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女王危篤──シャンバラの決断

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女王危篤──シャンバラの決断
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アディーン

 剣の花嫁アディーンの元を、彼と同じ遺跡に封印されていた兄弟のような存在であるリュミエール・ミエル(りゅみえーる・みえる)が訪ねた。
「アディーン、一緒に来て欲しい」
「ん?」
 いつになく神妙な様子のリュミエールを、アディーンはいぶかしむ。リュミエールは言う。
「陛下に、お預かりしていた物をお返しに行こう? 無理ならせめて……」
「なにそれは大変だよし行こう!」
「…………」
 言葉の途中で予想を超えた快諾をされたリュミエールが固まっているうちに、アディーンはパートナーの梶原 大河に電話を始める。
「お前が持ってる羽扇を渡してくれ。何って、持ち主に返しに行くんだよ。あれは女王陛下の愛用品だぜ?」
「アディーン……」
 リュミエールが微妙な笑みを浮かべるが、彼は気にしない。
「さあ、大河から羽扇を受け取って、帝国で待ってる捕らわれのお姫さんの所に急ごうぜ」
「間違っても陛下をナンパしないでくれよ」
 アディーンは、きれいな女性にめっぽう弱い。リュミエールの注意に、彼は爽やかに返す。
「そんな事しなくても、アムリアナ様なら俺たちに大きなを注いでくださるさ」
 リュミエールは一抹の不安を抱きつつ、パートナーのエメ・シェンノート(えめ・しぇんのーと)に、女王へのメッセージにナマモノが一人加わった、と連絡した。