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八森博士とダンゴムシの見た夢

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八森博士とダンゴムシの見た夢

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8.後日談

 マーゼンから取り返した卵からは、三匹のダンゴムシが孵化した。
 しばらくは様子を見ていた八森博士だったが、突然変異のおかげで元よりも身体が丈夫になっているようだった。

「これなら、何も知らない子でも飼えるんじゃないかな」
 と、八森博士は籠から一匹の子ダンゴムシを取り出す。
「わーい! 本当にもらっていいの?」
 そう言って白舞は、まだ殻の色が白く半透明なダンゴムシを受け取る。
「どこまで育つかは分からないけどね」
 無邪気にダンゴムシと触れ合う舞を見て、八森博士は微笑んだ。

「兵器化には反対だけど、一応世話になったから」
 と、八森博士はマーゼンへ取りだした子ダンゴムシを手渡す。
「いいんですか?」
「うん。僕の研究所もまだ壊れたままだし、環境はこっちの方がいいからね」
 マーゼンはダンゴムシを受け取り、もぞもぞとせわしなく動いている足を見た。
「……ありがとうございます」

「というわけで、面倒見てもらえるかな?」
 と、八森博士は子ダンゴムシを差し出す。
「何であたしたちなんだよ?」
 魅世瑠が聞き返すと、八森博士は困ったように答えた。
「君たちに渡すのが一番自然かな、って」
「ムシさんだぁ!」
 と、ラズが八森博士から受け取ったダンゴムシと戯れ始める。
「自然って……」
 フローレンスは魅世瑠と目を合わせ、しょうがないかという顔をする。
「そんなに時間はかからないと思うから、どうか頼むよ」
 と、八森博士が手を合わせる。
「分かった。ただし、なるべく早く片付けろよな」
 魅世瑠がそう言って笑う。
「ラズ、食べちゃ駄目だからな」
「はーい」

 こうして、一連のダンゴムシ騒動は終わりを迎えた。
 八森博士は今回のことを反省し、パラミタサルヴィンダンゴムシの研究はやめることにした。研究所の復旧もしなければならないし、街への被害についての責任も負わねばならない。金で解決するにしても、一日や二日では終わらないだろう。
 そうして彼が忙しく日々を送る中、シャンバラ地方の各地では巨大ダンゴムシの姿が目撃されたとか、されなかったとか……。

担当マスターより

▼担当マスター

瀬海緒つなぐ

▼マスターコメント

ダンゴムシ退治、お疲れ様でした。
今回は『キャラクター一人につき最低でも三回セリフを言わせる』という試練を個人的に課していたのですが、そのおかげでセリフの多いリアクションとなりました。
それと色ごとにテーマも決めながらの執筆でした。

シアン「ドタバタバトル」
マゼンタ「恋とか情とか」
イエロー「感動風味コメディ」

です。やっぱりシアンに人が多く集まったので、ドタバタにならざるを得ませんでした。
マゼンタはもう……自分の趣味に走ったといっても間違いではありません。ごめんなさい。
イエローに関しては、人数が少なかったので書きやすかったです。

ちなみに子ダンゴムシについてですが、あまり長くは生きられないと思われます。
もし他のシナリオに連れて行く際は扱いにお気を付けください。
(そんな奇特な方はいないと思われますが……一応)

というわけで、ありがとうございました。
ブログ「マイノリティア」にて、後書きや次回予告などを呟いてます。