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リアクション
緋桜遙遠(ひざくら・ようえん)
シャワールームで顔をあわせた彼らは、遙遠が殺人を犯したと本気で思っているのでしょうか。
まぁ、いいでしょう。人に、どう思われていようとそんなことは遙遠にとっては、意味がありませんから。
たまたま目の前に死体が転がっていようとも、興味のかけらもありません。
真犯人が誰だろうとも、ね。
「遙遠は殺人なんてしてないよ。
僕は信じてる。そうだよね」
パートナーの緋桜霞憐(ひざくら・かれん)も心配してくれているようです。
ここで真相を話してあげても、霞憐を混乱に陥れるだけでしょうし、あえて、真実は秘密にしておこうかな、と。
「いまは黙って遙遠についてきてください。
遙遠は、いつだって、霞憐を苦しめるような行為はしないつもりです」
「うん。
わかってる。
僕は、遙遠の味方さ。
僕らはこれからどこへ行くの?
さっきの連中は、まだシャワー室を調べてるみたいだよ」
「あの人たちと遙遠は関係ありません。
遙遠は好きにやらせて頂きます。
一件の殺人事件の容疑者になったくらいでは、まだまだ、奇怪なゆりかごの中で注目を浴びるには、話題性が足りない気がしますね。
剣山梅斎さんを斬り捨ててもよかったかもしれません」
「あの人をなんで斬り捨てなきゃいけないんだよ!
あ、ごめん。いまは、黙ってなきゃいけないんだよね。
でも。
よく知らない人を斬る、とか、よくないと思う」
「ですね。冗談です」
疑いのまなざしで遙遠の横顔を見つめる霞憐を連れて、遙遠は新たなトラブルを求めてゆりかご内を歩きます。
彼と会うためには、地道に探すよりも、遙遠が目立つ存在になって彼を引き寄せるのが、最善の策ですので。
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