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兄の仇はローレライ!?

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兄の仇はローレライ!?

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〜出発〜

 モンスター退治の為集まってもらった勇士達は、パッフェルが用意した帆船へと乗り込んでいく。中にはちらほらと見知った顔も見られた。
 「やぁ、パッフェルとローレライも久しぶり。」
 親しげに話しかけてきたのは桐生 円(きりゅう・まどか)。「あとアイラくんだっけ? 今日はみんなの為にがんばるよ」
 「ああ……よろしく頼むわ」
その後からやってきたのは騎沙良 詩穂(きさら・しほ)セフィー・グローリィア(せふぃー・ぐろーりぃあ)とパートナー達。
 「ローレライちゃんまた会ったね。誤解を解く為に歌の練習してたんだ。がんばったもんね、今日はローレライちゃんの疑いを完全に晴らしてみせるよ」
 「あんたら知り合いか。まぁ今日はよろしく頼むよ。」
 「みなさんありがとう」
 「いちよう聞いておきたいんだが、音痴だった奴が、急に綺麗に歌えるようになったから、そいつが嫉妬してあんたを陥れようとしているとかないのか? 周りにそんな素振りなのはいないのか?」
 「いいえ、私の知りうる限りでは心当たりはありません」
 「歌、そして船を沈めるほどの力、その辺りから考えてみましょう」
 詩穂はそう言うと少し考える様子を見せながら帆船へと向かう。
 「もしかしたらローレライが歌えば敵さんもでてくるんじゃないか?」
 「なんにせよ私はいつでも戦争の準備は出来ている」
 そう言ってセフィーのパートナーの オルフィナ・ランディ(おるふぃな・らんでぃ)エリザベータ・ブリュメール(えりざべーた・ぶりゅめーる)が声を掛ける。
 「歌が聞こえて、兄の船は沈没しました。だから私はローレライさんを疑ってしまいましたが。ただ歌が何か重要な気がして……」
「とりあえず……船が……沈没する際に歌が……聞こえてきた……というのは本当のようだし……歌でおびき出す事も……考えて……おきましょう」
 そうパッフェルが言うとアイラは「はい」と少しだけ強く応えた。
 そうこうしているうちに集まったものの乗船が終わり、それ以外のものも各自持ちわせの乗り物に乗り準備はできているようだ。
 「それじゃあ、わくしはこれから船の舵を取ります。なので戦闘になった際も戦いに加わる事は出来ません。みなさんの力に期待していますので、それでは。」
 イングリッドはそう言うと操舵室の方へと向かって行った。
 イングリッド操舵室に消えてから間もなく帆船はゆっくりと動き始めた。目的の海域までそう時間がかかる訳ではないがおのおの話をしたり武器を手入れしたり物思いにふけったりしているようだ。
 帆船の後方から何やら飛行物体が接近している。ゆらゆらと揺れながらこちらの進路方向に向かって飛んできている。
どうやらこっちへ向かって飛んできているのは 佐野 和輝(さの・かずき) アニス・パラス(あにす・ぱらす)禁書 『ダンタリオンの書』(きしょ・だんたりおんのしょ) ルナ・クリスタリア(るな・くりすたりあ)の4人。3人がアニスの空飛ぶ箒ファルケにしがみついているようだ。
 ふらふらと飛ぶ箒に乗りながら和輝は誰かと通信している様子だ。どうやら相手は和輝を今回の事件の調査に呼んだ張本人である源 鉄心(みなもと・てっしん)、そしてもう一人犬神 狛(いぬがみ・こま)のようだ。
「鉄心さん、遅くなりましたが今回の真犯人の見当がつきました。とりあえず今パッフェルさん達が見えるので彼女達に話してみます」
「了解した、特定にいたったらまた連絡をください」
 「は、はい。うわぁっと」
「うぉーい! その船待ってぇ〜。ちょっと止まってぇ〜」
「アニスもう少し丁寧にお願いします」
「アニスには無茶な注文なのだよ」
「私達が遅れてきたのだからしょうがないですぅ」
そうこうしているうちになんとか追いつきふらふらと不安定なままではあるが帆船に搭乗することに成功した。