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紅蓮のコウセキ

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紅蓮のコウセキ

リアクション


○     ○     ○


「お帰りなさい! ……優子さん?」
 夜遅く。玄関で神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)を迎え入れたアレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)は、ちょっと不思議そうな顔だった。
「ただいま」
 苦笑した後、優子は洗面台に直行。
 服を脱いで、化粧を落として普段の自分に戻っていく。
「プレゼント沢山預かってきました。これは、呼雪さんとユニコルノさんからですっ」
 嬉しそうにアレナは花束を優子に渡した。
「ありがとう」
 香りを楽しんだ後、優子はさっそく花瓶に挿して、部屋に飾っていく。
「それからこれは、若葉分校の方達からです」
 それは……小さな箱が一つと、大きな色紙だった。
 箱の中に入っていたのは紅蓮の鉱石が嵌め込まれた『刀の鍔』だった。
 彼らが、優子をどう見ているのか、何を求めているのか、分かるような贈り物だった。
 ソファーに腰かけて、優子は色紙を眺めて――ひとつひとつの言葉に、返事をしていく。

関谷 未憂(せきや・みゆう)
誕生日おめでとうございます。
よい一日と、よい一年を。次の誕生日まで
神楽崎先輩と、神楽崎先輩が大事に思う人達が
笑顔で過ごせる一年でありますよう。

「ありがとう。キミにも笑顔でいてもらわないとな」

リン・リーファ(りん・りーふぁ)
ありがとう。

「こちらこそ」

桐生 円(きりゅう・まどか)
おめでとうございます
恩を返せるように頑張ります

「ありがとう。楽しみにしてるよ」

吉永 竜司(よしなが・りゅうじ)
これからも宜しくなァ

「ああ、よろしく。頼りにしてる」

早川 呼雪(はやかわ・こゆき)
誕生日おめでとうございます。
この一年も、大切な人達との絆を育み
充実したものになりますように。

「ありがとう。今年も頑張るよ。親しい者達と、仲間と共に」

ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)
おめでとうございます。
そしていつもご迷惑お掛けしてすみません。

「迷惑なんてかけられてないって。いつもとても助けられている。ありがとう」

崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)
お互いいい女になりましょう
たまにはお洒落もね

「うん、たまにはね。けど、可愛い系はダメなんだ、ほんと勘弁!」

ゼスタ・レイラン(ぜすた・れいらん)
おめでとう!
愛してるぜ、優子ちゃん☆

「あー、はいはい」

ブラヌ・ラスダー
おめでとうございマス。
たまには顔出してくれよな。たまにでいいんだけど。たまにが。

「どういう意味だっ。まあ、互いに緊張するからな、たまにくらいがちょうどいい」

 くすりと優子は笑う。
 他の分校生からの言葉は、汚い字や当て字で、ほとんどが「おめでとう」の一言だった。
 その一つ一つに、優子は「ありがとう」と返す。

「ん?」
 最後に、隅の方に控えめに書かれている言葉に目を留める。

アレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)
おめでとうございます。
今年は、傍にいられてうれしいです。これからもずっと、直接お祝いできますように。

「ありがとう。お互いに、ね」

 数日前に誕生日を迎えた、大切なパートナーに目を向けて、優子は微笑みを浮かべた。
 嬉しそうに微笑んで、こくりと頷いた後。
 アレナは優子の光条兵器を取り出した。

 その――星剣の刀に、優子は若葉分校生からのプレゼントを嵌め込んだ。
 それから一緒に、ビデオメッセージを見ていく。

担当マスターより

▼担当マスター

川岸満里亜

▼マスターコメント

ご参加ありがとうございました。
鉱石発掘、お疲れ様です。
アクセサリーを希望された方には、称号を発行いたしましたのでご確認ください。

従恐竜騎士をシメに向かった皆さんの、個性的な変装に笑わせていただきましたっ。

若葉分校はとりあえずは現状維持ではありますが、契約者も多く出入りしている分校ですので、何かの際には危険視されることもあるかと思います。

それではまた、次のシナリオでお会いできましたら嬉しいです。