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太古の昔に埋没した魔列車…環菜&アゾート 2

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第14章 Christmas Eve After3

「エース、誰か探しているのか?」
 淡く輝くイルミネーションを前に、ぼーっとしているエースの顔をメシエが覗き込む。
「いや、特には…」
 やっぱり来ていないか、と少し寂しそうに俯く。
「せっかく屋敷から出られるようになったんだし。一緒に遊びたかったなー」
 駅舎のショッピンは楽しいけど、やっぱり一緒がよかったなー…と、クマラは口を尖らせる。
「俺たちが造った駅舎を、見てもらおうかな」
 せめてこの輝きを届けようと、もみの木のイルミネーションに、エースが携帯のカメラを向ける。
「携帯持ってるなんて聞いたことないよ?持ってたらオイラ、メアドとか交換してるもんっ」
「そういえばそうだな…。画像だけ保存して、今度会ったら見せてあげよう」
「それがいいね!バレンタインデーの時みたいに遊べたらいいなー。今度はお人形じゃなくってね」
「2人しか分からない話かい?」
 いつの間にかエースとクマラだけで、メシエたちが知らないことを会話している。
 話に入りづらく、どうしたらよいものかと頬を掻く。
「ごめん、メシエ。たいくつだったか?」
「ここへ誘いたかった相手を思うことを、咎めるほど私の心は狭くないよ。写真もいいが、お土産でも買ってあげるのはどうかな」
「お土産かー…」
「相手は女の子ですか?」
「そうだけど?」
「寂しがり屋さんな魔女さんなんだよね♪」
「女の子なら石鹸などはどうでしょうか」
 可愛いものもあったからとエオリアがすすめる。
「オイラ、可愛いほうのマンドラゴラ石鹸がいいと思うっ。ねー、エース。買ってー!」
「石鹸か…いいかも」
 エースたちはアイドルグッツ&石鹸ショップに向かう。
「喜んでくれるといいな…」
 購入した石鹸をカバンの中へしまいこむ。
「これは各学校の雰囲気をイメージしたものかい?」
「チムチムさんが大学の校風をきいてきたから、たぶんそうなんじゃ?」
「大学のイメージがなぜ、パソコンなのだろう…」
「そんなことより、エース。お弁当買って!」
「待ち合わせの場所用なんだけど。他に客もいないから、そこで食べるか」
「わぁーーい!オイラ、列車の形をしたお弁当がいいっ」
「俺は弥十郎さんたちのSR弁当にしよう」
「エース、スキヤキ弁当もよろしく」
「あっ、俺もそれにします!」
「えっと…その4つちょうだい」
 試しに食べてみようと売店でまとめて購入する。
 ソファーに座ると、さっそく弁当箱を開く。
 クマラはオマケの玩具を手に子供らしくはしゃぎ、大人たち3人は作り手の魂を感じ取りつつ、しっかりと味わった。



 ライブステージに1番乗りしたラブだったが、観客がパートナーの3人しかおらず、不満げに眉を吊り上げた。
「なぁあによぉお皆!私のステージを見ずに、どこいっちゃったのよーっ」
「私たちはしっかり聞いているからな」
「とーぜんでしょ!?」
「外で食べる駅弁も美味しいですね」
 ライブに付き合わされ、不満でもあるのかと言われそうなので、鈿女は“だいぶ寒いですが…”という言葉を飲み込んだ。
「グァアァアアッ!(ステーキの山盛りとな?なんとも柔らかく美味っ)」
 ドラゴランダーの方はラブのライブをまったく聞かず、夢中で御馳走を頬張る。
「こーなったら、音量マックスで歌っちゃうんだからねっ」
 魔列車のほうまで響き渡るほど音量を上げ、歌い始めた。
「うぉおおお、耳がっ!!ラブ、もう少し、音量を…っ」
「(私の歌声を聴けない、かわいそーな人たちのために。全力で歌っちゃうんだから!!)」
 コアの注意すら聞かず、停止不能となったラブが、構わず歌い続ける。