リアクション
10.終宴
「──楽しかったか?」
帰り道。
蒼也がジーナに声をかける。
「はい。七尾先輩とご一緒出来て、とても嬉しかったです」
こういう素直な所が、可愛くてたまらない。
まだもう少し、一緒にいたい。
「ジーナ……これから予定はあるか?」
「え!?」
「あ、いや、お茶でも飲んでから帰らないかって。少し遅くなるからパートナーのガイアスさん、心配するかもしれないが」
ジーナはぶんぶんと首を振った。
「全然! 全然大丈夫です。七尾先輩と一緒にいられるなら……」
恥ずかしそうに俯くジーナの手を、力強く握る。
「な、七尾先輩!?」
「お茶しよう」
「はい」
二人仲良く、星空の下へと消えていった。
「今日は、どうもありがとうございました」
「ありがとうでござるよ」
祠の前で、志保と骨右衛門が手を合わせていた。
「こういうことは、一応ちゃんとやっておかないとな」
「そうでござるな」
しんと静まり返ったこの場所は、外界から遮断された特殊な空間。やはり何かあるのかもしれない……
「…さっさと帰ろうか」
振り向いた時。
美羽とマリエルと愛美がやって来た。お揃いの浴衣が映える。
「来てたんだね」
美羽が笑いながら言った。
三人並んでぺこりとお辞儀をする。
「よしっ! これで全部完了! じゃあ帰ろう」
皆で、祠を背にしたその時。
かたり…と。
風も吹いていないのに、祠の中かから音が聞こえた。
ぜんまい仕掛けのように首を動かして、祠をじっと見つめる。
かたっ。
「ぎゃあああぁああ〜〜〜!!!!」
誰が一番最初に叫んだかなんて分からない。
ただもう悲鳴を上げながら、一目散に、逃げ帰ったのだった。
こちらのシナリオを担当致しました雪野です。ご参加下さいましてありがとうございました。
百合園を離れたシナリオを書くのは初めてだったので、ちょっと緊張?しました。
今回、ラブラブモード?の話を書いていて思ったことは、なんか○ックオフを思い出すな…と。
あ、知らないですね(笑)大昔、そんな漫画があったのです。
懐かしく思いました。ノスタルジ〜
ではでは。ご参加下さいまして本当にありがとうございました!