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リアクション
「権兵衛さんたち! 準備ができましたよー!」
と、かなり本格的に用意されたビーチバレーのコートからノア・セイブレムがぶんぶんと手を振って叫ぶ。
そして権兵衛を迎えにきたリリア・オーランソートが、微笑みながら権兵衛に手を差し伸べる。
「男たちが色々準備をしてくれましたから、後は楽しく遊びましょ」
「はっ、はい。喜んで!」
権兵衛はそういって、思わず手を伸ばす。
だが人に触ることができない権兵衛の手は、スカっとリリアの手を通り抜けた。
「ありゃっ、綺麗な方に誘われて人に触れられないを忘れてしまいました」
「あら、権兵衛さん。嬉しいこといってくれるわね」
ニコリと笑うリリアの側に、ルカルカ・ルーやセレンフィリティ・シャーレット、レキ・フォートアウフがやってくる。
「ほらほら、権兵衛! そんなところに座ってないで早く一緒に遊ぼう!」
ルカルカはそういって、権兵衛を積極的に誘う。
それに続いてレキも声をかけた。
「そうだよ、ビーチバレーでハッスルだよ!」
「びっ、びーちばれー?」
権兵衛は聞きなれない言葉を聞いて、顔を歪める。
それを見て、セレンがいった。
「権兵衛さんはやっぱりルールとか知らないよね? でも、大丈夫よ。あたしがちゃーんと教えてあげるわ」
「そうですか。それはかたじけない」
権兵衛は居住まい正して、深々とお辞儀をする。
「それじゃあ、一緒に行きましょう」
リリアに再びうながされ、権兵衛は立ち上がる。
そして女性たちに囲まれて、彼はコートへと向かった。
「ところで権兵衛さん、この突き刺さってる矢って抜けないの?」
「あ、それはボクも思ってたんだ。それと運動するなら、鎧も脱いだ方がいいと思うよー」
セレンとレキはそういって、権兵衛に触ろうとする。
だがふたりの手は権兵衛の体を通り抜けてしまった。
「あっ、すいません。私には触れられないみたいなんですよね」
「それって、ホント? それじゃあ、ビーチバレーできないわよ!?」
セレンは目を丸くしてそういった。
すると権兵衛は申し訳なさそうに頭をかく。
「はあ、そうなんですか? 物なら浮かせたり、飛ばしたりできるんですけどねぇ」
「そうなんだ。うーん、じゃあまあ、出来る……かな?」
セレンはそういって首をかしげる。
そうこうしているうちに、権兵衛たちはビーチバレーのコートに到着した。
そしてバレーで遊ぶ契約者たちは、ふたつのチームに分かれる。
ひとつは、セレンフィリティ・シャーレット、レキ・フォートアウフ、ノア・セイブレム、ミストラル・アリエティ、瀬山裕輝、七市権兵衛の6人で構成される権兵衛をリーダーにしたチーム”JYOUBUTU”。
もうひとつは、ルカルカ・ルー、エース・ラグランツ、リリア・オーランソート、セレアナ・ミアキス、リキュカリア・ルノ、ンガイ・ウッドの6人で構成されるもっくんをリーダーにしたチーム”やもり”。
彼らはお互いのコートに別れると、それぞれ作戦会議をはじめた。
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