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リアクション
プロローグ
「それじゃミナホ。あたしらはあたしらで生徒集めしてくるから、あんたも自分なりに頑張るれよ」
熾月 瑛菜(しづき・えいな)はそう言ってミナホ・リリィ(みなほ・りりぃ)の部屋から出る。
「…………はぁ」
そして、部屋からある程度離れたところで大きなため息を付いた。
「瑛菜おねーちゃん、どうしたの?」
そんなパートナーの様子にアテナ・リネア(あてな・りねあ)は心配そうに聞く。
「あの子、また幼くなってるね」
「ああ……うん。この間村で一番年をとってた人がなくなったらしいよ」
「……そっか」
ミナホ・リリィは『恵みの儀式』と呼ばれるシステムの要の一人だ。その呪いとも言える枷により死んだものの記憶を失ってしまう。
「恵みの儀式は続く限りあの子は大なり小なり記憶を失うんだろうね」
「うん……きっと、アテナたちが知らないだけで今までもそうで……」
最初から歳の割に幼いイメージを持っていた。それだけが理由ではないだろうが、大きな原因であることを瑛菜もアテナも分かっていた。
「やっぱり……『恵みの儀式』を終わらせるしかないのかね」
「そうですね。この村にはきっともう『恵みの儀式』は必要ありません」
瑛菜のつぶやき。それを拾ったのはアテナではなく藤崎 穂波(ふじさき・ほなみ)。この村に住む少女だ。
「だから……終わらせますよ。私がきっと。この村とミナホお姉さんのために」
そう強く言う穂波は言葉とは裏腹に寂しそうな表情だった。
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