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夏フェスに行こう!

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夏フェスに行こう!

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終章


「『盆カレー』、完売だよ!」
 殻の寸胴を掲げ、ご機嫌のネージュ。
「我輩は、もう、疲れたのじゃ……」
「お師匠様、大丈夫ですか?」
 輪投げバトル屋として繁盛し、戦い抜いたアガレスを気遣うリース。
「たくさん売れてよかったよね」
「BON−DANCEの参加賞として限定カラー版も用意したのが効いたわね」
 佳奈子とエレノアの企画も、無事公式グッズ化。好評を得ることに成功。
「これって縁結びにご利益があるんだね……これで雅羅さんともっと近づけるかな?」
「これで鈴蘭ちゃんと……」
 それを手に、舞い上がる夢悠と沙霧の二人がいた。


 今回の夏フェス。
「よかった! 目標金額まで達したわ!」
 無事収益が上がり、借金を返すことになった美夜。
「お嬢さん、用意していただけましたか?」
「これよ、持って行きなさい」
「ありがとうございます。ひい、ふう、みい……おや?」
「どうしたの?」
「これはいけないですね。利子の分が足りないですよ」
「利子!?」
「ウチも商売なんで。利益の無い貸しはしないですよ」
「そんな話、聞いてないわよ!」
 ごねる借金取りに声を荒らげる美夜に、
「大丈夫、ルカたちに任せて」
 助け舟が現れた。
「ダリル、お願いね」
「わかった」
 呼ばれたダリルは今までの経緯を確認する。
「お前たちは、美夜がバイトするはずだった夏フェスの実行委員会に金を貸した」
「そうだ」
「借用者不在のため、美夜に返済を求めた」
「そうだ」
「返金した金額は利子分が足りない」
「そうだ。一体、何が言いたい?」
 痺れを切らし始めた借金取り。
「利子と言うが、その利率がおかしい。この上乗せは違法であるといえる」
 要求された金額を瞬時に計算し、その利率を計ったダリル。出てきた結果は非合法。
「契約書にはちゃんと利率が書いてある。読まなかったそっちが悪い」
 借金取りも反論。
 だが、そんなことは瑣末で、もっと大元に間違いがあった。
「何よりも、美夜に返済の義務は無い」
「美夜はただのアルバイトよね。そんな彼女に返済を求めるのはおかしな話だもん」
「もし、無理矢理返済を迫ったとなれば、更に恐喝として返済義務は無くなる」
「うぐ……」
「もうわかっただろ? 警察に突き出されたくないなら、本当の主催者へ取り立てに行くことだ」
「く、くそっ!」
 捨て台詞をはき捨て、去っていく借金取り。その背中に、
「今度同じことをしたらどうなるか、わかってるよね?」
 取り出した槍を構え威嚇。
「た、助かった……」
 緊張の糸が切れたのか、その場にへたり込む美夜。
「これでもう大丈夫だよね」
「ああ。もし何かあったら俺たちに連絡をしてくれるといい」
「ありがとう!」
 手を握り感謝を述べる美夜。
 こうして、すべての難題は幕を閉じた。


「ってことで収まったよー」
『まったく……変なことに巻き込まれるんだから』
「それは雅羅も同じでしょ?」
『……まあ、ね』
「でも、協力してくれてホントにありがとう! 今度はもっと楽しいことに誘うね!」
『そうなることを願ってるわ』
 携帯電話を切り、ポケットから一枚の写真を取り出す。
 それは英輝とマナが撮ってくれた集合写真。
 左端には元モヒカン。
 右端にはBON−DANCE参加者。
 中央にはこの夏フェスを取り纏めた、笑顔の自分の姿。
「色々大変な目にあったけど……」
 そっと瞳を閉じる美夜。
「夏フェス、楽しかったな!」
 今年の夏の思い出は、色あせることなく残るだろう。

 めでたしめでたし。

担当マスターより

▼担当マスター

寒月堂

▼マスターコメント

はじめましての方、そうでない方、突然ですがこんにちわ。
代筆として、ゲームマスターのAiryがシナリオ『夏フェスへ行こう!』をお届けします。

というわけで、夏フェスもとい、盆踊り大会を書かせて頂きました。
いかがだったでしょう?

物語が色んなところへ飛ぶスピーディーな展開で、多少読みづらくなってしまいました。
本当にごめんなさい。
それでも笑ってくれたり、楽しんでくれたりしていただけると幸いです。

この夏の思い出、皆さんは何か作れましたか?

簡単なコメントとなってしまいましたがこのへんで。
ご愛読、ありがとう御座いました!