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【EATER×EATER】進撃! キメラーメン!

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【EATER×EATER】進撃! キメラーメン!

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佐々木 弥十郎&真名美・西園寺

 美味しいものだけ作るのは、それはそれで飽きられる。
 美味しいもの。そうじゃないもの。毎日食べられるもの。
 そう言うものがあってこそ、総理は素晴らしい。

 また、美味しいもの=健康なものとは限らない。
 美味しいものを集める=美味しいとは限らない。
 一番大事なのは五味(酸、甘、辛、苦、鹹)と旨味の調和。
 ただ安直に美味しいものを集めれば良いというのは破廉恥だ。

 それが、戦場の料理人と称された佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)の信念だ。
(なんだ、この声は……泣き声? 料理人達の泣き声? いや、違う。食材たちの声か……いかなきゃ!)
 食材たちの泣く声を聞いた彼は、いつになく意気込んでいた。
「なんとかせんといかん!」
 迫り来るキメラーメンを見ながら、拳を握って決意を叫ぶ弥十郎。そんな彼に、パートナーである真名美・西園寺(まなみ・さいおんじ)が話しかけた。
「張り切ってるところ悪いんだけど、ちょっといいかな?」
 何事かと自分の方を振り返った弥十郎に真名美は言った。
「君の作った料理は天使にも悪魔にも会えるよ。今言いたいことは……弥十郎、ちょっと頭を下げなさい」
 そう言う真名美の手には、弥十郎が作ったチャーシューが握られていた。そして、真名美はコップ二杯の水で押し流すようにチャーシューを胃に詰め込んだ後、手を振り上げた。
「物凄く酷い!」
 そして、真名美はその言葉とともに弥十郎の頭をはたいた。
 真名美は弥十郎の作ったチャーシューを味見したのだが、見事にハズレに当たったようだった。というのも、今回、二人が立てた作戦は、キメラーメンに弥十郎が腕によりをかけて作ったチャーシューを食べさせるというものだった。
 そのチャーシューは口の中でほろほろととけて、ほっぺも落ちるような味だが、弥十郎の趣味で一部は口の中で残念な味に変わるものだったのだ。
『美味いけど飲み込もうとすることができない』そんな味。その効果でキメラーメンの内部から破壊する――それが作戦の内容だった。
 「このチャーシューを食べたキメラーメン、物凄いことになるんじゃ」
  そう言って真名美はため息をつく。案の定、このチャーシューを食べたキメラーメンは内部から爆裂するように大破したという。