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【2021ハロウィン】大荒野のハロウィンパレード!

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【2021ハロウィン】大荒野のハロウィンパレード!
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―最終章―
 話はまだ少しだけ続く。
 ハロウィンパレードの終了後。そのゴール付近では、パレードの参加者達が、余ったり、貰ったお菓子とジュースを片手に、暫しの休息を取っていた。
 落下した雅羅と再開した大助は再度『友達』の話を切りだそうとするが、上手く言えないまま終わっていたし、自分をボコボコにしたお菓子を梓はナガンと仲良く分けあっていた。そのお菓子の中にはアキラ達が貰ったお菓子も含まれており、アキラがピヨや従者たちに分け与えている姿が見える。
 また、ゴールの花火を見て感動したルカルカは、後始末が待ってる事を思い出し、「ああ……掃除の手配が……」と言い、「手伝って!」となななの首根っこを掴み、その場から一足早く消えていた。

 そんな風に和気あいあいと、三鬼と三二一が仲間たちと談笑していると……。
「デゼニ、久しぶりね。ふふっ、あなたがずいぶんと楽しそうなこと始めたから参加してあげたわ。感謝しなさいね」
「!? ……どうして、その名を?」
 表情を固くした三二一が振り向いた先には、穿蛇亜 美々衣(せんたあ・みみい)多摩 黄帝(たま・きてい)が立っていた。
「……双子?」
 白色の髪を左、右と頭の横で一本に束ねている二人を見て三二一が首を傾げる。
「三二一? 知り合いか?」
 そこに、手に好物のチュロスを持った三鬼がやって来る。
 絶滅寸前な不良の格好をしている三鬼を、何の因果かちょっとだけ殴りたくなるのを我慢した黄帝が、クスリと微笑む。因みに黄帝は、髪を左にまとめている方である。
「あなたが主催者なの?」
「……確かに、俺が浦安三鬼だが、おまえは?」
「そう……あたしは多摩黄帝よ。やっぱりお祭りっていいものね」
「……まぁな」
 黄帝は、三鬼が自己紹介した時、ふと気になった事をつい確認する。
「浦安? 浦安出身なの?」
「俺の出身地は流山だっ!」
「そう……誤解を受ける身というのは大変ね。実は、あたしもなのよ」
「な、何だと!?」 
「あなたとはいい友達になれそうだわ」」
 多摩市出身と思われがちだが、実は町田市出身の黄帝が三鬼に握手を求め、三鬼もこれに応える。
「しかし、おまえ……女の割にはデカイな」
 三鬼が黄帝を見上げる。
「あら、失礼ね。私の身長なんてパラミタアップル5こ分しかないわよ?」
「……十分、デケェじゃねぇか」
 パラミタアップルとは一つの大きさが35センチクラスの巨大なりんごである。
「浦安に多摩か……何か因縁らしきものを感じざる得ないな」
「!?」
 ぼさぼさの黒髪で神父のコスプレをした大阪 譲治(おおさか・じょうじ)が現れる。
「初めまして。先ほどまではパレードを見物していたのだがな……君たちの会話が少し気になってな」
「まさか、おまえも……?」
 三鬼がゴクリと唾を飲み込む。
「そう……私は大阪の大学で鮫の研究をしていた海洋学者。大阪市出身と思われがちだが実は吹田市出身なのだよ」
「その左腕は?」
 三鬼が見た譲治の左腕は、左肘から先が義手となっている。
「過去に鮫に襲われたのだ。パラミタ内海にいるとされる鮫を研究する為に波羅蜜多実業高等学校に来たのだ……私のパートナーとな」
「パートナーだって?」
「ああ、しかし、私は君たちと初対面だが、鬱出謂は知り合いが居るみたいだな……」
 譲治が視線を三二一と美々衣のいる方へやる。

 一方、三二一は未だ美々衣と対峙していた。
「どうして、その名を知っているかは聞かないけど、あたしの今の名前は魔威破魔三二一だよっ! それに、ちょっとデカいからって上から目線しないでよっ!」
「あたしも今は美々衣って名乗ってるわ。ちょっと日本で楽しい場所見つけたものだから」
 髪を双子の姉のようにそっくりな黄帝と区別するために右にまとめている美々衣がフフッと笑う。
「(うわー……嫌な女……)」
「小声に出したつもりでしょうけど、バッチリ聞こえてるのよ? 三二一?」
「こんばんは、デゼニ、それにサリオ。久しぶりだね」
 呼びかけられた声に今度は三二一だけでなく、美々衣も慌てて振り返る。
「どうして、私の名を……て、ユニバス!?」
 尖った赤いツンツン頭をした派手な外見の少年、此花 憂弟謂(このはな・うでい)がそこにいた。
「実は、僕もダンサーとしてパレードの参加していたんだけど……凄いじゃないかデゼニ。こんな素晴らしいパレードをやるなんて!」
「……それは、ありがとう」
 憂弟謂への警戒心を解いていない三二一が、低く呟く。
「うん。正直悔しい……でも僕だって負けるわけにはいかない」
 憂弟謂の本名ユニバスと言い、憂弟謂の名は、大阪のとある遊園地に心酔して改名したものである。そして、譲治と出会い、その苗字から近くかと思って契約したところ、隣の市だったので大体満足していた。
「負けるわけにはいかない、ですって?」
「そう……僕だって負けないよ。このパレード以上のパレードを企画してやるからな!」
 美々衣と三二一にそう宣言して踵を返す憂弟謂が、三鬼、黄帝達と何故か不思議な連帯感を共有していた譲治を呼び、去っていく。
 そして、美々衣も「あ、そうそう、これあげるわ」と、飴の詰め合わせを三二一に几帳面に押し付けて黄帝と共に人混みへと消えていった。
「三鬼……あたし達、ひょっとして大変な事をしちゃったのかな?」
 三鬼に寄り添う三二一が、不安そうに去りゆく彼らを見つめる。
 三鬼はただ黙って、三二一と共に、彼らを見送るのだった。

 三鬼と黄帝と譲治、そして三二一と美々衣と憂弟謂……。
 彼らの出会いは、出身地故の因縁の戦いが新たに始まる予感を感じさせるものであったが、彼らの話が語られるとするならば、それは、また別の機会になるだろう。

(終わり)

担当マスターより

▼担当マスター

深池豪

▼マスターコメント

 ごめんなさい! 若しくはこんにちは! 深池豪(みいけ ごう)です。
 またも謝罪から始まりましたが、リアクション公開が遅れ、皆様をお待たせしましたことを心よりお詫び致します。
  
 さて、今回のお話はシャンバラ大荒野を舞台にハロウィンパレードをやろうというシナリオでした。
 山車、ダンサー達の華やかなパレード。裏方として支えた警備員達。はたまた、観客として楽しんだ人達。
 色々なシーンを描かせて頂いて、私自身今回も楽しかったです。
 最近、こういうお祭り系シナリオが自分の得意ジャンルだとようやく気づきました(笑)
 
 ここで、少しアクションについてお話させて下さい。
 マスターにも依るところですが、私は、『突っ込み』『話の膨らまし』『他PLとの絡み』が多いマスタリングをする傾向にあります。
 但し、それも5W1H『Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(どこで) Why(なぜ) How(どのように)したのか』が基本になります。
 これが無ければ、色々と曲解した中でアクションの最善を取るように心がけています。特に、『誰が』と『どこで』が抜けていると、想像を駆使しても判定が出来ない時があります。
 単語一言でも良いので、「オレ(私)はココにいる!」と書いておいて貰うと助かります。
 今回も一部の方のアクションは上記の様な理由で不採用になったり、少し意味合いが置き換わったりしています。ごめんなさい!!

 称号は、話の中で目立った活躍された方を中心に付けさせて頂きました。
 付いてないよ、と言う方は、私がいいネーミングが浮かばなかっただけです。ごめんなさい! 
 今回も多くの方に参加して頂き、非常に感謝しております。そう言えば、MC数をLC数が超えたのは初めてでしたね。
 また、私へ私信でお言葉を下さったPL様達、本当にありがとうございます。本来でしたら個別コメントでする事なのですが、提出時間が遅い為、この場で厚く御礼申し上げます。
 
 私としましては、大変お待たせした分、皆さんにこのお話を楽しんでいただけたら幸いです。
 それでは、またお会いできる時を楽しみにしております。