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【金鷲党事件 二】 慰霊の島に潜む影 ~前篇~

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【金鷲党事件 二】 慰霊の島に潜む影 ~前篇~

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終章 慰霊の島に潜む影

「どうだ。見つかったか?」
 薄暗い部屋の中に、男の声が響く。その声には、わずかに焦燥の響きがある。
「申し訳ありません。瓦礫の量があまりに多く、その撤去に手間取っておりまして……」
 平身低頭した小男が、必死に弁明する。
「その台詞はもう聞き飽きた!一体、いつまでかかるのだ!」
「もうしばらく、もうしばらくお待ちください親方様!」
 元々低い頭を、さらに床に擦り付けるようにして懇願する小男。
「五十鈴宮の娘が、手下を連れてやってきておるのだろう。……そういつまでも待てぬぞ」
「心得てございます」
 小男に当たり散らして気が収まったのか、“親方様”と呼ばれた男は、静かにそう言うと、部屋を後にした。

「だいぶ、扱いづらい方のようですね」
 入れ違いに、涼やかな面の男が部屋に入ってきた。両ノ面 悪路だ。
「立ち聞きとは……お人の悪い」
「やはり、遊佐 堂円殿とは、だいぶ格の差がありますか」
「偉い方というのは、多かれ少なかれああしたものです」
 悪路の指摘を、事も無げやり過ごす。
「そういうものですか……。そういえば空賊は、してやられたそうですね?」
「あの者たちには、始めから期待してはおりませぬ。白姫岳にはジャジラッド殿がおります故、当面は大丈夫でしょう」
「……捜し物が見つかり次第、お力添えいただけるというお話、間違いないでしょうな?」
「また、そのお話ですか……。それについては、何度も申し上げたはず。親方様の裁可も、既にいただいております。アレが見つかれば、貴方様がたのお役にも立つはずですが?」
「……これは、余計なことを申しましたな」
 静かに頭を下げる悪路。
「いえいえ、よろしいのです。ご心配になるのもご尤も。ですが、ここは私を信じていただきたい。……今後とも、お力添えをお願いいたしますぞ」
「えぇ。それはもう……」
 悪路は、目を細めて笑った。扇で、口元を隠しながら。

担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

みなさん、こん〇〇わ。神明寺です。
「二子島よ!私は帰ってきた!」
 とやるつもりでしたが、既にプレイヤーの方にやられてしまいました……(泣)
 まぁとにかく、帰ってきました。この島に……。
などと、自分で企画したにもかかわらず、思わず円華や宅美のように感慨に耽ってしまったり(笑)
同じように感慨や懐かしさを感じていただける方にも、そうでない方にも、どちらの方にも楽しんでいただけるように頑張ってみました……が、今回はかなり思わせぶりな描写が多くなっており、その意味では少しイライラするかもしれません。ま、前半ですからね。その辺りはご容赦頂くということで……。
是非、いつものように掲示板でご感想をお聞かせください。
そして、続編も変わらずご愛顧いただけると幸いです。
では、再会を楽しみに……。

平成辛卯 春皐月


神明寺 一総