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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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3)

ニルヴァーナ創世学園の「隔離研究施設」へと、
セリティア クリューネル(せりてぃあ・くりゅーねる)は、
空京 たいむちゃん(くうきょう・たいむちゃん)こと、
ラクシュミ・ディーヴァを案内していた。

ここならば、他に人が来ないために、ゆっくりと2人きりで話ができる、というのもあったが。
セリティアには、別の目的もあった。

「ねえ、セリティアちゃん。その、手に持ってる怪しそうなお薬は何……?」
「案ずるな。わしが開発した薬じゃ」
「えっと、だから、なんのお薬?」
「そうじゃのう、たしか、『一時的に身体が小さくなる薬』じゃったかな。
それとも『惚れ薬』じゃったか」
「ええー!?」
「ラクシュミよ、せっかくじゃし、ちょっと実験台になってくれんかのう」
「ちょ、待って!? きゃあああああああああああああああああああああ!?」
「あ、こら待て、逃げるな」
ラクシュミを追って、セリティアが、研究施設の部屋の中を追い回す。

やがて追いかけっこは、両者の体力が尽きて引き分けとなった。

「ぜえぜえ……。もう、ひどいよ、セリティアちゃん」
「すまんすまん。つい、知的好奇心に負けてしまっての」
「知的好奇心って……。友達を実験台にしちゃダメだよ!」
「だからすまんって。そうじゃ、これをお詫びにやろう」
セリティアが、チョコレートの包みを取り出した。
「……これは普通のチョコだよね」
「そう警戒するでない。もちろん、普通のチョコじゃ。本当じゃよ」
「……ほんとに?」
「ああ、ほんとじゃとも。それと、この手紙、後で読んでくれ」
セリティアが、手紙を添えて、バレンタインチョコを、ラクシュミに手渡す。
その表情は、ひょうひょうとしてはいるが、
どこか真面目なものであった。
「うん、じゃあ、ありがたくいただくね。
どうもありがとう!」
ラクシュミは、明るい笑顔を、セリティアに向けた。

その後は、2人でゆっくりとお茶をして、
のんびりとバレンタインを過ごしたのだった。