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リアクション
第3章 買い物の帰りに
「買い忘れないかしら」
白波 理沙(しらなみ・りさ)は、道路脇で荷物を下ろして、ポケットの中から紙を取り出す。
クリスマスパーティに使う料理の材料や、装飾品をメモしてきたのだ。
「あると思うわ。私が一緒だし」
軽く自嘲気味に言ったのは雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)だ。
スーパーで棚の上から商品が落ちてきたり、購入した装飾品が不良品だったり。
小さな災難に雅羅は今日も襲われていた。
「足りないものがあったら、何かで補えばいいだけよ。近くのコンビニにダッシュしてもいいしね」
明るく言って理沙が笑顔を見せると、雅羅も淡い笑みを見せて、こくりと頷いた。
購入した食材や装飾品を持って、2人はツァンダの街を歩き、部屋へと向っていく。
パートナーや友人達と、これからクリスマスパーティを行うのだ。
「……あ、頭だけ見えてるあれ」
ふと、理沙は大きな星に気付いた。
「クリスマスツリーかしら?」
よく見ようと雅羅は道路へと足を踏み出した。
途端。
「危ない!」
飛び出してきたバイクと接触しそうになった雅羅を、理沙は後ろから抱きしめて守る。
「うわっ……あ、ありがと」
雅羅は苦笑してお礼を言い、一緒に道路の状態に注意しながら、星が飾られている物――大きなクリスマスツリーが見える位置へと、歩いた。
「こんなところにツリーが飾られてたのねー。凄く綺麗……!」
「ホント」
そのツリーは、二階建ての家くらいの高さのある立派なツリーだった。
沢山の装飾品と、イルミネーションで飾られていて、とても綺麗だった。
「折角早めに出てきて余裕があるんだし、ちょっと見ていきましょうよ♪」
「そうね」
ツリーは公園に飾られていた。
2人は少し回り道になるけれど、その公園の中を通って行くことにした。
「パーティも勿論楽しみだけどこうやってクリスマスムードの街を歩くのも結構わくわくしちゃうのよねぇ」
理沙がそう言うと、雅羅はくすりと笑った。
「あ、子供っぽいかしら? こう華やかに飾られてるからなんかテンション上がっちゃうのよね」
「そんなことないわ。私もなんだか楽しくなる」
賑やかに飾られたツリーを近くでじっと眺めた後。
「うん、今日の災難のことなんて、もう忘れたわ。パーティ楽しみね」
雅羅は理沙に笑みを見せた。
「うん、楽しいパーティにしようね。準備頑張っちゃうわ♪」
「このクリスマスツリーに負けないくらい、楽しくなるような飾り付けをしましょう」
理沙と雅羅は頷き合うと、沢山の食材と装飾品が入った袋を持ち直して、部屋へと急ぐことにした。
そして、部屋を賑やかに綺麗に飾り付けて、皆を驚かせたのだった。
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