空京

校長室

選択の絆 第一回

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選択の絆 第一回
選択の絆 第一回 選択の絆 第一回

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ドージェの代わりとなって 1

パラミタを支える、ドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)の身代わりになることで、
一時的に、ドージェの力を解放し、
一気にゴーストイコンを倒す、という作戦のため、
シャクティの宿りを得た、ニキータ・エリザロフ(にきーた・えりざろふ)が、
パラミタ大陸を支える。
「漲ってきたわぁぁぁぁ……!! ハァッ!!!」
身体を覆う軍服を弾け飛ばして、ニキータが上半身の鍛え抜かれた筋肉をあらわにする。
「……キモい」
パートナーのタマーラ・グレコフ(たまーら・ぐれこふ)は、
冷たい視線を送っていた。

「ニキータさんがドージェと交代するなら、
ゴーストイコンを寄せ付けないよう全力で周辺で守らなければ」
「ニキ姉さんには触れさせないぜ!」
叶 白竜(よう・ぱいろん)
世 羅儀(せい・らぎ)は、
フィーニクスの枳首蛇に搭乗し、
ニキータをゴーストイコンから護衛しようとする。

「叶大尉も羅儀も『ニキータを守る』とか言ってくれてたし、
無事に帰れた暁には、うふふ……」
美化された2人の姿を妄想しつつ、
ニキータが、そのまま大陸を支える。

ドージェは、ニキータが大陸を支えると、
ゴーストイコンの方へと歩み始めた。
だが。

そこに、一人の巨大な男が現れた。
一周り大きな巨人族だろうか。
彼は、巨大な白い石灰の塊のような骸と化している、アトラスの足元から這い出したようであった。

「やっと出られたぜ!
がぁーーーーーーっはっはっはっはっはっは、ドージェ!
貴様の力は本来は俺のものだ!
アトラスなどというモヤシが卑劣な手段で俺から奪い、あまつさえ、ずっと俺を踏み続けやがった!
しかし、ようやくアトラスは死んだ!! 今度こそ、今度こそ!! 俺はその力を――……」

そう、男が口上を始めた途端、ドージェは、その男を巨大な拳でぶん殴った。
「もげぉああああああああああああああああああああああああ!?」
男は、あっというまにぶっ飛ばされ、
ナラカの彼方へと消えていった。

「……なんだったのでしょう、あれは?」
「わからないが、ニキ姉さんに何かしたりされなくてよかったぜ」
白竜と、羅儀が、口々につぶやく。
「ともかく、ゴーストイコンの警戒に戻りましょう」
「了解!」
枳首蛇は、
なるべく、ゴーストイコンの腕や武器を狙い、攻撃できないようにさせていった。

「あらいやだわ。
もしかして、あたしをめぐって、新たな男が登場したのかしら。
ふふ、あたしも罪な女ね♪」
「……」
大陸を支えたままウインクして見せるニキータの発言に、
タマーラがイラついた視線を送っていた。