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テーマパークで探検しましょ

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テーマパークで探検しましょ

リアクション

 無事に洞窟から抜け出たエヴァルトとミュリエルは、近くの喫茶店でのんびりくつろいでいた。
「……また、来たいですね」
 と、ミルクのカップを両手で持ったミュリエルが笑う。
 紅茶に口を付けて、エヴァルトも笑った。
「そうだな、一日で回れるところでもないしな」
 手に入れた金はほんの気持ち程度だったが、楽しめたことを思うと満更でもなかった。

 洞窟の奥で見つけたのは色とりどりの宝石たちだった。どれも形はいびつで、好きなように好きなだけ手に入れて良いらしい。
 天音は足元に転がってきた赤い石を取り上げると、それをじっと見つめた。
「なるほど。苦労した甲斐ぐらいはあったかな?」
 つるされた灯りに透かしてみると、赤が透明さを増して美しい。天音はそれから目を離すと、水晶と思しき石たちの中で埋もれていた緑色の石を手に取った。
「苦労したのは主に我だと思うが。しかし、換金では少々味気ないな」
 と、ぼやくブルーズに天音は、出口へ続く階段を上がりながら返した。
「アトラクション用のアイテムだから、仕方ないよね……それに」
「……ふむ?」
 扉の先に外光が見える。
「何でも無いよ。それじゃ、何か食べて帰ろうか。ブルーズは何が食べたい?」
 と、その赤い石に似た赤い瞳へ問いかけた。
 向けられた視線の緑色に、ブルーズもまた彼と同じことを思い、口元を緩めながら答える――。

「あ、愛羅!」
 苦労してたどりついたその場所に、きらきら光る宝石たちは散らばっていた。
 美雪と愛羅が顔を見合わせて頷きあう。
 手近なところにしゃがみこんだ美雪は、青く透明に輝く石を見つけて手に取った。アクアマリンだ。
 一方の愛羅は、足元に小さな緑色の石を見つけて取り上げた。
「綺麗ですね……無事、たどり着くことが出来て、良かったです」
 その表情に、美雪はドキドキしながらも頷いた。
「うん、そうだね」

後日談

 同好会の部室まであと数メートルの所で、叶月は朔と里也に出くわした。
「どうぞ」
 と、差し出されたのは映像が記憶されていると思しきCD−ROM。
「何だよ、これ」
 叶月が受け取りつつ尋ねると、朔は言った。
「この前の遺跡の時のビデオですよ。こっそり後ろからつけさせてもらいました」
「……は?」
 叶月の顔が苦々しく歪んだ。
 そこへ追い打ちをかけるように里也がいくつかの写真を取り出す。
「これも叶月にあげましょう」
 写っていたのはあの日のヤチェルと叶月。しかも、どれも叶月がヤチェルを罠から助けている場面ばかりだ。
 シスコン全開の自分を見て、叶月は顔を赤くする。
「……っ、お前ら!」
 何てことしてるんだと叫びそうになって、叶月はこらえた。その代わりに写真をじっと見つめて震える。ちょっぴり嬉しいなんて死んでも言えなかった。
「いらないのなら、ヤチェルにプレゼントするだけです」
「おっと、写真は破ってもネガはあるのですからな」
 追い込まれた。叶月は仕方なくCD−ROMと写真を鞄の奥へ突っ込み、吠えた。
「もう二度と、よけいなことするんじゃねぇ!」

担当マスターより

▼担当マスター

瀬海緒つなぐ

▼マスターコメント

ご参加いただき、ありがとうございました。

何名か、『ステンノ洞窟』と『古代遺跡エウリュアレ』を混同している方がいらっしゃいました。
洞窟に罠はありませんので、罠の部分を変更してリアクションに反映させていただきました。ご了承下さいませ。

スキルについてですが、その目的がアトラクション攻略でなかったため、一部使用を許可しています。
こちらに関しましても、どうかご理解下さいますよう、お願いいたします。

さて、執筆している最中にテーマパークに名前がないことに気づきました。今さらなので放置しようかとも思いましたが、『ゴルゴーン』は三姉妹ですのでルートを増やしてまたやるかもしれません。
その時までにテーマパーク名を考えておこうかと思いますが、良いのが思いつかなかったら募集するかもしれません。

次はたぶん来月の初め辺り、久しぶりにトレルお嬢様の登場となります。