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リアクション
第5章 材料を守れ・・・深夜の襲撃
-PM14:00-
「運んできましたよ材料」
資材置き場から採掘した材料を、陽太はトナカイのソリに乗せて現場へ運ぶ。
「紙の型枠の準備はオッケーだよ」
土台にテープで紙の型枠を固定したレキは、足場の間にくくりつけた紐をよじ登って知らせる。
「とりあえずこれくらいアルネ〜」
チムチムは月雫鉱をバケツに入れて熔鉱水で溶かす。
「ちゃんと均等になるようにしないといけないアル」
コテに溶かした月雫鉱をつけ、髪型に塗るようきれいに伸ばしていく。
「むっ・・・ちょっと厚いかな。こっちの方へ伸ばさなきゃ」
レキは慣れない建築作業に奮闘する。
「たしか厚みは10cmですよね?」
寸法通りか聞こうと歌菜はケレスの方へ向く。
「はいそうですわ」
「ちゃんときっちり10cmです!」
メジャーを使って厚みを図る。
「中間のあたりまでの高さはどれくらいですか?」
「土台の厚みと善と邪の境を作る厚みは一緒ですから。天辺の厚みの10cmを引いた高さになりますわ・・・」
「うーん・・・24.80mですね」
「えぇそうなります」
「半分くらいまでは終わらせちゃいます」
月雫鉱を溶かしたバケツを歌菜は自分の方へ寄せ、コテにつけて鉱石を型枠へ丁寧に塗る。
-PM18:00-
「ふぅ・・・今日はこれくらいにしておきましょうか」
夕方6時までねばり、なんとか目標までの作業を終わらせる。
「よし紙の型枠をはずしたよ。引っ張って!」
紙の端を掴んだレキは、チムチムに引っ張ってもらう。
「皆ーっ、夕食の用意が出来たよ!」
封神台を作っている生徒たちに、遠くの方から弥十郎が声をかける。
「いい香り・・・」
「今日はねワラビや山芋とかを入れてみたんだ」
弥十郎はナベの汁を器によそい歌菜に渡す。
「んー・・・今日も美味しいです」
「はい、2人分どうぞ」
「ありがとう、向こうで一緒に食べようクナイ」
「熱いから火傷しないように気をつけてくださいね」
「うん・・・、ふぅ・・・ふぅーっ」
北都は息で冷まして食べる。
「暖かいね」
「そうですね、それになかなかの味です」
「あれ、もうなくなっちゃった」
生徒たちのために用意した汁は数分でなくなった。
「ふぅ・・・一仕事の後は格別に美味しいですわね」
足場を完成させて疲れを癒そうと、エリシアはカップに注いだティセラブレンドティーを飲む。
-PM19:00-
「今日はオレが見張る番か」
「他の皆はゆっくり休んでてね」
「深夜に襲撃されたからまたその辺りの時刻にくるかもな」
陣たちは昨日の夜に言ったようにメイベルたちと見張り役を交代する。
4Day
-AM5:10-
「(全然来ないな。まぁ来ないことにはこしたことないけどな・・・)」
深夜2時を過ぎてもいっこうに来る気配はない。
「―・・・むぅ」
リーズが眠たそうに目を擦る。
「仮眠しとくか?リーズ」
「―・・・っ!平気だよ、全然・・・へい・・・き・・・むぅ」
「(まったく仕方ないなっ)」
昨晩の襲撃で寝不足になってしまったリーズを気づかい膝に寝かしてやる。
「んー・・・何か見られているような。この気配・・・ゴースト兵かもしれないよ!」
殺気看破で狙われていることに気づいたリーズが飛び起きる。
「燃え散れやっ!」
ファイアストームの炎で兵を囲んで燃やす。
「消えてください」
真奈は小型飛空艇に乗り六連ミサイルポッドを撃つ。
「陣くん取られちゃうよ!」
「なにぃい!?」
ぱっとシートの方を振り返ると、シートにある材料を抱えて走っていく兵の姿を見つける。
「このーっ、待てぇえ!」
追っていく陣を見てノートはクスリと笑う。
「敵を欺くには、まず味方からといいますもの」
月が見えなくなっていき、だんだんと夜が明けていく。
-AM7:00-
「くそっ、逃げられたっ」
「追わなくてもよかったですのに」
「ちょ・・・オレらがどんだけ苦労して運んできたと思ってるんだ!?」
「お顔が近いですわ」
ノートは顔に飛び散った陣の唾をハンカチで拭く。
「材料が取られたんだぞ!?何そんな余裕かましてんだっつーの!」
「―・・・今に分かりますわ」
怒りまくる陣の方を余所に、シートの上に座りノートは不敵に笑う。
-AM9:00-
「でかしたわね、奪ってきたそれをこっちによこしなさい」
材料を奪えたと思った姚天君は、ゴースト兵から受け取る。
「―・・・何、これ・・・」
それが目的の物と違うことに一瞬で気づき顔を顰める。
「やつらが採掘したものでは?」
「違うっ、明珀石に月雫鉱にも・・・どれにもあてはまらないわ!」
「そんなまさか・・・。これは蛍光ペン!?」
闇夜の中でどっちが本物か判断がつかなかったのだ。
「さっさと本物を持ってきなさい、じゃないとあんたらもキラーパペットやラプチャのゴースト兵器にするわよ」
「申し訳ありません、それだけは簡便をっ」
ゴースト兵たちは慌てて本物を奪いに向かう。
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