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リアクション
第8章 儚き気持ち
7Day
-AM8:00-
「昨日の夜は襲撃がなかったけど、何を企んでるんだろうな」
材料の見張りをしている陣は材料を奪われないように待ち構える。
「もうすぐで出来そうだね」
ぐーっと背伸びをしてリーズが封神台の方を見る。
「姚天君の姿が見えましたご主人様。ゴースト兵たちもいます」
真奈が封神台の方へ向かっている姚天君たちの姿を見つける。
「なんか一部こっちに来ますね」
材料を奪いにやってきた兵たちを迎え撃とうと、メイベルはウォーハンマーを握り締める。
「私たちに任せて、幸さんは残りの材料を持って封神台の方へ行ってください」
「でも・・・あんなにいるのに6人だけなんて」
「行ってください!」
「―・・・分かりました、すみませんっ」
「材料を持ったやつが逃げるぞ、追えーっ!」
「あなたたちのお相手は私たちです」
「えぇいっ!」
メイベルとセシリアがハンマーを手にゴースト兵に殴りかかる。
「通させませんわ」
彼女が腕をへし折った兵を狙い、フィリッパは等活地獄の荒々しい刃を振るい、ターゲットを斬り伏せる。
「もうすぐ完成なんだ、奪われてたまるかっつーの!」
幸を追いかけようとするゴースト兵をファイアストームで払う。
「うわっ燃えながら来るよ!」
掴みかかろうとする亡者の手を避け、得物を持つ手を狙い斬り落とす。
「こちらからすぐに仕掛けないと、撃たれてしまいます」
真奈は機晶キャノンの照準を敵に合わせ狙い落とす。
「なんて数だ・・・50以上いる気が」
「皆さんのSPを回復します」
SPが切れかかっている陣たちのために、メイベルが驚きの歌を歌う。
彼女の癒しの歌声を聞き回復する。
「離せこのっ」
胴体が断裂している兵に足を掴まれた陣は蹴り飛ばす。
「はぁ・・・こりゃ加勢に行こうにもいけないな」
「これだけの数が向こうにいってしまっては厄介です」
「あぁそうだなっ」
絶対に行かせないようにしなければと真奈に言われ、陣は軽く頷き蒼紫の焔で亡者どもを焼き払う。
「待ちやがれ。その2人とメガネの女は動けなくして土産にしやる」
「おやおや私も姚天君に目をつけられてたということですか」
「そうみたいどすなぁ〜。メガネのお嬢はんは封神台の材料を持っとるから、動かへんでな」
長剣を抜き疾風突きで兵の手首を落とす。
「ほな行きまひょか?」
何事もなかったかのようにルフナは幸に言う。
「えぇ・・・あっ、はい」
幸は材料を抱えて仲間の元へ走る。
レキたちが封神台を作っている一方、グレン・アディール(ぐれん・あでぃーる)たちは材料置き場から建築現場がまた襲撃されないか移動する。
「今のところ、どっちもゴースト兵しか襲撃しに来てないようだな」
「資材置き場に誰か向かってます・・・あれは・・・」
ソニアが陣たちがいる資材置き場へ向かう見知った顔の女を見つける。
「封神台がもうすぐ完成するようだ」
ラス・サング(らす・さんぐ)は李 ナタ(り・なた)の方を見ると、彼は血相を変えて槍を持つ手を震えさせる。
「そんな・・・今行ったら董天君は!」
彼女を止めようとナタクは必死に駆けていく。
「おいそっちに行くなぁあっ」
「誰かと思ったら、あたしに負けた野郎じゃねぇか。今はお前に構っている暇はない、姚天君に加勢して封神台をぶっ壊しに行くところなんだからなぁっ」
「行くな封神されてしまうぞっ」
「はぁ?敵を心配するのか、アホなやつだな。―・・・おい、そこを退け!」
立ち塞がるナタクに向かって董天君が怒鳴る。
「だったら俺を倒してから行け」
「そうか・・・だったら望み通りにしてやる。骨の1本は2本、覚悟しろよっ!」
ナタクたちを寒氷陣の中へ取り込む。
「接近戦に持ち込むのか、その方がありがたい」
目晦まししてやろうと董天君に向かってラスが光術を放つ。
「フンッ、そんなもの。孤島の施設で散々仕掛けられたからな無意味だぜ」
「なんと!?―・・・ふぐっ」
片腕で光を遮りラスの腹を槍の柄で突く。
「ラスさんっ」
雪に倒れてしまったラスを見てソニアが叫ぶ。
「予定とは違いますがそのままいきます」
加速ブースターで董天君に接近しながら、機晶姫用レールガンを撃つ。
「残念だがここは隠れる場所ならいくらでもあるんだぜ?」
雪山を盾にして弾丸を避ける。
「―・・・それなら!」
六連ミサイルポッドを撃ち、彼女を取り押さえようと接近する。
ズズズドォンッ。
「障害物が多すぎて当たらないですね・・・。この音は・・・雪崩!?」
ミサイルが雪山の雪崩に飲まれてしまう。
ゴォオオッと轟音を轟かせ、別の雪山も崩れソニアの方へ流れてくる。
「グレンさん!」
「くっ・・・」
ソニアを庇い片足が雪に埋もれてしまった。
「ほらどうした、このあたしを倒すんじゃないのか?あっははは」
氷の壁を鏡変わりに姿を映し、董天君がクスクスと笑う。
「(さぁて・・・どれが本物だ?)」
ナタクは雪山に隠れ、どれが本物かディテクトエビルで気配を探知しようと探る。
「(どれも近くにあるから分からねぇな・・・)」
「隠れてねぇで出て来いよ野郎」
「こっちの考えを見透かしているみたいだぜ・・・くそっ、これが偽者か?」
サンダーブラストの雷の雨で氷の鏡を割る。
「よし当たった!・・・って、増やすのかよ!?」
すぐさま氷術で氷の鏡を増やされてしまう。
「ほらどうした、こっちだぜ?それともこっちか?」
董天君はどれが本物か偽者か分からないように走り回る。
「(全部割ったら董天君に当たっちまうかもしれない)」
「決断するんだなっちゃん!」
むくりと雪の上から起きるラスが、本当に助けたいなら本気で止めにかかれと助言する。
「うっ・・・ちくしょうーっ」
愛する者を傷つけてしまうかもしれないとナタクは悔しげに叫び、サンダーブラストは氷の鏡を全て破壊する。
「―・・・っ、この野郎」
怒りながら董天君は氷の破片を吹雪で吹き飛ばす。
「いたぞなっちゃん、今だーっ!!」
「すまねぇえっ」
ナタクは董天君を取り押さえようと飛び掛る。
「くんじゃねぇえ!」
眉を吊り上げてナタクを槍で殴ろうと構える。
「離せこのっ」
「―・・・離しません!」
背後から隙を窺っていたソニアが加速ブースターで間合いを詰め、董天君の両腕を掴む。
「よし取り押さえたぜ」
董天君の肩を掴み雪の上へ倒す。
「動くな・・・と言いたいが・・・。お前はもう動けない・・・自分の足を見てみろ・・・」
「―・・・・・・」
「(効いたか?)」
その身を蝕む妄執でグレンは、足から徐々に石化していく幻覚を董天君に見せられたかどうか、ゆっくりと近づく。
「石化だと?そんなもの恐怖でもなんでもねぇえっ!離しやがれっ、てめぇら全員ギタギタにしてやるっ」
逃れようと董天君が暴れる。
「いやだっ離さねぇ」
「ざけんじゃねぇえ」
「大人しくしろっ」
術が効かず取り押さえようとグレンが両足を押さえる。
「なっちゃんの気持ちが分からぬとはっ」
ラスは彼女が得物を持つ手に体重をかけて動けなくする。
「(何て力なんでしょう・・・4人がかりでやっとなんて)」
暴れる董天君を取り押さえながらソニアが心中で呟く。
「離せちくしょう、あたしは姚天君のところへ行かなきゃいけないんだ!」
「分かってくれっ」
「封神しようとするてめぇらの何を分かれっていうんだ!?」
「せめて董天君だけは封神されたくないんだ、永遠の地獄になんて送りたかねぇんだよ!」
「敵に情けをかけるってのか?はっ、そりゃまたたいそうなこった。あたしを逃がしたら仲間を裏切ることにならねぇのかよ?てめぇは裏切り者になるのかぁあ?」
「どうとでもとらえてくれ・・・」
ナタクに向かって棘のあることばを吐く董天君に、たまらずグレンが言う。
「仕方ないじゃねぇか、こうするしか・・・」
「何がだ・・・、そんなこといってどうせあたしも封神するんだろ。違うか・・・?答えろよ!」
「好きになっちまったんだから仕方ねぇえじゃねえか!あぁそうさ、好きだから全力で止めるんだ。悪いかぁああ!?」
「そんなもの・・・信じられると思っているのか!―・・・ちくしょう離せ、姚天君のところへ行かせろぉお」
「行かせるものか、地獄になんか送ってまるかっ」
愛する者を守ろうと、ナタクは仲間に協力してもらい、行かせまいと取り押さえ続ける。
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