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リアクション
白くて長くてふわふわの兎の耳を追い掛けて次にやってきたのは、大きな庭園だ。
「花が踊ってるわ。フラワーロ――」
言いかけたさゆみの声を遮って、「すっごく綺麗♪」と歌菜が感嘆する。
危ないところだった。
彼女達の声を聞きつけて花達が此方を振り返っていたのだ。
その姿はミリツァ・ミロシェヴィッチ(みりつぁ・みろしぇゔぃっち)やスヴェトラーナ・ミロシェヴィッチ(すゔぇとらーな・みろしぇゔぃっち)に、或はトゥリン・ユンサル(とぅりん・ゆんさる)やアニューリス・ルレンシア酷似しているが、確かに花には違いなかった。
「不思議なお花だね!」
興味津々、ノーンは花達の前へ躍り出る。
「そういえば、此処ってどこ?」
「まあ呆れた。あなたそんな事も知らないの?」
「バッカじゃないの」
「信じられません!」
「きっとお勉強が嫌いだったのですよ」
口々に言って笑う花達にアデリーヌはむっとしていたが、さゆみは花達の会話を興味深く耳をそばだてていた。
「呆れたと言えばさっきの兎」
「ああ、先ほど通られたうさぎさんのことですね」
「兎なのに耳を抑えて、変だったら無かったのだわ!」
「慌てて黄色の道を駆けて行きましたけど、何か用事でもあったんでしょうか」
「知らな〜い! あんな変な兎!」
「そんな事より、ねえ皆さん――」
まだまだ続く花達の会話は放ってしまって、さゆみがこっそり送った合図で、彼女達は庭を抜け出した。絡まれてしまったら、進むものも進めなくなると踏んだのだ。
「とっても賑やかなお花さん達だったのですー
しかし……皆様方をお連れ出来ないのが残念でした……」
落胆するフレンディスに、歌菜はカメラを見せてウィンクした。
彼女はこれまた何枚も、花達の様子を写真に収めていたのだ。
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