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ゴチメイ隊が行く5 ストライカー・ブレーカー

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ゴチメイ隊が行く5 ストライカー・ブレーカー

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「行き止まり?」
 中を進んでいったカレン・クレスティアが、閉まっている隔壁を調べて言った。
「防火壁のようですね。なんとかしてみましょう」
 神和綺人が、操作パネルのような物を見つけて調べた。
「開けますよ」
 神和綺人が言った。少し調べただけで、簡単に解除できたようだ。
「何が出るかな……!」
 レールガンを構えたまま隔壁があがるのを見ていたジュレール・リーヴェンディが、壁のむこうにメイドロボやメカ小ババ様が群れをなして集まっているのを見て、即座にトリガーを引いた。神和瀬織も、間髪入れずにブリザードを放つ。
「行きます!」
 クリス・ローゼンが、バーストダッシュで突っ込んでいった。その勢いのままにクレセントアックスを一閃させて、数体のメイドロボを一刀両断にする。
「この先に何かがあるようですね」
「司令室か何かだといいんだよね」
 サンダーブラストと凍てつく炎で敵を倒していきながら、神和瀬織とクリス・ローゼンが言葉を交わした。
 
    ★    ★    ★
 
「さてと、お宝はと……」
 中に入った国頭武尊が、トレジャーセンスでお宝を探す。このへん、島が動きだしたことに気づいてなんとかしようと制御室を目指した者たちとは価値観が違うので、カレン・クレスティアたちが進んだ方向とはまったく別の方向を感じとっていた。
「ロボットの類はいないようだが……」
 盗掘者よろしく、慎重に周囲の様子をうかがいながら、大胆に国頭武尊は進んでいった。
「魔導球か」
 女王の加護で危険を感じた国頭武尊が、そっと通路の曲がり角から先の様子をうかがった。何か大きめの倉庫があるようで、魔導球が三つ、扉の前をガードしている。
「絶対、宝物庫だぜ」
 お宝を確信すると、国頭武尊が大型拳銃型の光条兵器を取り出して、一気に曲がり角から飛び出した。即座に反応する魔導球の一つをサイコキネシスで押し飛ばし、背後の扉に激突させて粉砕する。間髪を入れず、迫ってくる魔導球を光弾で狙撃した。だが、残る一つの魔導球が雷撃を放って国頭武尊の身体を貫いた。そのとたん、国頭武尊の身体が奇妙に曲がって崩れ、モニタの電源を落としたかのように空蝉が消え去った。
「引っかかったな」
 曲がり角のむこうから、光弾がカーブして飛来し、魔導球を破壊した。
「さて、お宝、お宝♪」
 してやったりと、国頭武尊が魔導球が爆発してひしゃげた扉を押し開く。
「なんだ、こりゃ。駐車場か?」
 薄暗がりに、マイクロバス程度の大きさの飛空艇を見て、国頭武尊がつぶやいた。何ともレトロなボンネットバスのようなデザインの飛空艇だ。
「うーん、お宝としては微妙な。動くんだろうなあ」
 国頭武尊は、飛空艇を調べ始めた。
 
    ★    ★    ★
 
「露払いは順調のようね」
 神和綺人たちが敵を排除してくれた後をゆっくりとたどりながら、メニエス・レインたちは悠々と進んでいった。
「ですが、これでは、他の人たちに後れをとってしまうのでは?」
 それはまずいのではないだろうかと、雨宮七日が心配した。浮遊島と空京の衝突の回避を最大の目標としている日比谷皐月と翌桧卯月はそれでもいいだろうが、できればこの島その者を手に入れたい者たちにとっては、後手に回るのはあまりよろしくない。
「先陣は、しょせん捨て駒よ。ボスキャラは、血気盛んな者に任せて、あたしたちは確実に島その物をいただくのが賢い選択だわね」
 臆面も無くメニエス・レインが言った。
「そう簡単には、事を運ばせてはくれないようだなあ。じゃ、いっちょうやりますか」(V)
 日比谷皐月が、幻槍モノケロスを構えて振り返った。
 背後から、メイドロボたちがぞろぞろとやってくる。どうやら、神和綺人たちを挟み撃ちにしようと背後に回り込んだ増援部隊のようだ。日比谷皐月たちが神和綺人たちの後を追う位置にいたので、先に接触してしまったらしい。
「お下がりを、メニエス様」
 ミストラル・フォーセットが、アルティマ・トゥーレで、先頭のメイドロボを氷結させる。
「ひとまず、敵をなんとかしないといけませんね」
 雨宮七日が、魔道銃でメカ小ババ様を撃っていった。
 槍でティザーガンのワイヤーを絡めとって防いだ日比谷皐月が、オートバリアでメカ小ババ様の電撃を跳ね返しながら、そのまま敵を突き砕く。
「面倒だわ。死になさい」(V)
 メニエス・レインが、サンダーブラストを放つ。狭い通路に密集して身動きがとりにくい分、多くのロボットがもろに電撃をくらって半壊した。まだ動く物を、ミストラル・フォーセットと雨宮七日が止めを刺していく。
「後は任せたわよ。あたしたちは先に進みましょう」
 メニエス・レインが、日比谷皐月をうながした。