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【4周年SP】初夏の一日

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【4周年SP】初夏の一日

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24.海辺のドライブ

パラミタ内海までの道。
九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)の運転する、
ローライダーに乗り、
ローズと長曽禰 広明(ながそね・ひろあき)は、
ドライブを楽しんでいた。

(ロマンティックなデートにしたいなっていろいろ考えてたら、
眠れなくなってしまいました……。
運転中に寝ないようにしないと)
ローズは、コーヒーを飲んだり、ガムをかんだりして、眠気覚まししている。

「大丈夫か?
運転、代わってやろうか?」
「いえ、大丈夫です。
運転は好きですし、得意なので」
「そうか。
オレも、けっこう、車は好きでな」
「本当ですか?」
「ああ、メカ系全般な。
けっこう凝った改造してあるみたいだが……」
「はい、そうなんです。
このローライダーは……」
ローズは、長曽禰に解説する。

楽しく会話しているうちに、
ローズの眠気は、いつのまにかどこかに行ってしまっていた。

「広明さんのおかげで、安全運転ができました。
ありがとうございました」
「別に、礼を言われることじゃないって。
オレも楽しかったからな」
ローズに、長曽禰も笑顔で答える。

パラミタ内海近くの、公園は、
ローズと長曽禰の2人しかいなかった。

ベンチに座り、最初のうちは世間話をするローズだったが。
意を決して、普段とは少し違うことをやってみることにする。

「あーちょっと目眩が」
棒読みで言って、ローズは、長曽禰の肩にもたれかかる。

「ん、どうした?」
長曽禰の声がすぐ近くでする。

ローズは、長曽禰の肩や腕の筋肉を感じて、思う。
(やっぱり男の人なんだ……)
そして、改めてドキドキする。

「ええと、その。
実は、今日のデートが楽しみすぎて、
昨日、眠れなかったんです」
「なんだ、そうだったのか」
正直に言ったローズに、長曽禰は優しい笑みを返した。
「せっかくですから、
一緒に昼寝、しませんか?」
「なんだ、しょうがないな」
長曽禰は笑みを浮かべたまま、ローズの髪をくしゃくしゃっとなでた。

「おまえさえよければそのままでもいいぞ」
長曽禰の言葉に、ローズは驚いて言う。
「えっ、本当ですか? 重くないですか?」
「おまえひとりくらい重いわけないだろ」
(技術屋さんの腕の血流を悪くするわけにいかないって思ってたんですけど……)
ローズは、そんなふうに思っていたのだが、
長曽禰の腕は、想像以上にたくましかった。

「じゃあ、お言葉に甘えて、
このまま、寝てもいいですか?」
「ああ、もちろんだ」
ローズを支えたまま、長曽禰がうなずく。

(広明さん……なんだか、鼓動が聞こえるみたい)
ローズは、内心、赤面しながらも、
幸せをかみしめていた。

そのまま、2人は、潮風に吹かれ、心地よい時間を過ごすのだった。