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壊れた洞窟の隙間で待ってます

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壊れた洞窟の隙間で待ってます

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【6章】

 洞窟出口付近では、人攫いたちが少女と話しながらこそこそ逃げるように歩いていた。
「つらいことがあって、罪を犯してしまったのでしょう?」
「おお、姉ちゃん聞いてくれるかい」
「聖母様のような子が……!」
リリィ・クロウ(りりぃ・くろう)は救護に来たが、生活のために盗賊に成り果ててしまった者もいるだろう、と宥めた。学生にも過ちを犯してしまう者は少なくない。それと同じだと。
「この傷薬を使ってくださいな。擦りむいたぐらいなら効きますわ」
 リリィはそっと傷薬を差し出す。
「ついでにもっと心の傷も癒してくれや」
「お話なら聞きますわよ。……ってきゃああっ! 何するんですの!」
 付け上がった人攫いはいやらしい手でリリィの腰を撫でていた。
「こらぁっ! リリィさんに何してるんですか!」
朱濱 ゆうこ(あけはま・ゆうこ)は悲鳴を聞いて後ろから駆け寄って、リリィを庇うようにバーストダッシュで人攫いたちに飛び蹴りした。
「ゆうこさん……」
「所詮はこういう下衆な奴らなんですから、油断しないで下さいよ。逃がさずここまで連れてきて来れたのはよかったけど……」
「そうそう、君の言う通りや。あんなぁ、いくら理由があると言っても、やっていいこと悪いことあるんや。わかるやろ?」
大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)は人攫いたちを縛り上げ、そこに座れ! と説教をし始めた。時にはピー音が入りそうな言葉もちらほら聞こえてくる。
「もう少し優しい言い方でもいいと思いますわ……」
「あれぐらいキツく言わないとダメですよ」
 泰輔の説教を感心するようにリリィとゆうこは遠くから聞いていた。

「具合の悪い人や怪我した人は俺のところへ! ゆっくり歩いて来てくれよー」
涼介・フォレスト(りょうすけ・ふぉれすと)は洞窟出口で、治療受付を名乗り出る。ヒール能力のある者と一緒にいなかった人は、真っ先にそちらへ向かう。
 ヒールが使える者は次々に涼介に協力し、おかげでぐったりしていた者も皆元気になった。

「へへっこの隙に逃げてやらぁ」
「おっなら俺の縄も解いてくれよ」
 こそこそと縄を解いて逃げようとする人攫いたちだが、叶 白竜(よう・ぱいろん)がそれに気づいてばしぃっと鞭を打つ。
「脱走すると刑が重くなりますよ。皆元気になりましたし、逃げ道はありません」
「ひぃぃっ」
「羅儀、この者達をキツく縛っておいてくださいよ」
 白竜はパートナーの世 羅儀(せい・らぎ)に釘を刺す。
「了解! 逃げんなよ。白竜は怒ったらマジこえーから」
 ボソッと呟きながら、縄をしめなおす。血が廻らないと人攫いたちは喚くがそんなのおかまいなしだ。

 人攫いたちは三船 敬一によってほとんどが逮捕され、捜索願いが出ていた子供たちは全員無事に救出。
 それでもジープと刹那は逃げてしまったようだが、瓦礫に巻き込まれてしまった人も皆無事に帰ることができた。
 長い時間洞窟にいてヒールじゃ補えない空腹に、よく助かった、と待っていた生徒たちが食事会を開いてくれた。
 

担当マスターより

▼担当マスター

かむろ 焔

▼マスターコメント

マスターを務めさせて頂きました、かむろ焔です。
執筆が遅れてしまい申し訳ありません。
皆様シナリオに参加くださりありがとうございます!
初めてのマスタリングに少々緊張しております;
当シナリオを楽しんで頂けたら幸いです。
またシナリオガイドを見かけましたらその時はよろしくお願い致します。