こんにちは。風間 皇介です。
無事に第四作をお届けする事が出来ました。えぇ、本当に、無事に……
今回ほどこの言葉が相応しい回はありませんが、早速次へ。
〜今回の予想外〜
・参加人数
【カナン再生記】が付いているから50人は行ってくれるだろう。仮に抽選になっても5人オーバーくらいが妥当かな、とそう思っていました。
……まさか全体で79人も来るとは。予約抜いたら64/35ですよ。倍率1.8倍ですよ。
正直自分の見通しが甘かったと言わざるを得ませんね。落選した方には大変申し訳ない事をしました。
・ラウディへの反応
元々このシナリオは「家族をテロで失って死に敏感な八雲が皮肉にもネクロマンサーとしての才能を持っている」という前提から構想が始まりました。
その為ナラカとか奈落人とかに関連させる事も検討していた所、「カナンって砂漠化とか起きてるから亡くなる人も多いよな。なら相手もネクロマンサーってのはどうだろう」と思い立ち、そこからラウディが生まれ、カナン再生記となりました。
なので風間的には主軸は八雲でラウディについては軽く考えていたんですが……届いたアクションのほとんどが
「ラウディ許せん」
「ブチ切れた」
「ぶっ飛ばす」
といった感じで本気の怒りが見えていました。
話がシリアス飛び越えてドシリアスになったのは多分この辺が大きく関係しているんじゃないかと思います。
ワールドガイドのネクロマンサーの説明に「恐怖や嫌悪の対象となって〜」と書いてありますが、それってこういう事なんだな、と実証してしまった形ですね。
・悪役サイド
多い! なんか第二作でPC対PCの場を作ったからでしょうか。それ以来どんどん増えてる気がします。
お陰で風間にもどこで戦闘が起きるかアクションが集まらないと全く読めません。
なので今回も対ラウディ相手予定の方が対悪役の方に行ったり、本来完全別行動だった周囲のアンデッド排除組と札破壊組が一緒に行動したりと色々変わっています。
とはいえ、だから悪役の方は自重して下さい、と言うつもりは無いのでご安心下さい。
どうしても非戦闘区域を作りたい場合はガイドとかに書くと思いますので。
一般側の方もアクションなどで明記して下されば悪役側の方と戦闘になった際、巻き込まれないようにするといった対処は取ると思います。その時次第ですが。
・ラウディへの対処
ある意味これが一番の予想外でした。
当初の予定ではラウディは劣勢になった時点で撤退し、今後またカナン系シナリオをやる機会があったら敵として再登場させようと思っていました。
ところがアクションの中にラウディを説得される方と逮捕しようとする方が。
結局迷った上でラウディは逮捕。出す予定の無かった「親に捨てられ、貧困の中で不幸な人生を送ってきた」という裏設定まで引っ張り出されました。
それどころかラウディの心まで救われる始末。この結末は完全に予想外でした。
これ、仮にカナン系シナリオをやるとしたら、敵どころか「お前達には任せておけない」とかいって味方になるフラグですよね。
・弔い
予想以上に多くの方が弔い方法を書いて下さっていました。
その為エピローグが1〜2章規模の8千文字強に。
普段だと長くても4千文字程度で締めていたので倍近い量ですね。実際始めてエピローグが2ページに渡っています。
また、最後はあんな形で締めたいと思い、タイトルに鎮魂歌と入れました。
その思惑通り歌をメインとしている方を含め多くの方が歌い手として参加して下さいました。
……けどまぁ、ここまで多くなるのは予想外でしたね。
それ以外に、クリフの弟というのは本来設定されていた人物ではありませんでした。
妻の魂は当初から登場予定でしたが、あくまでそこまで。夫婦でナラカに旅立つ事が救いのつもりでした。
ですが、アクションの中でより良い救いを求める声があった事。それによりこのような結末を迎える事になりました。
実際の所、クリフの魂は真の意味で救われたのだと思います。
――とまぁ、本来ならここで終わるはずでした。本来なら。
皆様もご存知の通り、3月11日(金)に東北地方太平洋沖地震が発生しました。
フィクションの世界の話だと思い、何の気も為しに決めた「街を壊滅させるほどの大災害」
それが現実に起きた訳です。それも日本に。
その時点で4章の辺りまで執筆が終わっていたのですが、正直そこからはかなりの難産でした。
単純に計画停電やら余震の警戒やらで執筆に専念出来ない環境が続いていたのもありますが、それ以上に扱っている題材故のプレッシャーみたいなものが襲ってきました。
何とかそういった問題を乗り越えつつ期限内に仕上げる事が出来た訳ですが、このシナリオが持つべき『意味』をきちんと伝えきれたかは難しい所です。
現実世界にナラカはありませんし、ましてやナラカエクスプレスなんて物は夢物語ですが、願わくばこの震災で亡くなられた方が多くの弔いによって安らかに眠れるように、そしてこのシナリオの結末のように滅びの中にも希望が残ってくれる事を祈るばかりです。
なお称号ですが、今回は現実での地震もあり、敢えてほとんどの方に同じ称号を贈っています。
例外もありますが、悪役・歌い手・その他といった形です。
長々とお付き合い有難うございました。最後はいつも通りのこの言葉で。
それでは今回はこの辺で。次回また、篁ファミリーの冒険にお付き合い下さい。