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目指せ! イコプラマスター!

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目指せ! イコプラマスター!

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○第七試合 アイビス−ゴッドサンダー

 イコプラを弄っているときの星渡 智宏は、集中しすぎて構ってくれないので、時禰 凜はいつもつまらない思いをしている。
 その集中力も良し悪しで、先日イーグリット・ネクストに乗った実戦から帰還したすぐ後に、物凄い精度で再現したときは凛も軽く引いたものだった。

「ヒット! ヒット!」
 ゴッドサンダーのイコン用まじかるステッキと、空裂刀の攻撃は見事なコンビネーションで、アイビスはまともに食らってしまった。
 続けて立て直し、二度目の空裂刀を銃剣で避けるとライフルモード二挺拳銃で対抗したが、まじかるステッキに弾を全て破壊されてしまった。
「負けるかよぉ!!」
 智宏はアイビスに距離を取るよう命じた。
 ライフルモードで狙撃する。
 しかし、後藤 山田はそれを読んでいた。
 ゴッドサンダーは余裕で弾を避け、二ポイント勝利を収めたのだった。

「智宏さん」
 試合場を後にした智宏に、凛は声をかけた。智宏は振り返らなかった。
「完璧に作戦負けだ。全ての攻撃が裏目に出た」
 悔しいな。
 ぽつり、智宏は言った。
 すっと上を見る。
 凛には、智宏がどんな顔をしているか分からない。
「俺に出来るのは、性能を上げることだけ……。もっともっと強くてカッコイイイコプラを作る」
 ……イコンじゃなくて?
 という素朴な疑問を、凛は口に出来なかった。
「次は必ず優勝するぞ。行こう、凛! 早速帰って、イコンの研究だ!」
 イコンのためのイコプラなのか、イコプラのためのイコンなのか。
 結果オーライ。どっちのためにもなればいいかな、と凛は思うことにした。

  ×アイビス−ゴッドサンダー○


○第八試合 コームラントカスタム−ナグルファル

「『プラモのモモちゃん模型講座』始まるわよ。あ、こっちはアシスタントのウサギのラビ君」
「ラビ君じゃなくてギルティだニャ! ミーにウサギの被り物させるなんて……」
「うるさい。今日はイコプラバトル教室です。私のイコプラが一番です」
 誰も聞いていなかった。参加者には好んで全裸になるようなおかしな奴もいるので、その類と判断されたらしい。
「聞いてるの? そこのでっかいイコプラ!」
「自分が一番などと過信していると、手痛いしっぺ返しがあるぞ」
「イコプラが喋った!」
 ――エヴァルト・マルトリッツだった。

 コンクリート モモとハロー ギルティの即席模型講座を終え、対戦相手の流浪のイコン仮面が現れた。
「ニャ! こっちもでっかいイコプラ!」
 ギルティが爪を研ぎ始め、斎賀 昌毅とカスケード・チェルノボグは全身に悪寒が走った。
 ――負けたらなんかヤラれる!
 その思いが二人を追い詰めたのだろう。
 試合開始早々、ナグルファルのミサイルが発射された。
『先手必勝とばかりの攻撃! しかしコームラントカスタムも負けてはいない! 続く大型キャノンには20ミリレーザーバルカンで対抗! コームラントがすかさず距離を縮める! しかしナグルファル、近づかせまいと大型キャノンを発射!』
「ヒット!」
『それならばとノイズ・グレネード! ナグルファルにヒットした!』
 再びコームラント・カスタムのノイズ・グレネードとナグルファルのミサイルが同時に発射され、フィールドの中央で爆発する。
「二対一! 勝者、ナグルファル!」
「しまった……計算に失敗したわ……」
 モモは舌打ちした。
 ここで必殺技を持ってくるべきだったかどうか……ぶつぶつと、陰気な目を細めて再計算を始める。
 昌毅とカスケードは、辛勝だがとにかく勝ててホッとしていた。
「……にゃあ〜」
 背後に恐ろしい気配を察し、二人は早々に逃げ出した。

  ×コームラントカスタム−ナグルファル○