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【4周年SP】初夏の一日

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【4周年SP】初夏の一日

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20.海京のビーチ

藤林 エリス(ふじばやし・えりす)
アスカ・ランチェスター(あすか・らんちぇすたー)は、
アイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)を誘って、
海京のビーチへとやってきた。

「アイリ、寿子の夏イベントの原稿の手伝い終わったんでしょ?
おつかれさま!
せっかくだから、パーッと騒ぎましょう!」
「そうね、ここのところ、家にこもりっきりだったから、
いい気分転換になりそうだわ」
「よかったね、今日、すっごくいいお天気で!」
エリスとアイリが笑顔を交わし、
アスカが、少し前の方から手を振る。

3人は、水着姿で、
海に向かって走っていった。

天御柱学院の指定水着が、
3人の少女のまぶしい身体を引き立てる。
「ほらほら、行くわよ、アイリ!」
「きゃっ、冷たっ」
「あはは! アスカちゃんも負けないよー!」
エリスとアイリ、アスカの3人は、波打ち際で、水を掛け合って遊ぶ。

普段は、落ち着いた性格のアイリだが、
エリスやアスカに引きずられて、
今日は、珍しくはしゃいでいるようだった。

「アイリ、お腹すかない?
海と言えば、海の家よね!」
「焼きとうもろこしと焼きそば買ってきたよ!」
「ありがとう。こういうところで食べると、楽しいしおいしいわよね」
エリスとアスカに、アイリは笑顔でうなずく。
3人で、仲良く食事した後は、
少し休憩してから、また、海で遊ぶことにする。

泳ぎ着かれたアイリは、
ビーチパラソルの下で横になって、寝息をたてはじめていた。
「寿子の原稿の手伝いで寝不足だったんだものね……」
エリスは、その様子に、少しドキドキしながら、
そっと、アイリを膝枕した。
「今日ばっかりは戦士の休息よ。
おやすみ、アイリ」
エリスは、優しいまなざしで、アイリを見つめる。

「かき氷買って来たよ……あっ」
アスカは、2人の様子を見て、気を利かせ、そっと離れることにした。

ビーチの喧騒。
潮騒の音。
照りつける日差し。

「ねえ、アイリ。
あんたが望んでる世界って、きっと、こうなのよね。
こういうふうに、皆が笑ってる世界。
いつか必ず、実現するといいわね」
エリスは、アイリに、そっとつぶやいた。
アイリは、穏やかな表情のまま、
ゆったりと眠っていた。
優しい風が、エリスとアイリの頬を撫でていく。

近所の海でのなんでもないひととき。
そのすべてが、とても楽しくて。
初夏の、大切な思い出になったのだった。