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【学校紹介】イルミンスール大歓迎会!

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【学校紹介】イルミンスール大歓迎会!

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■□■2■□■「なんで私がこんな事を……別にアイツらが気になったわけじゃないし」

フレデリカ・レヴィ(ふれでりか・れう゛い)は、
代々魔法使いの家系である実家に伝わる正装で歓迎会に参加していた。
(校長先生も大ババ様も一見、
不真面目に見えるけどこれは一種の模擬戦闘訓練なの。
……たぶん。
……きっとそう。ううん、そうじゃなきゃ困るわ)
新入生の不信感を取り除かねばと、フレデリカは思っていた。
新入生のサポートのため、
フレデリカは、エリザベートにサイコキネシスを使用する。
「校長先生!
 失礼します!」
「何するですぅ!」
エリザベートは魔法で反撃する。
「訓練なの!
 これは模擬戦闘訓練なのよ!」
逃げながらフレデリカは言う。

そこに、
十六夜 泡(いざよい・うたかた)と、
パートナーのクリスタリアの舞雪の精霊レライア・クリスタリア(れらいあ・くりすたりあ)がやってくる。
レライアは、事前に、
「わたしもある意味イルミンスール一年生ですから、参加した方がいいのでしょうか?」
と、聞いていたが、
「それもいいかもね……でも、その前にちょっと協力してね?」
と、泡に言われていたのだった。
新入生サポートのため、泡はレライアと一緒に
「神子の波動」を使用し、エリザベートのテレポートを封じようとする。
しかし、エリザベートはテレポートで逃げる。
「本人が封印されようとする気がないのにそう簡単に成功しませんよぉ。
いくら神子の能力だからって万能じゃないんですぅ。
それに、わたしは超すっごい校長先生ですぅ!
大魔法使いなんですぅ!」
エリザベートは空中で胸を張る。
「あれー、だめかあ」
「じゃあ、わたしもがんばって追いかけますね」
泡は頭をかき、レライアは改めて決意するのだった。

★☆★


一方そのころ、
天宮寺 那由他(てんぐうじ・なゆた)は、森の中を一人で歩いていた。
「なんで私がこんな事を……別にアイツらが気になったわけじゃないし。
ただなんとなくだから、そうただの気まぐれよ」
実際、葦原明倫館の学生である那由他に、
イルミンスールの夏休みのことは関係なかったが、
周りに強く言われたので、ツンデレ気味に参加したのであった。
そこに、角の生えた何かが全力疾走していくのを、那由他は目撃する。
「何? 今の。鹿かしら。それとも、校長かしら」
那由他が追っていったのは、アーデルハイトであった。
「やっとみつけたぞ、エリザベートぉぉぉぉぉ!!
 よくも私のアイスを!
 許さんぞーっ!」
エリザベート達の起こした騒ぎを聞きつけて、アーデルハイトが突っ込んでいく。
「まってくださーい、エリザベートちゃーん」
さらに、大好きなエリザベートを追ってきた神代 明日香(かみしろ・あすか)がやってきた。
明日香は、一部の人物以外には優しいので、
新入生のサポートとして、魔道銃で危険から守ろうとしていた。
動物は威嚇だけだが、危険人物は当てる気で撃つつもりである。
そんな中、狭山 珠樹(さやま・たまき)が、
アイスのにおいで暴走したじゃたの森の精じゃたと、
ラリアットで鬱蒼とした森に道を作りながら突っ走る
ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)を連れてくる。
「新入生歓迎の為に、
エリザ様もひと肌脱いでいる訳ですから、我らも頑張りますわよっ!
2年目がなんだかSFちっくになってしまった今こそ、
魔法学校の魅力を見せなければ、
忘れられるどころか知られないまま終わってしまいますわっ!」
「がるるるるるるじゃた」
「アーデルハイトは大人気ないざんす!
 ミーはエリザベートに加勢するざんす!」
じゃたは普段は争いを好まない温厚な性格だが、
空腹時には暴走するのであった。
ざんすかは、アーデルハイトを普段からライバル視しており、
しかも、一方的にエリザベートをかわいがっているつもりである。
エリザベート的にはざんすかなど眼中にないのだが。
「危険人物登場ですぅ。
 というわけで、ぶっ飛ばされてください」
明日香は、アーデルハイトとざんすかとじゃたを撃つ。
「誰が危険人物じゃ!」
アーデルハイトもキレて魔法を撃ちまくる。
「ざんすかさんも言ってますけど、
 大人気ないのはよくないですよ、アーデルハイト様」
明日香は言う。
「何しやがるざんす!」
「がるるるるるじゃた」
「ああっ、ざんすかさんにじゃたちゃん、
 その方は新入生ですわーっ!」
珠樹が叫ぶが、
明日香の魔道銃と、
アーデルハイトの魔法と、
ざんすかのラリアットと、
じゃたの空中回転かみつき攻撃「じゃたファング」で、
フィリップはぶっ飛ばされた。
「うわあああああああ!?」
「あーあ、ホントに怪我人が……」
「だ、大丈夫!?」
椎堂 紗月(しどう・さつき)が小型飛空艇で急行し、
有栖川 凪沙(ありすがわ・なぎさ)が、怪我をした人達をヒールやナーシングで応急手当する。
「アスカ、エグいですぅ」
エリザベートはその様子を見て言う。
「え? 同じ名前?」
師王 アスカ(しおう・あすか)は、
明日香を見て言う。
「はい、私、神代 明日香ですぅ」
「私は師王 アスカ。よろしくねぇ〜」
アスカは、面白い校長であるエリザベートに絵のモデルになってもらいたかったので、
追ってきていたのだった。
「うーん、予想以上にめちゃくちゃな状況になっちゃってるけどぉ、
 面白いからいいよねー」
アスカは、エリザベートを中心に、この場景をスケッチするのだった。

「じゃあ、今のうちに逃げるですぅ。
……!?」
エリザベートは、樹に仕掛けてあった網にひっかかる。
「あははー、うまくいったみたいだねぇー」
ニコラス・シュヴァルツ(にこらす・しゅう゛ぁるつ)が現れて言う。
楽しいことがしたいのでいたずらを仕掛け、
皆をおどかしたいというのが、ニコラスの考えであった。
パートナーの守護天使アイン・シュルツ(あいん・しゅるつ)は、ため息をつく。
「まったく、
 おまえがまた迷惑をかけないかと思ってたが、
 校長を捕まえてしまうとはな」
「えーでもでも、結果オーライだよねー?」
「おまえって、ばか……」
笑うニコラスに、アインはつい、いつも通りの態度を取ってしまう。
アインはパートナーであるニコラスに恋しているのだが、
表面上、絶対に認めようとしないのである。
今回も、ニコラスの性格を理解しているので、心配して参加していたのであった。
「ふふーん、まだアイスを回収しなきゃだめですからねぇ」
網の中でエリザベートは言う。