空京大学

リアクション

17.エピローグ

　□御神楽舞花の日記
　
　３月×日（快晴）
　
　本日、念願の夜露死苦荘に到着。
　キマクへおける拠点として、まず体験宿泊開始。
　管理人について、下宿の一日見学を行う。
　
　×　×　×
　
　主な事件について：【出張メイド】襲来の件
　
　【出張メイド】達が所属する荒野のメイド喫茶「唯我独尊」は、当下宿の卒業生たちが運営する店だ。
　その性質と日程から考察するのであれば、「派手な卒業記念パーティー」のイベントと考えるのが妥当。
　結局は下宿生達の為になっていることから、「後輩たちへの愛の鞭」だったともいえる。
　
　×　×　×
　
　本日の総括：
　
　上記事件により、結果は以下の通りとなった。
　
　・マレーナはレッサードラゴンの料理担当に就任。
　　ナガン、ガイウス、邦彦、レンカ、ミケをはじめとする下宿生達のお陰で、幸せになりつつある様子。
　・後田キヨシの女性恐怖症は克服。
　　ただしロリコン趣味に走ったこと。
　・出張メイド達の活躍で、受験生達の学力は向上。
　・唯我独尊の新規オーナーが３名誕生。
　・レッサードラゴン向けに、ティラノサウルスの専属メイド誕生。
　・新規講座が続々と開講。
　・【シャンバラ維新軍】の追っかけ組、結成。
　・モヒカン桜は「世界樹」にはならない。
　　（光る犬は何かを知っている様子）
　　
　・建物の増改築、もしくは強化。以下は主な内訳。
　　・共同浴場
　　・夜露死苦機械犬（仮）
　　・バラック村
　　
　・新たに下宿生に加わった団体。以下は主な内訳。
　　・元恐竜騎士団、およびその恐竜
　　・元鏖殺寺院メンバー
　　（ドワーフ達は部屋のみ所有後、帰宅）
　　
　・メイド達による【みんなの妹】宣伝作戦は雨宮七日の活躍により、成功。以下は、最終評価。
　　評価：【みんなの妹のメイドさん達は、鬼ヨメ！】
　・桜葉忍と織田信長（略称“女・信長”）は天守閣の占拠に失敗も、
　　度胸の良さからオーナー・信長の関心をかったこと。
　
　未解決の件。
　・マレーナ・サエフの新パートナー。
　・後田キヨシの借金。
　・受験生達の空大合格（とりわけ、志方綾乃は要注意！）。
　・再教育生達の進級。
　・共同浴場の一般開放（有料）。
　
　備考：
　
　信長のカリスマ性や管理人たるマレーナには、実に学ぶべき点が多い。
　また同派閥の一端と思しき【唯我独尊のオーナー】達においては、受験生達への喚起と周辺地域の活性化という点で、今後も動きがあることと推察。

　この、内部だけでなく外部からも支援して行くシステムが構築されつつあることが夜露死苦荘の強みであり、御神楽家の事業にも活かすべき、と思われる。
　
　以上。
　
　■
　
「……と、こんなものでしょうか？」
　舞花は筆記用具をおいた。
　パタンと、日記を閉じる。
　
　ノック音。
　
「舞花お姉ちゃん……」
「あら、レンカ様。
　おひとりなのでしょうか？」
　うん、とレンカは頷いた。
　トイレにでも行ったのか？　マレーナとはぐれてしまったらしい。
「そうですね……管理人室へお送りしましょう！
　お手を」
　舞花はスッと差し出した小さな手を取る。
「それでは、まいりましょう！
　私の、小さなお友達」
　
　夜の中、２人は足取りも軽く管理人室へ向かうのであった。
　
　マレーナの下へ――。
　

　完