空京

校長室

選択の絆 第一回

リアクション公開中!

選択の絆 第一回
選択の絆 第一回 選択の絆 第一回

リアクション


シリアス認可証配布!? 1

イベント専用飛空挺にて。

キャンディス・ブルーバーグ(きゃんでぃす・ぶるーばーぐ)は、
マレーナ・サエフ(まれーな・さえふ)の企画した、
【『撃墜王は誰だ!?』トトカルチョ】の胴元に勝手に名乗りを上げ、
勝手に仕切っていた。

もちろん、パートナーの茅ヶ崎 清音(ちがさき・きよね)は、
こんなことには関わったりせず、百合園女学院でお留守番である。

「トトカルチョの胴元を素人が思いつきでやるのは火傷の元ネ。
パラミタのためになる事なら、
財団法人パラミタオリンピック委員会の理事で
スポーツくじにも詳しいミーが協力を惜しまないワヨ!」
「事務作業をやってくださるおかげで、
とても助かりますわ」
マレーナには、意外と歓迎されている、キャンディスであった。

そこに、ピンクのモヒカン頭の男が突っ込んでくる。
「がはは、“性の活力”なら俺様が一番だぜーっ!
おっぱい管理人!
ドージェに捨てられたからって気にすんな!
俺様がいるぜ!
大アップでおっぱいもみもみを中継して皆を元気づけてやるぜ!」
ゲブー・オブイン(げぶー・おぶいん)は、
マレーナのおっぱいをもみしだく様を、中継しようというのだった。
「いよっ、兄貴! モヒカンがまぶしいよっ!」
バーバーモヒカン シャンバラ大荒野店(ばーばーもひかん・しゃんばらだいこうやてん)が、
ゲブーの太鼓持ちとなり、声援を送る。
テレビ出演するとあって、
ゲブーのモヒカンを立派にセットしたのは、シャンバラ大荒野店であった。

「モミンモミンたゆんたゆんブルンブルンふにゃんふにゃんグニグニむにゅむにゅ!
さすがだぜ、おっぱい管理人!
こいつはもみがいがあるぜー!」
「ちょ、やめ……」
「がははっ! やめろったってやめないぜ!」
「ダカラ、ミーはおっぱいじゃないワヨー!」

実際には、ゲブーが揉んでいたのは、
キャンディスの着ぐるみの身体であった。
ゲブーは常日頃からマレーナにマークされており、
とっさに身代わりの術で、キャンディスが差し出されたのであった。

「天誅ですわ!
だいたい、私はドージェ様に捨てられたわけではありませんわ!」
「グゲエエエエエエエエエッ!?」
「うわあ、ピンクモヒカン兄貴!
とても放送できないような姿に!」
おっぱいを揉んでいると思い込んで悦に入っていたゲブーは、
マレーナにボコボコにされ、シャンバラ大荒野店も巻き添えを食ったのであった。

しかし、そんなゲブーの頭に、
「シリアス認可証」と書かれた紙が貼られる。

【シャンバラ教導団中尉】トマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)が、
「シリアス認可証」を発行の上申へとやってきたのであった。
「今回の作戦について、
バカバカしいとか、不謹慎だとか言う者も出ているようですが、
過度なシリアスさに対抗して、世界のバランスを取るためには、
この『闘い』が必要とされているのです。
そうでしょう?
そこで、ギャグ行動をする者を、保護するために、校長先生方の認可を受け、
『シリアス認可証』を発行したいのです!」
トマスは、大真面目な顔で訴えた。
「作戦遂行上必要な行動です。
大真面目に不謹慎なのです!」

「すでに、根回しによって、
『不謹慎ではないか』と思われる行動をされている方々に対し、
『シリアス認可証』を発行しています。
いまこそ、契約者の実務能力が問われる時です」
ミカエラ・ウォーレンシュタット(みかえら・うぉーれんしゅたっと)が、
やはり、きわめて真面目な表情で訴えた。

【シャンバラ教導団少尉】のカル・カルカー(かる・かるかー)と、
パートナーのジョン・オーク(じょん・おーく)も、
トマスの行動を手伝うため、
「シリアス認可証」の交付にやってきている。

(シリアス……って、何でしょう?
こうして大真面目に『シリアス認可証』を発行して、
お役所仕事みたく交付してるところも、見方をずらせばとってもシュールで不謹慎なんですが)
ジョンは、そんなことを思いつつも、
これもナラカの瘴気に対抗するためと、
真面目に不真面目するつもりであった。

「校長先生方はお忙しいので、私がイベント船代表として許可しますわ!
とにかく盛り上がるのであればなんでもよろしいのですわ!」

マレーナは、トマスたちの上申に対し、
極めて前向きな回答を行った。
「ぜひ、盛り上げるのに尽力してくださいませ!」
「はっ!
ご許可に感謝します!」
トマスとミカエラ、カルとジョンは、教導団員らしく、最敬礼した。

「お勤め、ご苦労様です!」
カルが、ゲブーに全身を揉みしだかれ、
転がっているキャンディスに、
「シリアス認可証」を貼りつける。
「積極的にトトカルチョを取り仕切ってくださるその行為、
まさしく、真面目に不真面目な『シリアス行為』!
その戦い方、すばらしいと思います!」
カルが、感激したように言う。
「そんなに褒めてもらえるとなんだか照れるワネー。
ところで、皆も、トトカルチョのくじ買わない?」
キャンディスが、商売人らしく、売り込みをかける。

そんなわけで、「シリアス認可証」の発行は公式(?)に許可され、
始まったのであった。