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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

「…ああそうだよ。惚れてるし、傍に居たいとも思ってる…最初はただの友人でいいと思ってた。けど、短い間だけど一緒に居て…泣いたり笑ったり、色んな表情を見せてくれる赫夜さんが…弱い所を曝け出して頼ってくれた赫夜さんの存在が、俺の中でどんどん大きくなってて…」
 佑也の瞳に今までに見たことのない強さが宿るのをアルマはみとめた。
「…そうだな…想いの強さに、時間なんて関係無いのかもしれない。戦ってくるよ、俺」
「それでこそ佑也! えらいわ!」
 にこっと笑いながら、アルマは心の中で
(…よし、上手く乗ってくれたわ! これであたしもパーティに参加して、美味しい料理にありつけるわひゃっほう!)
 と浮かれていた。
 アルマ・アレフ。
 なかなかのやり手である。

 理と対峙する佑也。
(さて、試合に出る事になったが…赫夜さんの幼馴染なら、剣の腕も申し分ないだろう。弓削理…相手にとって不足無しって所か。色んな意味で、な。持てる力、全部出すつもりで挑ませて貰おう。)
「…面と向かって話をする機会なんてそう無いだろうし、この際はっきり宣言させて貰う。弓削 理! 幼馴染だろうが許嫁だろうが、そんなモン知った事か…! 赫夜は、俺が護る!」
「そうこなくちゃね」
 理も不敵な笑いを浮かべた。

「佑也、さん…」
 赫夜は瞳を見開いた。
(佑也さん、佑也さん、佑也さん、佑也さん、佑也さん!!)
 赫夜がずっと聞きたかった言葉だった。

「試合開始! 弓削 理 対 如月 佑也!」

 佑也は雅刀を構えると、即座に布都御魂剣を理が打ち込んでくる。今までのフラフラとした太刀筋とは違い、敢えて自分から激しく攻撃してくる。
「く!」
 佑也はそれを受けるので必死だった。
「そんなことじゃ、赫夜さんを守るのは無理だよ! 如月くん!」
 理は笑顔だったが、それでも薄ら寒さのようなものを感じさせた。
(こいつ、本気だ!)
「くそ、負けるか!」
 佑也は雅刀で理の剣をカッと受けると、力技で布都御魂剣を右になぎ倒す。
 しかし、理はそのままくるっと布都御魂剣を廻して、またもとの通り自分の手元に収めてしまうと、剣を構えなおし、佑也の胴を狙って打ち込んでくる。
 とっさに避けた裕也だったが、腹から一筋の血がじわっとにじみ出てくる。
「佑也さん!!」
 赫夜の声が聞こえた。祥子や正悟、アリアの声も聞こえる。しかし、佑也は目の前にいる理に集中していた。
「絶対に、まけない!」
 時間は刻々と迫ってくる。
(これが最後の一振りだ!)
 佑也は覚悟を決めて、理に雅刀を上段から打ち込む!
「甘い!」
 佑也の渾身の一撃を理はガッと剣で受けとめると、全身の力を込めて、佑也をはじき飛ばすと、佑也の身体はずざざざっと地面を滑っていく。
「一本! 勝者、弓削 理!」
 無情な審判が下る。
「う、くそ…」
 擦り傷をあちこちにつくり、腹の傷を抑え、なんとか上半身を起こす佑也。
「佑也さん!!」
 そこに赫夜が駆け寄ってくる。
「赫夜さん…負けちゃったよ…ごめん、あんな大きなこと言っておきながら」
「いいの、いいの。さっきの言葉すごく嬉しかった…」
「ごめんね、呼び捨てにしちゃって」
「ううん、呼び捨てが嬉しい。…私も佑也さんが大好きなの。…誰がなんと言おうと、佑也さんが好きなの!」
 ぎゅっと赫夜は佑也を抱き締める。
 そして、佑也の前にすっと手が差し伸べられた。
 理だった。
「…勝負には勝ったけれど、結局、僕は君に負けたよ」
「え…?」
 きょとんとする佑也と赫夜。
「赫夜さん、あなたの如月君への想い、よく分かった。僕は君が想う人がどういう人なのか見極めたかった。僕の挑戦に立ち向かってくる男、僕と戦う気概がある男でないと、赫夜さんを任せるわけにはいかない。赫夜さんの想う男がシッポをまいて逃げ出すような男なら、その時は僕が赫夜さんを守ろうと決意していた。でも、最後は赫夜さんの想い、如月君の赫夜さんへの想いがよく分かった。僕は空気が良く読めないし、読むつもりもないけれど、赫夜さんのことが大好きだから、愛しているから、赫夜さんの気持ちを大事にしたい…なにより、赫夜さんにそんな格好までさせるのは、君くらいしかいないだろう?」
「そんな格好…?」
 冷静になって落ち着いた佑也は赫夜の格好をまじまじと見つめる。
 超ミニの巫女服に、猫耳。よく見ると駆け寄ってきた祥子やアリア、虹七までが巫女服に猫耳のコスプレをしていたのだ。ちなみに正悟は猫耳だけを付けている。(余談ではあるが、祥子がみなにコスプレを強制し、正悟にも着せようとしたがさすがに正悟はそれを逃げとおしたのだった)
「がっ…み、みこ…かみさば!」
 巫女服を着ている赫夜に抱き抱えられている自分の状況を把握した佑也は、何か意味不明の悲鳴をあげ、大量の鼻血を吹き出して、気を失った。
「きゃああ!! 佑也さん、しっかりして!」
「やったあ! 【如月佑也のラブ×2ゴッドフィンガー大作戦】大成功ね!」
「祥子さん、これって成功って言えるのかしら…」
 アリアが【天使の救急箱】を赫夜に渡す。
「さ、赫夜姫、これ貸してあげるから、貴方の騎士様の手当てを」
「ありがとう」
「理さん、試合、お疲れ様でした。今度私とも手合わせして下さいね」