、ありがとう、邦彦殿、ネラさん」
「しっていたのか」
「ああ」
「何喋ってるの! ネラをやっつけちゃうわよ!」
 美羽がバーストダッシュを使った跳び蹴りをネラの顔面目掛けて繰り出す。さすがにネラもそれをよけたが、ピシっと仮面にひびが入る。
「やった!」
「美羽、気を付けて!」
「みんなの力になりたい」
 という一心で、卒業式の警備に参加したコハクが次に大きなリボンを繰り出すが、ネラはそれをバク転で交わしてしまう。
 赫夜がネラを追い、一太刀浴びせようとするが、それすらもネラは交わしてしまい、凄まじい跳躍力、恐らくバーストダッシュで屋上まで飛び上がってしまうと、姿を隠してしまった。
「…ちっ」
 舌打ちをする邦彦。
「ただ、このままでは済みそうにない気がする」
 美羽も警戒心を強める。



☆    ☆    ☆


 その一方。
「う、うう…」
 祥子たちの前で突然苦しみはじめる真珠。
「どうしたの、真珠!」
 頭を抱えてのたうち回る真珠を祥子は抱きすくめ、舌を噛まないよう、自分の腕を噛ませた。
「ぅ…!」
「さちこさん、やめて、そんなこと」
「何を言っているの!! 真珠、しっかりして」
 意識が混濁しているのか、真珠がもうろうとし始めるが、自分の首にこっそりとしていたロケットをぶちっと外すと祥子に託した。