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水着デートは刺激的?

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水着デートは刺激的?

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「やっぱり……これじゃあ恥ずかしいよぅ……」
 更衣室から出てきた硯 爽麻(すずり・そうま)はもじもじと体をくねらせた。今日は足が付かないと怖いので、鬼神化して身長を155cmにし、体つきもだいぶ大人っぽくなっている。昨夜用意しておいたのはもっと地味なワンピースタイプの水着だったのだが、今着ているものは背中のがっつり開いた、首の後ろで結ぶホルターネックのワンピースタイプだった。
 違う水着が入っていたことに気が付いたのは更衣室の中で、今からテーマパークを出てしまうのも勿体なくて、この水着に着替えたのだが、やはりかなり恥ずかしいようだ。
 そして、爽麻の両脇にはやっぱり用意していた水着とは違うものを着せられてしまったカガリ グラニテス(かがり・ぐらにてす)白 海里(ましろ・かいり)がいた。
 グラニテスは明倫館の水着にロンT。海里は明倫館の女性用水着を着ている。2人とも女装の体である。しかし、海里はそのはちきれんばかりの胸で周りの男性から生唾を飲みこむというアクションを起こさせているのだが、当の本人はあまり気になっていないようだ。
「うんうん、やはり我の目に狂いはなかった」
 全員の水着を取りかえた元凶堅牢 砕牙(けんろう・さいが)は満足そうに頷きながら、更衣室から出てきた。砕牙の水着は紐と言っても過言ではないほどの細いビキニ。
 4人はいろんな意味で周りからの注目を集めながら、流れるプールへと向かって行ったのだった。


 流れるプールでは泳げない砕牙は大きな浮き輪の中にヒップを入れ、ぷかぷかと浮かび、他の3人は砕牙の浮き輪に捕まりながら、ゆっくりと流されていく。
 さすがにロンTを着て入るわけにもいかず、グラニテスは脱いでからプールの中へと入った。
「暑いけど、それがまた気持ちいいね……」
「そうですねぇ」
 爽麻の言葉に海里が頷く。そうしてのんびりとプールを楽しんでいたのだが、海里は何かに太ももの後ろを触られた感じがして後ろを振り向いた。しかし、誰かがいるわけでもない。プールの中へと視線を落とすが、あるのは水と自分の体だけ。
「?」
「どうかした?」
「いえ、なんでもありません。勘違いでしょう」
 不思議に思った爽麻が問いかけたのだが、海里は完全に気のせいだと認定したようだ。
 すると、今度は爽麻に異変が起きた。脇の下を何かぬるっとしたものが通るような感触があり、思わず狐耳が飛び出る。
「ひゃぅ、なに……?」
 その様子を気にしたグラニテスが声をかけた。
「ん? どうしたソーマ、何かあったか?」
 水の中をきょろきょろと見るが、特に何も見つからない。
(誰かの足だったのかな……?)
「ううん、なんでもないよ」
「そうか? 心なしか顔が赤い気がするが……? 狐耳も出てるし」
「そうかな?」
 言われて、爽麻は右手で自分の顔を触る。ほんのりと熱を帯びているようだ。
「もう日に焼けちゃったのかも?」
 グラニテスは太陽を仰ぎ見る。
「ああ、けっこう日差しが強いからな」
「ちゃんと日焼け止め塗りました? しっかり塗っておかないと後で火ぶくれ起こしたりしますよ」
 海里は爽麻に詰め寄った。
「う、うん……ちゃんと塗ったよ……? たぶん、大丈夫……」
 更衣室できちんと塗った事を思い出しながら、爽麻は答えた。しかし、次の瞬間、今度はお腹のあたりを触られる感じがして、びっくりした爽麻は九尾の尻尾が出てきてしまった。
「ひにゃっ、やぁ……」
「おい!?」
 顔を赤らめて身をよじる爽麻をグラニテスが心配する。
「ふふ……何か素敵な事でも――」
 今までただ様子を見ているだけだった砕牙の表情が変わった。
「……っ。ふ、そう慌てるでない」
 砕牙はお尻をぬめっとしたものが通ったのに、なぜか楽しげだ。
「何かおかし……っ! 〜〜〜〜っ!」
 爽麻は何かを言いかけたが、途中で声にならない声をだし、ぐったりとしてしまった。息が荒くなり、瞳がうるんでしまっている。
「変ですよ、このプール。出ましょう!」
 海里が言うと、グラニテスが頷いた。返事もできなくなっている爽麻をグラニテスが抱え、海里がまだ出たくないという砕牙を無理矢理プールの外へと連れ出した。
「なんなんだった……っ……! うわぁ。なっ、ななななな何なんです」
 水から上がってすぐに海里のさらしが緩み、胸をあらわにしてしまった。
「え……? あれ、なん……で?」
 そして、グラニテスに支えられて立っていた爽麻の首の後ろのリボンもほどけてしまい、白い綺麗な乳房が丸見えに。あまりの事に胸を隠すのを忘れてしまっている。
 支えているグラニテスのさらしもほどけたが、すぐに蝙蝠の羽で隠してしまった。
 さらに、無理矢理水から上がらされた砕牙のほぼ紐ビキニは上下ともに結び目が緩み、はらりと落ちてしまった。だが、砕牙は気にしていないようだ。むしろポーズまでとっている始末。
 そんな4人の光景を見てしまった男性たちは、視線を釘づけにしている。
「ん? 何だ御主ら、我の身体に見蕩れているのか? 別に、触っても構わんのだぞ……?」
 もっと大胆なポーズをとり、砕牙が男性を挑発すると男性たちの中には前かがみになってしまう人も出てきた。そんな砕牙を見て、海里は慌てて爽麻と砕牙とグラニテスの腕を自分の腕に絡ませ更衣室へと駆け込んで行ったのだった。
 その後、やり過ぎた砕牙は海里にこっぴどく叱られてしまったという。