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いい湯だな♪

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いい湯だな♪

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「てめえら……。てめえらは、いったいここで何をしているんでえ!」
 黄色い桶をいくつか積みあげて洗い場に危なっかしい演台を作りあげると、南 鮪(みなみ・まぐろ)が声を張りあげて大浴場にいるすべての者たちに語りかけました。
 P級四天王パンティー番長としては、ちゃんと頭のモヒカンに空飛ぶパンティーを被っています。魔法生物と化したパンティーは、南鮪の言葉に反応して、パタパタと動きます。ちょっと不気味です。ただし、たいていのPモヒカン族とは違って、南鮪はちゃんと不死鳥ブリーフを穿いています。きっちりと勝負パンツです。
 Pモヒカン族は、パンツ愛が高じて中身にはまったく興味を持っていませんが、南鮪はその先に行って、クルンと戻ってきて、中身もまた大切だぜヒャッハーの境地に達しています。人呼んで、パンツ愛の電動者、いえ、伝道者です。
「てめえら、俺はパンツが好きだ。
 パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ。パンツが好きだ……。
 俺はパンツが大好きだぁ!
 パンツ道とは、パンツと見つけたり。
 白いブリーフが好きだ。
 黒いボクサーパンツが好きだ。
 縞々のトランクスが好きだ。
 ぴちぴちのビキニパンツが好きだ。
 ピンクのパンティーが好きだ。
 クマちゃんの柄がついたもこもこパンツが好きだ。
 スケスケの黒いレースのパンティーが好きだ。
 紐パンが好きだ。
 縞パンが好きだ。
 Tバックが好きだ。
 褌が好きだ。
 腰巻きが好きだ。
 ハイレグショーツが好きだ。
 ローレグショーツが好きだ。
 ドロワーズが好きだ。
 ズロースも好きだ。
 そして、パンツの中身も等しくパンツであり、パンツと同じく愛すべき存在である。
 スカートの下で。
 ズボンの下で。
 もんぺの下で。
 サロペットの下で。
 晴れ着の下で。
 鎧の下で。
 この地上のありとあらゆる着物の下にあるパンツが好きだ。
 パンツとは、どのようなパンツでもパンツである。
 だが、しかし、いわゆるズボンの類もパンツと呼称され、混同されることがある。
 ならばパンティーと呼ぼう。そうしよう。
 パンティーとはパンツの悟りの先にある世界である
 翻るスカートからのぞくパンティーが好きだ。
 突風によって、パンティーが顕わになったときなど心が躍る。
 勝負パンティーを見せつけられるのが好きだ。
 見えたのではなく見たと感じたときは、胸がすくような気持ちだった
 パンティーの圧倒的な破壊力が好きだ。
 パンティーを間近に見た若者が鼻血を噴いて倒れるのには感動すら覚える。
 逃げ惑う若者にほれほれとパンティーを見せつけるときなどたまらない。
 先回りして、パンティーを見せるのは最高だ。
 哀れな子羊が立ちすくむところに、パンティーを被せたときなどは絶好調である。
 穿き古されたパンティーが捨てられるのが好きだ。
 淋しげにゴミ箱にあるパンティーはとてもとても悲しいものだ。
 手に持ったパンティーを見つめるのが好きだ。
 穿いてないから恥ずかしくないもんとか言う者と相対するのは屈辱の極みだ。
 てめえら、俺はパンティーを求めている。
 パンティーを愛するPモヒカン族よ、てめえらは何を求める?
 さらなるパンティーを求めるか?
 情け容赦なく、パンティーハットを被せることを望むか?
 上も、下も被い尽くす、すばらしいパンティーを求めるか?」
「パンツ! パンツ!」
「パンティー! パンティー!」
「さすがは、パンツ四天王、パンティー番長様だぜ」
 南鮪の言葉に、洗い場に集まってきたPモヒカン族たちが一斉に盛りあがります。
「よろしい、ならばパンティーだ。
 俺たちは、人々に愛を与えるパンティーだ。
 だが、ただのパンティーではもはや足りない。
 パンティーを集めよ。
 そしてパンティーを与えよ。
 古きパンティーを新しきパンティーに。
 痛んだパンティーを新しきパンティーに。
 1のパンティーを奪えば2のパンティーを返せ。
 行け、野郎ども、すべての者にパンティーを被せるのだ!」
「おおーっ!!」
 南鮪の演説に、それを聴いていたPモヒカン族たちが最高潮に盛りあがりました。
「はい、そこまでよ」
 調子に乗って歓声に応える南鮪が載っていた桶を、後ろから忍びよった天城紗理華が蹴飛ばしました。
「うおおお!?」
 バランスを崩した南鮪が、あっけなく後ろへ倒れます。
 ごずん!!
 なんか、もの凄い音がしました。
 パンティーを被った頭を強打した南鮪が、あっけなく気絶します。危ないところでした。パンティーを被っていなければ、即死していたところです。
「連行しなさい。それから、そこら辺にいるPモヒカン族も全員しょっ引くわよ!」
 天城紗理華が、風紀委員たちに南鮪を運ぶように命令しました。それを聞いて、Pモヒカン族たちが、きゃーっと蜘蛛の子を散らすように逃げていきます。
「パンティー番長様、あなたの意志は俺たちが確かに継ぎましたぜ。安らかに。ヒャッハー!」